ライトニングトークの極意教えます電光石火の一発勝負(2/2 ページ)

» 2007年11月09日 00時00分 公開
[千葉大輔@IT]
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時間内にまとめるコツ

 発表する際に内容とともに気になるのが時間だ。発表を制限時間以内に収められるだろうか。逆に足りなくなってしまったらどうしようかという不安もあるだろう。時間内に収めるコツみたいなものはあるのだろうか。

 「自分が一番何を伝えたいかですね。話したいことを最初に持っていく。そうするとそこを話してしまえば、後は気楽に発表できます。それをしていなかったプレゼンは大体時間をオーバーすることが多いですね」と竹迫氏。

 「あとは、自分が話そうと思っていることと、聞いている人が聞きたいと思っていることを客観的な立場で見て、必要だという部分と、外してもいい部分の取捨選択が非常に重要だと思います」

 こういったどのくらいの時間がかかりそうかといったことは、「プレゼン資料一枚当たりの時間や、その時間の中でどのくらいしゃべることができそうか」というように、実際に資料を作りながら考えるといいようだ。

まとめるのにどのくらいの時間がかかるものなのか

 では、そういった資料をまとめるに当たって、どういったところに時間がかかるのだろうか。竹迫氏は「一番悩むのはタイトル」だという。タイトルを考えている際には話す内容のアウトラインはできているという。

 「イベントにもよりますが、資料をまとめるのに告知から発表までの大体2週間くらい時間がかかっています。ただ、実際に資料を作り始めるのは2?3日前くらいからですね。それまでに発表内容に関連する材料を集めておいて、前日や当日に整理します」

 当日にプレゼン資料をまとめるのはリスキーに見えるが、イベントの雰囲気や来場者を見て発表内容を直すことができるというメリットもある(こうした手法は「takesakoメソッド」と呼ばれることもあるという)。

成功と失敗

 数多くのイベントに参加し、プレゼンを行っている竹迫氏でも「あまり、プレゼンテーションがうまくなっている実感はない」と話す。逆に自身の経験を振り返り、「毎回毎回失敗しているなと思います。ただ、そういう点を次では改善しようと心掛けています」という。では、どういうポイントを失敗だと感じるのだろうか。

 「最近失敗したなと思ったのは、5分の予定の話に15分くらいかかってしまったことです。時間ってすごく大事だと思っていて、仮に100人の人が聞いているとして、そこで5分オーバーしたら500分くらいを自分のために無駄にさせてしまっていることになりますから」

 では逆にどういうプレゼンができたら満足できるのか聞いてみた。

  「論文とかだとリファレンスの数でランキングされたりということがありますけど、自分の発表がどれくらい引用されているのかが1つの指標になるのかもと思っています。それだけ、引用してくれた人の心に残ったということかもしれませんし。自分が本当に楽しんでいることが聞いている人に伝わったらうれしいですね」

ライトニングトークは出会い系

 ライトニングトークは、比較的内容が自由で短い時間という特徴から、発表者にとっても聞く側にとってもメリットがある。発表者としてみれば、テーマの拘束はそれほどなく、短時間なので大掛かりな準備は必要としないため、参加する敷居がそれほど高くない。また聞く側からしてみれば、短い時間ならば自分の興味があるテーマから離れていても聞くことができるし、発表の要点をつかみやすい。まさに「この短さなら『いえる』し、『聞ける』」なのだ。

 また、竹迫氏は「ライトニングトークは出会い系」だという。発表者と聴衆の距離が近く、発表者数も多いため、さまざまな人と出会えるきっかけになり、そこがライトニングトークの持つよさだという。

 「IT業界のコミュニティというのは、そもそもがニッチなコミュニティですよね。ニッチな話題を伝えたい、あるいは紹介して面白そうだなと共感してもらえること、それが喜びになる。それがよさだと思います」

▼参考リンク
Lightning Talksって何?(Shibuya Perl Mongers)

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