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戦略マップ

strategy map


 バランスト・スコアカード(BSC)をベースにした戦略マネジメントシステムで使われる戦略記述・説明ツールで、組織体(もしくは事業)全体の戦略目標と、BSCの4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)ごとの課題と施策、個別目標の関係を図示したもの。

 戦略マップは、階層状に配したBSCの4つの視点を示すエリアに各視点での取り組むべき課題、達成すべき目標を置いて、互いに影響や関係のあるものを矢線で結び付けた図である。各個別目標間の因果関係を可視化することで、全体として整合性のある戦略を構築・検討することができる。

BSC戦略マップのイメージ
BSC戦略マップのイメージ

 BSCフレームワークにおける戦略とは「どのようにしたら、ビジネスが成功するか?」を示した“仮説”であり、戦略マップはそのストーリーを1枚の図にまとめたものである。戦略の全体像を把握するのに適しており、“戦略策定・検討ツール”として有効である。また、一般社員にとっても「会社の方向性」「全体の中での自身の位置付けや役割、求められる貢献度」が理解しやすい。結果として戦略実行時の“意思統一ツール”、社員の“モチベーションアップツール”としても役立つ。

 BSCの提唱者であるロバート・S・キャプラン(Robert S. Kaplan)教授らは、当初BSCを業績評価ツールとして構想したが、その後実際にBSCを導入した企業に調査をしたところマネジメントシステムとして使われていることが多く、さらに戦略実現のための施策を4つの視点で整理した図を活用して改革に成功した例があることが明らかになった。キャプランらはそれを基に「戦略マップ」を開発、2000年に『The Strategy-Focused Organization』で発表した。

 キャプラン自身、こうしたBSCの使われ方を第3ステージ「組織と変革のフレームワーク」と呼んでいる。このフレームワークでは、まず戦略マップで戦略を記述・定義し、これに基づいてCSFKGIKPIを設定してスコアカードを作成する。このように作成されたスコアカード――戦略スコアカードは、組織体の戦略を反映したものであり、組織体が想定する目標、成果、達成方法などを体系的に明確化、詳細化したものとなる。これは、戦略を効率的かつ迅速に実行するための戦略マネジメントシステムのベースとなる。

参考文献

  • 『キャプランとノートンの戦略バランスト・スコアカード』 ロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートン=著/櫻井通晴=監訳/東洋経済新報社/2001年9月(『The Strategy-Focused Organization: How Balanced Scorecard Companies Thrive in the New Business Environment』の邦訳)
  • 『戦略マップ――バランスト・スコアカードの新・戦略実行フレームワーク』 ロバート・S・キャプラン、デビッド・P・ノートン=著/櫻井通晴、伊藤和憲、長谷川惠一=監訳/ランダムハウス講談社/2005年12月(『Strategy Maps: Converting Intangible Assets into Tangible Outcomes』の邦訳)
 
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