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» 2006年03月16日 00時00分 UPDATE

新人が知らない会社の常識:新人が知らない会社の常識 (1/2)

4月になると、皆さんの会社にも新人たちが入社してくるだろう。ついこの間まで学生だった彼らには、会社での常識が通用しないことも多い。そんな新人の指導に役立つ事例とポイントを紹介しよう。

[越川剛臣,テンアートニ]

新人が知らないこと

 ついこの間新しい年が始まったと思ったら、もう3月になってしまいました。IT業界の3月といえば、年度末の納品やリリースで四苦八苦している時期かもしれませんね。そんな忙しい時期ではありますが、4月になれば今度は新入社員が皆さんの下に入ってきます。

 本稿では、4月に新入社員を迎え入れる先輩社員が心に留めておくべき「新人が知らない会社の常識」を紹介します。新入社員が失敗してしまいがちな典型的な事例を挙げ、対処の仕方と指導する際のポイントを解説したいと思います。

用語の常識

「こういう場合、チーム内でコンセンサスを取るのはデフォルトだからね」

「……(何いってるのかさっぱり分からないけど、みんな分かってるみたいだしな……)」

「新人君、分かった?」

あっ、はい、分かりました


 IT業界に入ってきた新入社員が先輩と接するとき、最初に戸惑うのが、おそらく「専門用語が分からない」という点ではないでしょうか。

 この業界に1年もいると、専門用語は当たり前のものになってしまいます。しかし、例えばITエンジニアならつい無意識に使ってしまう「デフォルト」という用語は、一般社会ではあまり使われません。情報系学部の出身者ならまだしも、文系の新入社員には何のことやら分からないでしょう。

 何げなく使っている「成果物」という言葉も、ITには限りませんがビジネスに特有の用語です(余談ですが、PCで「せいかぶつ」を変換しても必ず「青果物」になってしまい、面倒だなと思っている方は多いのではないでしょうか)。

 新入社員はとかく緊張しているものですし、自分のスキルがどのくらいか測りかねています。指示や説明を聞いていて、用語が分からなくても「自分だけが知らないのかも」と思ってしまい、なかなか聞きにくいというケースもあります。これは知っていて当然、これは知らなくて当然という判断をするのはなかなか難しいものです(本当は、大多数が知らなくて当然の知識だったりするのですが)。

 「分かりました」といいつつ全然作業が進んでいない新入社員がいたら、もしかして用語レベルで分かっていないのかも……と疑ってみた方がいいでしょう。

 新入社員に指示を出すときには、相手の反応をよく見ましょう。どうもピンとこない顔をしていると感じたらいったん話を止め、指示内容を説明させてみるなどして、どこを理解していないのかを分からせてあげるのも1つの方法です。

電子メールの常識

「新人君、このメールあて名が間違ってる! ○○株式会社じゃなくて株式会社○○だよ!」

「え? 『株式会社』って、前か後ろどっちかに付ければいいんじゃないんですか?

「……」


 よほどのことがない限り、いまどき電子メールの経験がないという新入社員はいないでしょう。では、ビジネスマナーをきちんと心得た電子メールが送れる新入社員はどれくらいいるのでしょうか。

 新入社員からの電子メールで、思わず「これは……」と絶句してしまった経験はありませんか。例えば、

・本文中のあて名が間違っている

 うっかりミスによる誤字脱字はもちろんいけませんが、自分の思い込みによる間違いをしてしまう場合があります。「株式会社」を前後どちらに付けるのか意識していない、勝手な判断で通称を用いるなどです。会社名は人でいえば名前です。名前を間違えて呼ばれたら嫌な気持ちになりますよね。正しいあて名を記載することの重要性を教えてあげましょう。

・内容が粗雑

 自分のいいたいことを文章で簡潔・的確に伝えるのはなかなか難しいことです。従ってある程度の慣れが必要です。このような文面を見掛けたことはありませんか。新入社員との電子メールによる進ちょく状況の確認の場面です。

作業A:完了
作業B:50%

以上


 確かに簡潔・的確に内容を伝えています。しかし、果たしてこれでよいのでしょうか。あまりに機械的で、まるでシステムが自動出力しているのかと思ってしまうような文面ですよね。

 「作業A、完了。作業B、50%。以上」などと口頭でいったら、相手を怒らせてしまうことでしょう。電子メールも文書による「コミュニケーション」ですから、相手の気持ちを考えて、きちんとした文章として伝えるようにすべきです。

 たまに逆のケースで、正確・丁寧に伝えようとするあまりに文章が長くなり、重要なところがボヤけて結局何をいいたいのか分からなくなってしまう場合もあります。全体が適度なボリュームであることも重要です。

 あなたが日々「常識」として作成している電子メールですが、社会人になりたての新入社員はそこまでの意識を持てていないことも多いと知っておいてください。

 電子メールでは相手の表情が見えませんから、時として自分の意図とは異なる解釈をされることもあります。マナーを心得ていない内容ではなおさらです。そのような電子メールを送れば、激怒するお客さまも出てくるだろうことは容易に想像がつきます。

 お客さまへの電子メールは、先輩であるあなたが一度チェックしてから送信させるようにしましょう。これも「常識」でしたね。

連絡の常識

「新人君、遅いじゃない。遅れるときはちゃんと連絡入れてよ」

「すみません、ちょっと寝坊しちゃって

「……(うそでもいいから体調不良とかいえよ……)」


 新入社員ならば、最初はビジネスマナーの基本を研修で学んでくることでしょう。ビジネスマナーの基本として、いわゆる「ホウレンソウ」(報告・連絡・相談)が挙げられます。

 新入社員の場合、学生のときの感覚がまだ強く残っていますので、頭では分かっていても実践するのは難しいということがあります。「予定に遅れるときには連絡を入れる」という習慣は、おろそかになりがちなものの代表格でしょう。

 社会人になると、出社するとき、顧客を訪問するとき、訪問時にほかの社員と待ち合わせをするとき、社内会議に出席するときなど、さまざまな場面で「予定どおり」に行動しなければなりません。もちろん、やむを得ない理由でその予定に遅れることはありますが、その際にきちんと連絡を入れるかどうかが重要です。

 例えば、あなたの部下の新入社員が、13時に顧客訪問に出発すると待ち合わせたのに5分遅れて「すいませんランチが出てくるのが遅くて」などといってきた場合、きちんと間違いを正してあげなければいけません。「ああ、それなら仕方ないね」といい先輩の顔をしても、新入社員のためにはなりません。

 ほとんどすべての企業活動は事前にスケジュールを策定し、それに基づいて行動していること、自分の遅れでほかの人の作業開始が遅れれば、その分余計なコストが発生してしまうことを、あなたの言葉で説明しましょう。

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