六次の隔たり

six degrees of separation


 世界中の任意の2人は、知人の知人というような知り合いの連鎖の中で5人程度の仲介者によって間接的につながっているという考え。

 一般に米国の社会心理学者スタンレー・ミルグラム(Stanley Milgram)が1960年代に実施したスモールワールド実験に由来すると考えられている。これは任意の人物に手紙を届けるのに何人の人を介せばよいのかを検証したもの。ただし、ミルグラムは実験結果を示した論文『The small world problem』(1967年)で、“平均5.5人が仲介によって手紙が届いた”ことを報告したが、“世界中の人々が6人(5人の仲介者)でつながっている”というような主張はしていない。

 “六次の隔たり”という言葉を作り出したのは脚本家のジョン・グエア(John Guare)で、彼が書いた戯曲のタイトル『Six Degrees of Separation』から来ている。この作品は俳優シドニー・ポワティエ(Sidney Poitier)の息子を名乗る詐欺師によって裕福な夫婦がだまされるという1983年に実際に起きた詐欺事件を題材にしたもので、1991年にブロードウェーで初演され評判となり、1993年には映画化もされた(邦題は舞台が『あなたまでの6人』、映画が『私に近い6人の他人』)。

 グエア自身は、無線電信の発明者グリエルモ・マルコーニ(Guglielmo Marconi)が「世界が無線で結ばれた後、1人1人の人々を結び付けるために平均5.83の放送局を備える」と書いていたことにインスピレーションを得たと述べている(実際にマルコーニの言葉としては確認されていない)。

 考え方そのものは古くからあり、文章化されたものとしてはハンガリーの作家カリンティ・フリジェシュ(Karinthy Frigyes)の短編小説『鎖』(1929年)が最古といわれる。

 ソーシャルネットワーク・サービスのコンセプトとしてよく引き合いに出され、1997年に米国で開設されたソーシャルネットワーク・サイト「SixDegrees.com」(後に閉鎖)、2004年に開設された日本の「GREE」などの名前の由来でもある。

 
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