デスバレー
valley of death / 死の谷
先端技術の開発において、基礎研究の成果が資金の不足などによって事業に結び付けることができず、無駄に終わる現象のこと。または基礎研究を終えてから実用化・製品化までの間に横たわる、事業化を阻害する超え難い谷間のこと。
もともとは米国連邦議会 下院科学委員会副委員長だったバーノン・エーラーズ(Vernon J. Ehlers)の言葉で、米国の科学技術政策において、連邦政府が行う基礎研究への支援と、民間のリスクマネーが行う商品化開発への投資の間にギャップがあり、それが拡大していることを表現するものだった。すなわち、基礎研究と商品化には資金は相応に供給されているが、その間にある応用開発の段階には適切なスポンサーがおらず、多くのプロジェクトが資金不足で頓挫しており、せっかくの技術が「死」に追いやられている状況を示す。
エーラーズらが下院科学技術委員会報告書「Unlocking Our Future: Toward a New National Science Policy」(1998年)でこの問題を指摘した結果、ATP(Advanced Technology Program)、SBIR(Small Business Innovation Research)、CRADA(Cooperative Research and Development Agreements)などの支援策が実施されるようになった。
日本では資金不足以外の理由により、優れた技術がイノベーションにつなげることができない状況が見られる指摘されており、「日本型デスバレー」と呼ばれる。その要因は「ビジョンやコンセプトなどを表現する能力の不足」「組織内部における連携の不足」「リーダーシップの不足」などが挙げられている。
参考文献
- 「Unlocking Our Future: Toward a New National Science Policy」A report to Congress by the House Committee on Science/1998年
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