2007年問題(2007ねんもんだい)情報システム用語事典

year 2007 problem

» 2004年12月17日 00時00分 公開
[@IT情報マネジメント編集部,@IT]

 日本企業で基幹系システム(大型汎用機やオフコンによるレガシーシステム)を最初に構築し、これまで運用・保守を行ってきたベテラン・エンジニアがそろって定年を迎え、今後の企業システムのメンテナンスが困難になるといわれる問題のこと。団塊の世代で一番多いとされる1947年生まれの人々が60歳となり、定年を迎える“2007年”に象徴させて表現している。

 ITの世界では、システム開発の主流は汎用機からオープン系へ移行しているため、若手エンジニアで汎用機やCOBOLの知識を持っている人は多くない。システム開発・運用の現場では、ベテラン・エンジニアがレガシーシステムを担当し、若手がクライアント/サーバシステムやWebシステムを取り扱うケースが多いため、技術的にも業務知識的にもノウハウの継承ができていないことがほとんどだ。

 このため、企業にとっては今後もレガシーシステムを使い続けるのはリスクとなる可能性があるが、単純に汎用機をオープン系に置き換えるだけのプロジェクトは、業務に対するインパクトがないため積極投資しづらいというジレンマがある。

 この言葉は、もともとはCSKの有賀貞一副社長が使ったもの。有賀氏自身は、単に団塊の世代の引退を意味するだけではなく、社会構造の成熟に伴って情報システムが抜本的に再構築されるべき時期が訪れるが、今後期待されるシステムは途方もなく巨大で複雑なものとなるため、従来的なシステム構築の在り方(企業の情報システム部門だけではなく、IT業界全体の在り方)にも変化が求められると解説している。

 またIT分野以外でも、団塊の世代が持つ高度な技術力やノウハウ、経験が下の世代に継承できるか、、ないしは単純に熟練労働力の減少といった労働問題を語る際にも「2007年問題」という言葉が使われるようになっている。

参考文献

▼「ソリューションIT」リックテレコム/2004年4〜6月号


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