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» 2007年08月24日 05時00分 UPDATE

Tech TIPS:Windowsでリモートデスクトップの描画設定を変更してレスポンスを向上させる

遅いネットワークでは、リモートデスクトップで十分なレスポンスを得られない場合がある。リモートデスクトップ接続クライアントの[エクスペリエンス]タブで設定を変更することで、レスポンス向上が可能である。

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]
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連載目次

対象OS:Windows 2000 / Windows XP / Windows Vista / Windows Server 2003



解説

 Windows 2000 Server/Windows Server 2003のターミナルサービスや、Home Edition以外のWindows XPのリモートデスクトップ(以下まとめてリモートデスクトップ)を利用することで、遠隔地のデータセンターにあるサーバをリモートで管理したり、外出先から社内のコンピュータに接続してあたかもそのコンピュータそのものを操作しているように使ったりすることができる。

 リモートデスクトップでは、サーバのメモリの上に仮想的な画面を作成し、描画によって変更があった部分(差分)のデータだけを効率よくクライアントに送ることによって、リモートからの操作を実現している。ところがPHSや電話回線といったネットワークの帯域が狭い回線を利用して接続すると、差分のデータを送信するだけでも帯域が足りず、結果としてリモートデスクトップのレスポンスが低下してしまう。

 これを抑えるため、ネットワークの帯域に応じて、デスクトップの描画方法を変更したり、背景を省略したりするなどの最適化が可能となっている。また、フォントのビットマップデータをクライアント側へキャッシュするなどして、送信するべきデータを抑制することも可能だ。ネットワークの帯域に合わせて、これらの機能を設定することで、狭い帯域であっても、それなりのレスポンスでリモートデスクトップを利用することができる。

操作方法

 ネットワークの帯域に応じたデスクトップの描画方法などを設定するには、リモートデスクトップ接続クライアントで、接続前にオプションを変更する。いったん接続してしまうと、後から変更することはできないので、すでに接続している場合は、いったん「切断」し、再接続前に設定するとよい。

 リモートデスクトップ接続クライアントを起動し([スタート]−[すべてのプログラム]−[アクセサリ]−[通信]−[リモート デスクトップ接続]または[スタート]−[アクセサリ]−[リモート デスクトップ接続])、[オプション]ボタンをクリックする。オプションが設定可能なタブが表示されるので、[エクスペリエンス]タブをクリックし、プルダウンリストから回線速度を選択すればよい。また、描画などを省略したい項目に合わせて、「次の設定を許可する」以下のチェックを外す。ただし「ビットマップのキャッシュ」を外すと、逆に転送するデータ量が増えてしまうので、これはチェックしたままにしておく。

リモートデスクトップ接続クライアント 6.0の[エクスペリエンス]タブ リモートデスクトップ接続クライアント 6.0の[エクスペリエンス]タブ
接続速度に応じて、描画するべきオブジェクトの最適化を行うための設定。デスクトップの背景の描画を省略したり、ドラッグ中にはウィンドウの中身の再描画を省略したりできる。リモートデスクトップ接続クライアント 5.xでは、[フォント スムージング][デスクトップ コンポジション]の項目がない。
  (1)回線速度の指定。これに基づいて描画の最適化を図る。デフォルトでは、28.8Kbpsのモデム、56Kbpsのモデム、128Kbps〜1.5MbpsのWAN回線、10Mbps以上のLAN回線が選べ、それに応じて以下の項目が決められる。これを選ぶと(2)の各項目がセットされるが、手動で各チェックボックスをオン/オフしてもよい。
  (2)どの項目を描画するか、省略するかの指定。28.8Kbpsモデムでは一番下のみがオンで、高速になるにつれてさらに上の方がオンになる。(1)の設定にかかわらず、手動で設定しても結果は同じ。

  モデム
(28.8Kbps)
モデム
(56Kbps)
ブロードバンド
(128Kbps〜1.6Mbps)
LAN
(10Mbps〜)
デスクトップの背景
フォント スムージング
デスクトップ コンポジション
ドラッグ中にウィンドウの内容を表示
メニューとウィンドウ アニメーション
テーマ
ビットマップのキャッシュ
回線速度と[エクスペリンス]タブの設定項目の関係
回線速度を選ぶと、速度に応じて各チェックボックスが自動的にオン/オフ設定される。ただしこれはあくまでも速度ごとの推奨設定の初期値であり、環境に応じて個別にオン/オフしてもよい(その場合、回線速度は「カスタム」と表示される)。

設定可能項目 説明(チェックを外した場合の挙動)
デスクトップの背景 デスクトップの背景を省略して単色で表示させる
フォントスムージング フォントスムージングを使用しない
デスクトップコンポジション Windows Aeroのデスクトップコンポジション機能(デスクトップ上のアプリケーションウィンドウなどを、クライアント側で合成して表示する機能)を利用しない(Windows Vistaのリモートデスクトップへ、Aeroが有効になっているWindows Vistaから接続した場合にのみ利用可能)
ドラッグ中にウィンドウの内容を表示 ウィンドウをドラッグする場合にウィンドウの内容を表示せずに枠だけを表示させる
メニューとウィンドウアニメーション メニューとウィンドウのアニメーション機能を利用しない
テーマ テーマを使用しない
ビットマップのキャッシュ ローカルにビットマップをキャッシュしない
[エクスペリンス]タブで設定可能な項目
[ビットマップのキャッシュ]のみチェックを外すと、送信するデータ量が増える。そのほかの項目は、チェックを外すと送信するデータ量が減る。

 特にリモートデスクトップでの接続先のデスクトップの壁紙にフルカラーの写真などが使われている場合は、ウィンドウを少し動かしただけでも、多くのデータが転送される。その場合は、[デスクトップの背景]のチェックを外すと、背景の壁紙がなくなり、単色表示となるため、データ転送量を大幅に減らすことができる。

●設定変更の効果は?

 ちなみにPHSの128Kpbs(4xパケット通信)で、すべてのチェックをつけた状態で、Windows Vista(壁紙とテーマあり)に、Windows XP SP2(リモートデスクトップ接続クライアント 6.0)でリモートデスクトップ接続したところ、デスクトップが完全表示されるまで約12分かかった。メニュー表示のレスポンスも悪く、実用になる状態ではなかった。そこで、「デスクトップの背景」のチェックを外したところ、デスクトップが完全表示されるまでの時間は約4分と劇的に短くなったものの、やはりメニュー表示のレスポンスは悪かった。さらに「ビットマップのキャッシュ」のみをチェックした状態では、デスクトップが完全表示されるまでの時間が約1分30秒となり、メニュー表示も若干遅いものの、十分に実用になる状態にまで改善した。

 このようにリモートデスクトップを利用していて、レスポンスが悪いと感じたら、[エクスペリンス]タブの設定を変更してみるとよい。見た目の派手さはなくなるが、実用上、壁紙やテーマがなくなっても困ることはないだろう。

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