リッチクライアント

rich client


 機能やユーザーインターフェイスの表現力や操作性、表示される内容などが、豊か(rich)なクライアントソフトウェア、もしくはクライアントマシン環境のこと。明確な定義はなく、かなり多義的な使われ方をするが、多くの場合は静的なHTMLがアプリケーション・インターフェイスとしては機能が貧弱であることに対比して使われる。

 シンクライアントに対して使われる場合は、Webブラウザを使わない従来型のWindowsアプリケーションなどのことをいったり、あるいはファットクライアント(fat client)――すなわち通常のデスクトップPCハードウェア――の言い換え語であったりする。

 またWebにおいて、コンテンツをテキストと画像以外に、アニメーションや3Dコンテンツ、ムービー動画などのリッチコンテンツを表示するためのクライアントソフト(リッチコンテンツ・クライアント)を意味する場合もある。

 ソフトウェアとしてのリッチクライアントは、2003年後半ごろから、企業の情報システムに対するソリューションとして注目されるようになってきている。

 企業システムで使われていたクライアント/サーバ・ベースのシステムは、クライアント台数が増えるとその管理の手間とコスト(TCO)の増大を招くことから、Webブラウザを利用したWebアプリケーションが急速に普及した。しかしWebアプリケーションは、HTMLをベースとしているため表現力が貧弱でエンドユーザーの混乱を招いたり、画面遷移が多い、キーボード操作に不向きなどの面からユーザーの生産性を下げるといった弱点が指摘されるようになった。またWebアプリケーションは通常、サーバサイドで処理を行うため、サーバの負荷増大もデメリットとされる。

 リッチクライアントは、このクライアント/サーバ型システムとWebアプリケーション双方の限界を同時に超えるシステム・インフラとして期待されている。

 リッチクライアントを実現する方法はさまざまだが、原則として以下の条件を満たすものと考えられる。

  • 操作性、表現力がWebブラウザなどに比べて豊かである
  • スタンドアロンではなく、サーバ・システムと機能連携できる
  • 画面制御ほか、処理をクライアントサイドで行うように設計可能である
  • クライアントソフトのバージョン管理やインストールの手間を軽減するソフトウェアデリバリに配慮がなされている

 “リッチクライアント”とされるテクノロジ、製品としては、Adobe Flash、Adobe Flex(アドビシステムズ)、Curl(Curl Corporation)、Biz/Browser、Biz/Designer(アクシスソフト)、スマートクライアント(マイクロソフト)、Workplace(IBM)などが挙げられる。また、JavaScriptやXMLなどの標準技術でリッチクライアントを実現するAjax(Asynchronous JavaScript + XML)もある。

 
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