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» 2006年06月20日 00時00分 UPDATE

キャリアビジョンづくりから始めよう(4):魅力的な仕事を手に入れるには (2/2)

[田中春秋, 関口みゆき,特定非営利活動法人 キャリアカウンセリング協会]
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信頼ネットワークに入るには

 「信頼」というのは人間関係です。「自分がきちんと仕事をしていれば、上司も仲間も分かってくれる」というのは理想ではありますが、現実は自分から働き掛けなければ理解してはもらえません。

 上司や先輩が自分に何を期待していて、実際に自分がやっていることはそれに対してどうなのかという視点もあります。上司や先輩の思いをきちんと理解していないと、それが合っているかどうかも分かりません。コミュニケーションが重要なのです。

 ではどうすればいいかというと、

1.上司や仲間を理解しようと努力し、自分も理解されるよう努力する

2.上司や先輩への「報告」「連絡」「相談」は、理解されるための基本努力
(最もよくないのは「隠す」「嘘をつく」「勝手にやる」こと)

3.前向きなコミュニケーション
(否定的・攻撃的なコミュニケーションだと、他人に紹介する気になりません)

4.できることとまだできないことをはっきりさせ、できることを広げるよう努力し、その経過を上司と共有する

5.自分を信頼してもらう前に、自分の上司や先輩を信頼する
(すべてが理想的な人などいないので、上司や先輩の「いいところ」「できるところ」を意識して見つけ出し、その部分だけでも尊敬し、言葉や態度で表す)

6.自分のやりたいこと、理想を、周り(特に上司や先輩たち)に伝える

というところでしょうか。

 さらにいうなら、自分ができる仕事は取り込んであげる、というスタンスも役に立ちます。優秀な人は、その人しかできないことに時間を注力できた方が、チームとしてのパフォーマンスは上がります。上司や優秀な人の「低レベルのことばかりに時間をとられて大切なことができない」というストレスも軽減します。

 あなたの能力自体はまだまだであっても、優秀な人の活動時間を増やせるのであれば、チームにとって大きな貢献をしていることになります。自分だけが上司の仕事を手伝うことがゴマすりのようで嫌ならば、提案をしてみんなで分担して上司の負荷を減らす調整をするなどでもOKです。

 こういうことができるメンバーは、私が上司でもチームに参加させたいと思います。

経験を積み、すぐに動けることをアピール

 選択の視点のうち「能力」「実績・経験」は、仕事の中で向上させるようにしてください。

 日々の仕事で成長の機会が少ないならば、自主学習、研修参加、資格取得も可能性を広げる方法です。

 企業は「実績がある」→「実践したことがある」→「実践はないが学習はしている」→「まったくの未経験だが学習も含めやらせてみる」という順番で選んでいきます。経験者だけではなかなか仕事は回りません。未経験者のうち誰を選ぶかとなったとき、自主的に学習していることを証明できるのは強みになります。

 「いま動ける」という点のアピール方法を考えてみましょう。納期のあるプロジェクトを担当しているのであれば、終わりが見え始めるころから「自分の仕事に区切りがつく」「こんな仕事がやりたい」というメッセージを信頼ネットワークに乗せることが第一です。相手も人間ですから、頼みたいことがあるときだけ声を掛けてくる人のいうことはあまり聞いてくれません。

 とすると、信頼のネットワークに入っていそうな上司(昔の上司含め)や先輩たちと、日常的あるいは定期的にコンタクトを取っていることが重要になります。

 皆さんは年賀状などばかにしているかもしれませんが、年に1度しか送らないものの、自分が何をしたいかを上司や先輩に伝えることができる重要なコンタクトの手段ともいえます。飲み会やイベントでもOKです。そういう機会に自分の状況や夢を伝えてみるのが大切です。

 納期がない仕事をしていて、次のステップに動きたいのであれば、自分の仕事を整理して可視化する、(特に後輩などと)共有して自分でなくてもできるようにすることが重要です。

 仕事を抱え込んでいると、新しい仕事があったとしても、よほどのことがなければ声は掛かりません。異動を告げて2週間から1カ月程度で引き継ぎができるぐらいには仕事が整理できている、と周りに思われていない限り、すぐに候補から外されてしまうでしょう。

まだ信頼ネットワークに入れずにいる場合は

 ここまでは信頼ネットワークを意識した動き方です。信頼ネットワークで声が掛かる段階に自分がまだ至っていないならば、「一発アピール」で自分を売り込むことになります。

 この場合、面接する相手が知りたいことは、「能力があるか」と、これまでの視点と同様「信頼できるか」です。

 「客観的事実」「エピソード」「エピソードに絡めた自分自身の思考パターン(成果を挙げそうか、信頼できる行動を取れそうか)」を表現する必要があります。これはまた別途、「履歴書の書き方・面接」について解説するときに詳しく紹介します。

 今回は「企業が新規プロジェクトを立ち上げる際、どうやってメンバーを決めるか」という視点からスタートし、「魅力的な仕事を手に入れるには、日常の仕事でどういう行動を取ればいいか」を考えてみました。

 次回は「転職する際に気を付けること」について解説したいと思います。

筆者紹介

特定非営利活動法人 キャリアカウンセリング協会

田中春秋

GCDF-Japanキャリアカウンセラー養成トレーナー兼特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会事務局長。キャリア関連の仕事をする人の養成・向上を個人・団体両面で実現中。キャリア領域の研修・セミナー・カウンセリング・コンサルティングなどを企業・大学ほかで実施。

特定非営利活動法人 キャリアカウンセリング協会

関口みゆき

ホテル業の人事・労務・能力開発・退職転進援助制度事務局に勤務。その後リクルートにて就職支援プログラム・カウンセリング・企業開拓などを行いながらGCDF-JAPANキャリアカウンセラー資格を取得。現在特定非営利活動法人キャリアカウンセリング協会にてカウンセラーの育成にかかわるともに大学・自治体・団体などで活動中。



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