第3回 Windows LANの核心、NetBIOSを理解する(その1)基礎から学ぶWindowsネットワーク(1/3 ページ)

いまなおWindowsネットワークの原点として機能しているNetBIOS。前編はネットワークの基本とNetBIOSの概要を解説。

» 2002年07月11日 00時00分 公開
連載 基礎から学ぶWindowsネットワーク ―― Windowsネットワーク管理者への道 ―― 
Windows Server Insider

 

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連載目次


 これまで2回の連載で、上位のファイル・サービスから、リダイレクタ、ネットワーク・プロトコル、物理的なネットワーク媒体まで、Windowsネットワークの概要について見てきた。これはWindowsネットワークに限った話ではないが、ネットワークの機能は幾重にも階層化されたソフトウェア部品によって構成されており、部分的な置き換えを可能にしている。これにより、特定のネットワーク・デバイスや、プロトコルに依存することなく、必要に応じてさまざまなデバイスやプロトコルを組み合わせながら、上位のネットワーク・アプリケーションをそのまま使うことが可能になることを学んだ。

 今回からは、Windowsネットワークの構成要素の1つに注目し、各論に入っていこうと思う。まず始めは、Windowsネットワークの原点であると同時に、いまなお改良を加えられながらもWindowsネットワークの核心部分で息づいているNetBIOSについて説明していこう。

 これまでの連載で述べたとおり、NetBIOSはネットワーク・プロトコルではなく、ネットワーク・アプリケーション向けに用意された、非常にプリミティブな(基本的な)機能を持つAPI(Application Programming Interface)である。上位のネットワーク・アプリケーション(ファイル共有サービスなど)は、このNetBIOSが提供するAPIを使って、アプリケーションの機能を実装する。

NetBIOS API
NetBIOSはプロトコルではなく、上位のネットワーク・アプリケーションがネットワークを使用するために呼び出すAPIである。実際の通信プロトコル(通信手順)については、NetBIOSの下位に実装されるトランスポート層プロトコル(NetBEUIやNBTなど)によって決定される。トランスポート層プロトコルに何を使おうとも、ネットワーク・アプリケーションはその影響を受けず、まったく同様にNetBIOSを呼び出して使うことができる。

 以下本稿では、NetBIOSの概要について述べる。ただし説明の目的は、あくまでWindowsネットワークをより深く理解することであって、実践的なNetBIOSプログラミングを目指すことではない。基本的な概念についてはなるべく丁寧に説明するが、細部まで組織的に説明しているわけではない。英語版ではあるが、NetBIOSに関する詳しいドキュメント(NetBIOS SDKドキュメント)がマイクロソフトのWebサイトで公開されているので、必要なら参照していただきたい。


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