タイムスタンプ(たいむすたんぷ)情報システム用語事典

time stamp / デジタル・タイムスタンプ

» 2005年06月18日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 広義には「ファイルなどの電子データにおいて、その作成や更新などが行われた日時を示す情報」のことを指し、狭義には「第三者機関により電子データに対して正確な日時情報を付与し、その時点での電子データの存在証明と非改ざん証明を行う仕組みあるいは技術」をいう。

 一般にコンピュータ上でファイルを作成したり、更新したりすると、OSなどのファイルシステムはその操作が行われた日時をファイル属性として記録する。電子メールではヘッダにそのメールの送信日時、中継サーバの通過日時などが記録されている。Webサーバやネットワーク管理ソフトではシステムへのアクセスがあった時刻をログデータとして記録するし、それ以外の業務アプリケーションやミドルウェアでも何かの操作があったり、イベントが発生したりした日時を記録するものが多い。これらの日時・時刻の情報を“タイムスタンプ”という。

 しかし、このようなタイムスタンプが示す日時はコンピュータの内部時計に依存し、必ずしも正確でも確実でもない。

 例えば電子商取引で電子的な請求書や契約書などを交わす場合、それらに記録された日時が請求日や契約日になるため、電子データの日時情報の信頼性が問題となる。

 こうした重要な電子データに対して、信頼の置ける時刻を付与する仕組みあるいは技術を“タイムスタンプ”という。特にPKIでは、電子データがある時刻に存在していたこと(存在証明)、およびその時刻以後に変更や改ざんがされていないこと(原本性保証)を証明するため、電子データのハッシュ値に時刻情報などを付与し、電子署名を行うことをいう。

 タイムスタンプ技術の国際標準として最も知られているのが、PKIのデジタル署名を基にした「IETF RFC 3161(Time Stamp Protcol)」という規格で、タイムスタンプのプロトコル、およびタイムスタンプ要求・応答のデータフォーマットを定義している。このほかにも「ISO/IEC 18014」があるが、これもRFC 3161をベースにしたものである。

 タイムスタンプの利用範囲としては電子商取引やオンライン・ショッピングのほかにも、コンプライアンス性の高いリリース文書(IR情報など)の証明、知的財産保護などへの適応も考えられる。電子公証や電子署名法でもタイムスタンプは必須のもので、e-文書法で電子化が許可された文書の中にも、一部省令でタイムスタンプの利用が義務付けられているものがある。

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