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» 2001年12月14日 05時00分 UPDATE

Tech TIPS:Windowsで右Altキーに[漢字]キーを割り当てる方法(AXキーボード設定を利用する方法)

日本語版Windowsを英語キーボードで使っているとき、漢字変換のオン/オフは[Alt]+[~]キーで行う。これが面倒なら、AXキーボード用ドライバに切り替えることで、右[Alt]キーだけで漢字変換をオン/オフできるようになる。その方法は?

[小川誉久,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象OS:Windows 2000 Professional / Windows XP Professional / Windows XP Home Edition / Windows 2000 Server / Windows 2000 Advanced Server



解説

 周知の通り、日本語対応がなされた106型109型キーボードには、[無変換]キーや[カタカナ・ひらがな]キー、[半角・全角]キーなど、かな漢字変換プログラムでの日本語入力を支援するためのキーが追加されている。しかし逆に、これらのキーが追加されたために、スペースバーが小さくなったり、かな漢字変換プログラムの使い方によっては、前出のような追加キーは不要だったりすることから、日本語環境でも101型104型英語キーボードを使っているユーザーも少なくないようだ。またビジネス用途ではないが、PC用のゲームなどは英語版の移植が多く、このため英語版キーボードを前提としていて、日本語キーでは非常に使いにくいということもある(英語キーでは直近にあるキーの組み合わせが、日本語キーでは遠く離れてしまうなど)。106型や109型日本語キーボードでは、かな漢字変換プログラムのオン/オフをトグルさせるキーの組み合わせとして、伝統的に[Alt]+[半角・全角]キーが割り当てられている(IME 2000からは、[半角・全角]キーだけでオン/オフが可能にされた)。一方、101型や104型英語キーボードを接続して使用する場合には、[Alt]+[~](チルダ)キーによってかな漢字変換プログラムのオン/オフを行う。

 [半角・全角]キーにしろ、[~](チルダ)キーにしろ、位置的にはメインキーの左上端にあるので、通常は左手の親指で左[Alt]キーを押し、同じ左手の薬指ないし人差し指で[半角・全角]または[~]を押すことになる。慣れの問題と言われればそれまでだが、片手でこれらのキーを同時に押すのは面倒な操作だ(日本語キーボード+IME 2000なら[半角・全角]キーのみでオン/オフが可能になり、便利になったが、やはり入力しやすいとは言えない)。特に本サイトの記事のように、半角の英数字を多用する原稿を書くなど、頻繁にかな漢字変換のオン/オフを繰り返すような使い方をするなら、2つのキーの組み合わせではなく、1つのキーで(しかも、より入力しやすい位置にあるキーで)オン/オフ操作を行いたいと考えるだろう。

 このような場合には、「AXキーボード」設定を活用するとよい。AXは、国内ではまだNECの9800シリーズが全盛だった1987年に、日本のマイクロソフトが中心となって提唱したPC/AT互換機をベースとする日本向けのPCアーキテクチャ仕様である。AXの基本思想は、当時既に世界標準のPC仕様だったPC/ATに必要最低限の変更を加え、日本語環境を実現するというものだ。このため、漢字ROMを搭載する必要があったグラフィックスカードや(当時はプロセッサの処理能力が低く、ソフトウェアだけで日本語フォントを表示することは困難だった)、キーボードを日本語化した以外は、ほとんどPC/AT互換機をそのまま使う仕様であった。このキーボードの日本語化も、必要最低限の変更ですませており、基本的には101型キーボードの右[Alt]キーを[漢字]キーとし、ここでかな漢字変換プログラムのオン/オフを可能にしていた。

 つまり、英語版の101型や104型キーなどを利用するときに、AXキーボードドライバを利用すれば、他のキーはほとんどそのまま、右[Alt]キーを[漢字]キーに割り当て、1アクションでかな漢字変換プログラムのオン/オフが可能になるわけだ。このためパワーユーザーの間では、AXキーボードをわざわざ買い求めて使ったり、101型/104型キーボードを接続し、AXキーボードドライバを組み合わせて使ったりする人が少なくない(何を隠そう、筆者もその1人である)。

 Windows 9xや、前バージョンのWindows NT 4.0では、このAXキーボードが明示的にサポートされており、OSのインストール時にメニューから選択することができた。しかしWindows 2000/Windows XPでは、インストール時の選択肢にはAXキーボードは登場せず、コントロールパネルの[キーボード]アイテムからドライバ一覧を表示させても、選択項目は表れなくなってしまった。Windows 2000/Windows XPでは、AXキーボードはサポートされなくなってしまったのか……?

 心配はご無用。選択項目には表れないものの、AXキーボード用のレイヤードライバはWindows 2000/Windows XPでも提供されており、レジストリを操作すれば、AXキーボード設定を利用できる。具体的な設定手順を次にまとめよう。ただし、これはレジストリを操作する場合に共通して言えることだが、システムを管理・運用するための重要な情報が記録されているレジストリに対し、マニュアル作業で不適切な値を書き込んでしまうと、最悪システムが正常に起動しなくなるなど、致命的な障害を招く危険性がある。特にキーボードは、PCシステムにとってクリティカルなデバイスの1つなので、操作には細心の注意が必要である。

操作方法

[注意]

レジストリに不正な値を書き込んでしまうと、システムに重大な障害を及ぼし、最悪の場合、システムの再インストールを余儀なくされることもあります。レジストリエディタの操作は慎重に行うとともに、あくまで御自分のリスクで操作を行ってください。何らかの障害が発生した場合でも、本Windows Server Insider編集部では責任を負いかねます。ご了承ください。


●ドライバが存在することを確認し、レジストリで設定する

 最初は、%SystemRoot%\system32フォルダに、AX用のレイヤードライバ(kbdax2.dll)が存在することを確認する。このファイルのプロパティを表示すると、これがAX用のドライバであることが分かる。

%SystemRoot%\system32フォルダに収録されているキーボード用レイヤードライバ %SystemRoot%\system32フォルダに収録されているキーボード用レイヤードライバ
%SystemRoot%\system32フォルダを一覧し、キーボード用のレイヤードライバを一覧させたところ。このようにsystem32フォルダには、現在使用している以外のキーボード用レイヤードライバもコピーされている。画面はWindows 2000でのもの。
  (1)AXキーボード用レイヤードライバ。

kbdax2.dllのプロパティを表示したところ kbdax2.dllのプロパティを表示したところ
kbdax2.dllファイルのプロパティダイアログを表示させ、[バージョン情報]タブをクリックしたところ。画面はWindows 2000のもので、Windows XPでは、ファイルバージョンは「5.1.2600.0」となっている。
  (1)AXキーボード向けの日本語キーボードレイアウト用ファイルであることが分かる。

 次にレジストリエディタを起動し、HKEY_LOCAL_MACHINEハイブのSYSTEM\CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parametersキーを表示し、現在の内容を確認する。レジストリエディタを起動するには、エクスプローラから%SystemRoot%\regedit.exeを実行するか、[スタート]ボタンの[ファイルを指定して実行]を選択し、表示されるダイアログで「regedit」と入力して[OK]ボタンをクリックすればよい。レジストリエディタは、[スタート]−[プログラム]メニューなどには登録されていない。

レジストリエディタを起動し、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM \CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parametersを表示したところ
レジストリエディタを起動し、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM \CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parametersを表示したところ レジストリエディタを起動し、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM \CurrentControlSet\Services\i8042prt\Parametersを表示したところ
画面はWindows 2000に英語版の101型キーボードを接続し、Windows 2000をインストールした状態のもの。
  (1)日本語用レイヤードライバとしてはkbd101.dll(101型キーボード用)が、キーボードのサブタイプは「0」が、キーボードタイプは「7」が設定されていることが分かる。

 ここでi8042prtとは、Intel 8042ポート用ドライバを意味している。Intel 8042はPC/AT互換機用のキーボードコントローラーチップであり、i8042ポートドライバは、キーボードおよびマウス(PS/2互換マウスとして知られるポートマウス)を制御するドライバである。これらの設定を次のように変更する。

値の名称 データ型
LayerDriver JPN REG_SZ kbdax2.dll
OverrideKeyboardIdentifier REG_SZ AX_105KEY
OverrideKeyboardSubtype REG_DWORD 1
OverrideKeyboardType REG_DWORD 7
レジストリの設定値

 ここで「LayerDriver JPN」は、日本語環境向けのキーボードレイヤードライバの指定、「OverrideKeyboardIdentifier」はキーボード識別子である。「OverrideKeyboardType」および「OverrideKeyboardSubtype」は、英語環境では通常は指定されない設定値で、レジストリにおけるキーボードタイプやサブタイプをオーバーライドするためのものである。これらにより、拡張101型キーや旧版のATキーボード(83、84キーなど)、各PCベンダー独自のキーなどを利用可能にする。

 設定後のレジストリエディタの画面は次のようになる。

設定変更後のレジストリエディタの表示
設定変更後のレジストリエディタの表示 設定変更後のレジストリエディタの表示
各設定値を変更した後のレジストリエディタの表示はこのようになる。
  (1)各設定が上の表の値になっていることが分かる。

 以上で設定は完了である。システムを再起動すれば、AXキーボード用のレイヤードライバが有効になり、右[Alt]キーに[漢字]キーが割り当てられる。

■更新履歴

【2001/12/14】Windows XPに関する情報を一部加筆・修正しました。

【2000/01/26】初版公開。


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