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» 2001年09月29日 00時00分 UPDATE

eラーニングでCCNAを目指せ!(0):どこからでも利用できるリモートラボとは?

[田中宏志,グローバル ナレッジ ネットワーク インク]

CCNAを受験するには

 CCNA(Cisco Certified Network Associate)はシスコ技術者認定資格の1つで、ルーティングとスイッチング運用管理技術者を対象としたアソシエイトクラスに該当する認定資格である。シスコ技術者認定資格は、大きく分けてアソシエイトクラス、プロフェッショナルクラス、エキスパートクラスの3つに分けられている。プロフェッショナルクラスに該当するCCNP(Cisco Certified Network Professional)などの認定資格は、CCNAを取得していないと認定されない。エキスパートクラスに該当するCCIE(Cisco Certified Internetwork Expert)は下位認定資格を取得する必要はないが、かなりの難関試験である。これらの理由から、シスコ技術者認定資格を取得する場合、まずはCCNAから取得することになる。

シスコ技術者認定資格の体系 シスコ技術者認定資格の体系

 CCNAは、中小規模のLAN/インターネットワークを対象に、シスコルータやスイッチを使用したネットワークの構築、管理、運営を行うことができる技術者であることを認定する。当然、シスコルータやスイッチの簡単な構成やトラブルシューティングができなければならない。ただし、ルータやスイッチはネットワーク機器であるので、基本的なネットワークに関連する知識を持っていることが大前提となる。具体的には、OSI参照モデルやTCP/IPに関連する知識である。今回の連載では、これらの知識をすでに持っているとの前提で話を進めていく。

 CCNA取得に必要な知識は、シスコ技術者認定サイトのCCNA関連Webページに掲載されている。では、いかにしてこれらの知識を取得すればよいのか。その主な方法は次の3つである。

(1)シスコ技術者認定トレーニングを受講

 CLP(Cisco Learning Partner)が実施するトレーニングを受講する。数多くのトレーニングのうち、CCNAに対応するものが、ICND(Interconnecting Cisco Network Devices)である。この方法が一番確実であるが、費用が高く、自分の予定を空けて実際にCLPまで行かなければならないのが欠点である。なお、CLPに関する詳しい内容は、シスコシステムズのWebページにラーニングパートナー一覧として掲載されている。

(2)eラーニングを受講

 eラーニングは、インターネットを利用したトレーニングである。前述のICNDも、eラーニングで受講可能である。eラーニング最大のメリットは、時間や場所を気にすることなくいつでもどこでも受講可能という点である。ただし、講師への質問は電子メールなどを使用するため、本物のトレーニングと比べると完全にリアルタイムとはいかない。

(3)市販の解説本を利用

 最近では、CCNAに関連する解説本・受験本も増えてきた。この方法が一番低価格で済むが、ある程度の知識を持っている人でないと、解説本だけでの資格取得は難しい。従って、実際にシスコルータやスイッチを使用した経験のない人の場合、ほかの方法と併用することになるだろう。

 CCNAは、シスコルータやスイッチの簡単な構成やトラブルシューティングができる人を対象としている以上、実機を使った“練習”が欠かせない。確かにCCNAは筆記試験だけなので、実機を使ったことがない人でも原理的には合格は可能である。しかし、それは明らかに効率の悪い勉強方法である。なぜなら、ルータやスイッチを構成するコマンドは、頭で考えるよりも実際に入力して動作を確かめた方が理解しやすいからである。第一、ルータやスイッチを構成できないCCNAというのは、明らかにおかしい。

 認定トレーニングでも、実機を使った演習が用意されている。認定トレーニングを受講しない人は、自分でルータやスイッチを用意する必要がある。自分でルータやスイッチを購入して試験に臨んだ人もいるらしいが、実際に自分でルータやスイッチを購入するなると、相当な金額を用意しなければならない。そこに登場したのがリモートラボである。

遠隔操作でルータ/スイッチの実習ができる

 リモートラボとは、インターネットやイントラネットを経由して、実際にシスコルータやスイッチを遠隔操作できるシステムのことである。詳しい内容は、シスコリモートラボのWebページに掲載されている。リモートラボには、いくつかの演習が用意されている。この演習に従って、インターネット経由でtelnetで接続し、実際にルータやスイッチを設定する。演習で設定するルータやスイッチは、シミュレータではない。本物のルータやスイッチである。実は、リモートラボの実体」である「vLab System」というサイト内には、本物のシスコルータやスイッチがずらりと並んでいる。ここへtelnetで接続するのである。

 しかし、リモートラボをすぐに利用できるわけではない。まずは、自分のマシンでリモートラボが使用できるかどうかを確認する必要がある。これは、一部のファイアウォールの設定によっては、リモートラボを利用できないことがあるからだ。確認方法は、リモートラボを行うコンピュータから、リモートラボのtelnet接続の確認ページにアクセスする。「通常のTelnetをテストする」をクリックし、次のように表示されれば使用できる。

この画面が表示されれば、telnetでリモートラボを利用できる。 この画面が表示されれば、telnetでリモートラボを利用できる。

 ただし、社内ネットワークの場合、ファイアウォールの設定などによっては、telnetを使用できない場合がある。この場合、「JavaTelnet」を使用すればリモートラボを使用できる。もしも「通常のTelnetをテストする」をクリックして正常に接続できないときは、「JavaTelnetをテストする」をクリックし、次のように表示されれば確認終了である。

JavaTelnetでこの画面が表示されれば、JavaTelnetでリモートラボを利用できる。 JavaTelnetでこの画面が表示されれば、JavaTelnetでリモートラボを利用できる。

 次に、リモートラボのキーを購入する。キーを購入すると、ユーザーIDとパスワードが送られてくる。リモートラボにこのユーザーIDとパスワードを使ってログインすると、リモートラボが利用できるようになる。キーの価格は演習によって異なるが、標準的な演習で7000円〜8000円ぐらい、高くても1万円程度である。リモートラボのキーはCLPが販売している。

 リモートラボのキーを購入し、ユーザーIDとパスワードが電子メールで送られてきたら、晴れてリモートラボが利用できる。リモートラボの詳しい使用方法は、リモートラボのWebページにある「Quick Tour」に、Shockwaveを利用したデモとともに解説されているので、ここでは簡単に紹介する。User IDとパスワードを利用してログインすると、「vLab Locker」が表示される。ここには、利用可能な演習が表示されるので、まずは希望の時間帯を指定してラボを予約する。次に、ラボで演習する内容が書かれているので、ラボを開始する前に書いてある内容を熟読し、何をするのかを理解しておく。これで、予約時間にリモートラボにログインすればラボが開始される。ラボを開始すると、演習のトポロジ図が表示される。図のルータやスイッチをクリックすると、そのルータやスイッチをtelnetで構成できる仕組みになっている。

リモートラボの長所と短所

 ところで、リモートラボの利用は、次のような長所と短所が存在する。

長所

(1)低価格でルータやスイッチに触れられる
 CCNAの勉強を始めると、コマンドの入力によってルータやスイッチの設定がどのように変化するかを一度は試したいと考えるだろう。リモートラボを利用すると、実機を購入することなくルータやスイッチを実際に触って学習することができる。しかも、おおむね1万円以下の低価格で実現できる。

(2)複数のルータやスイッチを利用できる
 シスコルータやスイッチを構成する練習をする場合、ほとんどのケースでは1台のルータやスイッチだけでは足りない。演習によって、複数台のルータやスイッチが必要となる。しかし、リモートラボでは演習に必要なルータやスイッチがすべて用意されているので、何台必要になるかで悩む必要はない。

(3)どこからでも実機を使用した演習ができる
 実機が用意されている環境で、いつでも自由に利用できる人は、かなり恵まれた環境だろう。いくら実機といっても、本番環境で使用しているルータやスイッチでは練習できない。会社によってはテスト用の機材が用意されているケースもあるが、それもかなり恵まれたケースだ。そもそもテスト用のルータやスイッチを確保すること自体が大変なはずだ。しかし、リモートラボは地理的な、インターネットが利用可能であれば、ルータやスイッチに触ることができるのである。

短所

(1)ごく一部の環境では利用できない
 ファイアウォールの設定によっては、JavaTelnetを利用してもリモートラボが使えない可能性がある。

(2)長時間のインターネット接続が必要となる
 最近ではインターネットの常時接続が高価なソリューションではなくなった。しかし、現在でもダイヤルアップ接続で従量制(課金)を利用しているユーザーは少なからず存在する。リモートラボは長時間のインターネット接続が必要となるため、従量制を利用しているユーザーにとっては少々厳しいかもしれない。

(3)リモートラボキーの申し込みが煩雑
 リモートラボを利用するには、キーが必要である。しかし、肝心のキーを買うには、CLPに申し込む必要がある。しかも、Webページでクレジットカード番号を入力するとすぐにユーザーIDとパスワードが送付されて利用できるわけではない。インターネットを利用したシステムではあるが、意外と手間がかかるのが実情だ。

 以上のような欠点はあるが、少なくとも短所の(2)と(3)は今後解決されると筆者は信じている。

 さて、次回からはいよいよリモートラボを実際に利用して、CCNAの課題にチャレンジしていく。次回は、次の予習問題が解け、結論に至る考え方などを理解できるようにしたい。問題のコマンドが重要なのは、シスコのスイッチやルータに触れるとき、最初に利用するコマンドだからだ。

予習問題

Q1) 次のうち、特権モードに移行するコマンドはどれですか。

  • A: Router> enable
  • B: Router> disable
  • C: Router> configure terminal
  • D: Router> login

Q2) 次のうち、特権モードに移行するパスワードをglobalに構成するコマンドはどれですか。

  • A: Router(config)# password global
  • B: Router(config)# enable password global
  • C: Router(config)# enable secret global
  • D: Router(config)# enable secret password global


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