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» 2002年07月13日 00時00分 UPDATE

Apache 2.0でWebDAV(後編):Subversionによるバージョン管理 (1/3)

DeltaVと呼ばれていたバージョニング拡張がRFCとしてリリースされたことにより、WebDAVのバージョン管理機能もようやく足元か固まった。以前紹介したSubversionをApache 2.0+WebDAV環境に導入してみよう。

[宮本久仁男,NTTデータ]

WebDAVのバージョニング拡張

 日本語ファイル名の利用とバージョン管理ではドラフトレベルだったWebDAVのバージョニング拡張(DeltaVと呼ばれていた)ですが、2002年3月にRFC 3253としてリリースされました()。

注:余談ですが、RFC 3251とRFC 3252が2002年4月1日のJoke RFCに割り当てられた番号です。


 ざっと読んだ限り、最終ドラフトから大幅に変わった部分はありません。ただし、追加されたメソッドの数が多かったり既存メソッドの大幅な拡張を伴うということもあり、WebDAVの基本規約であるRFC 2518よりもボリュームが増しています。

 今回紹介するのは、RFC 3253の基であるDeltaVの実装の1つ、「Subversion」です。

Subversion

 DeltaVがRFC 3253としてリリースされ、Apache 2.0が正式リリースされた前後にSubversionの方にも変化がありました。「Version 1.0」という文字列がProject homeページ(http://subversion.tigris.org/)に見えるようになり、スナップショットのtarボールも「pre-alpha」という別名が付いています。

 Subversion 1.0では、

  • CVSが持つ機能の実現
  • ディレクトリ、リネーム、ファイルのメタデータなどのバージョン管理
  • バイナリの効率的な取り扱い

をはじめとする多くの機能が実現されるとのことですが、現在はpre-alphaなので今後の動向に注目したいところです。

 以前、日本語ファイル名の利用とバージョン管理で紹介したSubversionは、マイルストーン3、リリース番号88という非常に初期のものでした。原稿執筆時点では、Subversionのリリース番号は2000を超えています。

 これから、pre-alphaと名の付いたSubversion(バージョン0.13.1、リリース2291)を使用するための手順と、クライアントの利用方法を紹介します。

Subversionの実体

 Subversionは、mod_dav_fsと同じ部分に位置するバックエンドモジュール(mod_dav_svn)です(編注)。もう少し専門的ないい方をするのであれば、バージョニング機能を提供するものという意味で「バージョニングプロバイダ」と呼ばれます。mod_dav_fsとの関係を図1に示します。

図1 WebDAVとSubversion(mod_dav_svn)の関係 図1 WebDAVとSubversion(mod_dav_svn)の関係

 mod_davで受け付けた各種リクエストを、バージョニングプロバイダに受け渡ししてるわけです。

編注:mod_dav_fsや「バックエンドモジュール」などについては、Apache 2.0でWebDAVを参照。


Subversionコンパイル前の準備

 Subversionは、リポジトリの格納に「Berkeley DB 4.0」を使用します。従って、Berkeley DB 4.0をインストールしておく必要があります。実は、ApacheもBerkeley DB 4.0を使うようにしておく必要があります。これについては、詳しい手順とその理由を後述します。

Berkeley DBの入手とインストール

 Sleepycat Software(http://www.sleepycat.com/)のWebページのダウンロードメニューからdb-4.0.14.tar.gzというアーカイブをダウンロードします。後述しますが、SubversionではDBライブラリのバージョンをチェックします。古いバージョンのDBライブラリでは動作しない点に注意してください。

 configure && make && make installを実施しますが、これらの作業はすべてdistというサブディレクトリの下で行います。従って、アーカイブ展開後に作成されるディレクトリのさらに下のdistディレクトリに移動して作業する必要があります。

$ gzip -dc | tar xvf db-4.0.14.tar.gz
$ cd ./db-4.0.14/dist
$ ./configure
$ make
$ su root
# make install

 ここまでの作業で、/usr/local/BerkeleyDB.4.0というディレクトリ下にコマンド/ヘッダ/ライブラリのたぐいがインストールされます。ライブラリとヘッダがインストールされた様子を以下に示します。

$ ls -l /usr/local/BerkeleyDB.4.0/
合計 16
drwxr-xr-x   2 root   root     4096  6月 24 17:12 bin
drwxr-xr-x  10 root   root     4096  6月 24 17:12 docs
drwxr-xr-x   2 root   root     4096  6月 24 17:12 include
drwxr-xr-x   2 root   root     4096  6月 24 17:12 lib
 
$ ls -l /usr/local/BerkeleyDB.4.0/lib/
合計 1356
-r--r--r--   1 root   root   771346  6月 24 17:12 libdb-4.0.a
-r--r--r--   1 root   root      724  6月 24 17:12 libdb-4.0.la
-r--r--r--   1 root   root   599294  6月 24 17:12 libdb-4.0.so
lrwxrwxrwx   1 root   root       12  6月 24 17:12 libdb-4.so -> libdb-4.0.so
lrwxrwxrwx   1 root   root       11  6月 24 17:12 libdb.a -> libdb-4.0.a
lrwxrwxrwx   1 root   root       12  6月 24 17:12 libdb.so -> libdb-4.0.so
 
$ ls -l /usr/local/BerkeleyDB.4.0/include/
合計 104
-r--r--r--   1 wakatono wakatono   1209  4月 29  2001 cxx_common.h
-r--r--r--   1 wakatono wakatono   2129  5月  9  2001 cxx_except.h
-r--r--r--   1 wakatono wakatono  67730  6月 23 01:06 db.h
-r--r--r--   1 wakatono wakatono  22196  6月 23 01:06 db_cxx.h

ダイナミックリンカの検索パス追加

 ここまででインストールしたライブラリは、通常は標準でld.soが検索するライブラリパスには入っていません。従って、

  • /etc/ld.so.confなどを編集し、/usr/local/BerkeleyDB.4.0/libを追加する
  • /sbin/ldconfigを実行する

などとして、新規インストールしたライブラリ群をダイナミックリンカに見つけてもらうようにする必要があります。

Berkeley DBをリンクしたApache 2.0のインストール

 Apache 2.0でWebDAVの記事中で、Apache 2.0のconfigure && makeについて解説しました。ただし、Subversionを使うにはApache 2.0が使用するBerkeley DBライブラリを新しいものにする必要があります。すなわち、インストールしたDBライブラリのツリーをconfigureのDB指定に追加して、Apache 2.0をインストールし直すのです。configureのコマンドラインは、

$ ./configure --enable-so=yes \
      --enable-dav=yes \
      --with-berkeley-db=/usr/local/BerkeleyDB.4.0

という感じになります。もちろん、

$ ./configure --enable-module=most \
      --enable-shared=max \
      --enable-dav=yes \
      --with-berkeley-db=/usr/local/BerkeleyDB.4.0

としてモジュールを最大限にインストールするような形でも構いません。結果として、Apache 2.0の実行ファイルが新しいDBライブラリを参照してくれるようになっていれば問題ありません。筆者の環境では、

$ ldd /usr/local/apache2/bin/httpd
     libgdbm.so.2 => /usr/lib/libgdbm.so.2 (0x4002b000)
     libdb-4.0.so => /usr/local/BerkeleyDB.4.0/lib/libdb-4.0.so (0x40032000)
     libexpat.so.0 => /usr/lib/libexpat.so.0 (0x400b7000)
     libm.so.6 => /lib/i686/libm.so.6 (0x400d6000)
     libcrypt.so.1 => /lib/libcrypt.so.1 (0x400f8000)
     libnsl.so.1 => /lib/libnsl.so.1 (0x40125000)
     libdl.so.2 => /lib/libdl.so.2 (0x4013a000)
     libpthread.so.0 => /lib/i686/libpthread.so.0 (0x4013e000)
     libc.so.6 => /lib/i686/libc.so.6 (0x42000000)
     /lib/ld-linux.so.2 => /lib/ld-linux.so.2 (0x40000000)

というような形で、lddの実行結果中に現れるDBライブラリがlibdb-4.0.soとなっています。

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