ソフトウェアエラー(そふとうぇあえらー)情報システム用語事典

software error

» 2011年11月07日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 コンピュータソフトウェアの要求・設計・実装・実行に関する誤りをいい、特にソフトウェアが正常に動作しないことを指す。ソフトウェアプロセスで不可避的に発生するヒューマンエラーをいう場合もある。

 ソフトウェアに関連して“エラー”はさまざまな場面で登場する用語である。最も一般的で、ユーザーが遭遇しやすいのはソフトウェアの動作異常だ。これはソフトウェアの振る舞いに関する“現象”で、フリーズや異常終了などが典型例である。ソフトウェアが正常に動作しない原因としては、プログラムコードに潜む誤り(バグ)のほかにコンフリクト、デッドロック、タイムアウトなどが考えられる。異常処理や例外処理の機能が実装されていれば、(目的の処理は中止されるものの)フリーズや異常終了せずに正常な状態に復帰する。OSやファームウェアなどのシステムソフトウェアに発生する不良はシステムエラーという。

 プログラミングやソフトウェアテストの世界では、しばしば“バグ”の同義語とみなされる。この意味でのエラーは、「構文エラー」「実行時エラー」「論理的エラー」の3つに分類されることが多い。また、SANS InstituteとCWE(共通脆弱性列挙)プロジェクトは、セキュリティホールの原因となるプログラム上の不備を「Dangerous Software Errors」と称している。

 ソフトウェア品質やソフトウェア信頼性の分野では、ソフトウェアプログラムにソフトウェアフォールトを作り込む原因となったソフトウェア開発上の誤りをソフトウェアエラーと呼ぶ。これは組織や人間の“行為”を指す言葉で、ソースコード作成における記述ミスのほか、要求定義・設計・実装・テスト各工程における解釈違いや理解不足、見落とし、あいまいな要求、整合性のない指示などを含む。

参考文献

▼『Javaのメカニズム――エラー処理・例外で困っているあなたに』 壬生朗=著/カットシステム/2006年12月

▼『ヒューマンエラー ――認知科学的アプローチ』 ジェームズ・リーソン=著/林喜男=訳/海文堂出版/1994年2月(『Human Error』の邦訳)

▼『基本から学ぶソフトウェアテスト――テストの「プロ」を目指す人のために』 セム・ケイナー、ジャック・フォーク、フン・クォック・グエン=著/テスト技術者交流会=訳/日経BP社/2001年11月(『Testing Computer Software, 2nd Edition』の邦訳)

▼『ソフトウェア信頼性ハンドブック――ソフトウェアの品質保証技術』 ポール・E・ルーク=編/菅野文友、大森晃=訳/日科技連出版社/1995年5月(『Software Reliability Handbook』の邦訳)


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