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» 2007年12月12日 00時00分 UPDATE

Heartbeatでかんたんクラスタリング(2):インストールとApache用の設定方法 (1/3)

前回は、HAクラスタを構築できるオープンソースソフトウェア「Heartbeat」の主な機能を紹介しました。第2回は、Heartbeatのインストール方法を解説し、さらに基本的な設定内容を紹介していきます。(編集部)

[花島タケシ,VA Linux Systems Japan株式会社]

はじめに

 前回は、「そもそもクラスタリングとは何か」「Heartbeatとは何か」という基本的な事柄について説明しました。

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http://www.atmarkit.co.jp/flinux/rensai/heartbeat01/heartbeat01a.html
Heartbeatでかんたんクラスタリング第1回 Heartbeatの特徴とユニークな機能


 それを踏まえて今回は、予告のとおり、Heartbeatのインストール方法を解説します。その後、Apacheを対象とした場合のサービスの設定法についても解説を加えていきたいと思います。

 ここではOSとして、入手容易性や普及度も考慮してCentOS 4.5を使用し、ベースとなるOSのインストールは、Heartbeatのインストールを行う前にすでに終わっているものとします。ただし、インストール時にファイアウォールとSELinuxの設定は行わないようにしてください。

 クラスタ構成は、1台がアクティブになりサービスを提供し、もう1台がスタンバイとなって障害に備えるという、最もシンプルな1対1の構成とします。

図1 今回構成するクラスタリングシステム 図1 今回構成するクラスタリングシステム
名称 意味
ノード(node) Heartbeatでは、クラスタを構成するサーバのことを指します
リソース(resource) Heartbeatが管理するサービスを指します。単にApacheやMySQLのような
デーモン系のサービスのこともありますし、仮想IPのこともあります
OCFスクリプト Open Cluster Frameworkの略。Open Cluster Framework projectが
推奨するタイプのスクリプトです。/usr/lib/ocf/resource.d以下にあります
LSBスクリプト Linux Standard Baseの略。Linux標準で提供される
/etc/init.d以下にある起動スクリプトです

Heartbeatの入手とインストール方法

 Heartbeatはオープンソースソフトウェアなので、ソースコードを入手し、ビルドした後にインストールすることも可能です。

 しかし、CentOSを使用するならば、RPMファイルでインストールした方が管理上都合がいいので、ここでは、RPMファイルを入手してインストールを行います。幸い、CentOSではHeartbeatのRPMパッケージが提供されていますので、これを利用します。

 CentOSのFTPミラーサイト(例えばftp.riken.go.jpなど)のCentOS 4.5のリポジトリ以下に「extras」というディレクトリがあり、そこにHeartbeatのパッケージが収められています。具体的なURLはftp://ftp.riken.go.jp/pub/Linux/centos/4.5/extras/i386/RPMS/のようになります。ここにはi386アーキテクチャ用のパッケージが置いてあります。そこにある、

heartbeat-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm
heartbeat-gui-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm
heartbeat-ldirectord-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm
heartbeat-pils-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm
heartbeat-stonith-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm

が最新安定版、2.1.2のパッケージになります。

 ただし、2.1.2リリース以降ではPolicy Engine(pengine)()に関して多数のバグが報告され、開発版のCVSツリーにおいて修正が施されています。従って欲をいえば、最新のCVSツリーのものを使用した方がよいでしょう。また、12月初頭には2.1.3のリリースが予定されているので、リリース後はそちらを使用してください。

注:Policy Engine(PE)は、Transition Engine(TE)とペアになって動作します。これらのプロセスが稼働しているノードをDCノードと呼びます。PEが現状から遷移グラフを作成し、TEがそれにのっとり実行命令を発行します。


 Red Hat Enterprise Linux 4用のものは、Linux-HAの日本語サイトにて提供されています。

 さらに、Debian、OpenSUSE、SLES、Ubuntuなどのディストリビューション用には、Heartbeat開発者の1人、Andrew Beekhof氏によってパッケージングされたものがOpenSUSEのサイトから入手可能になっています。ここで提供されているパッケージには、正式リリース後に報告されたいくつかのバグ修正も含まれています。これらのディストリビューションを使用している場合は、こちらを使用した方がよいでしょう。

インストール作業

 さて、上記のパッケージを入手したら、Heartbeatサービスを使用するすべてのサーバ上(例では「surr」と「tomato」)で、root権限にて、

# rpm -ivh \
heartbeat-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm \
heartbeat-pils-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm \
heartbeat-stonith-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm

のように入力してインストールを行います。さらに、GUI管理ツールが必要な場合、

# rpm -ivh heartbeat-gui-2.1.2-3.el4.centos.i386.rpm

として、インストールを行います。heartbeat-ldirectordは今回は必要ないので、インストールを行いません。

名称 各パッケージの説明
heartbeat Heartbeat本体や管理ツール、ドキュメント、マニュアルなどが含まれています
pils リソースエージェント()などのプラグインサービス用のパッケージです
stonith 前回簡単に説明したSTONITH機能提供のためのパッケージです
gui GUI管理ツール用のパッケージです
ldirectord Linux Virtual Serverによって提供されるサービス監視用のパッケージです

注:リソースエージェント(RA)は、特定のクラスタリソースに関して、起動、停止、モニタなどの動作を記述したものです。OCF、LSB、Heartbeatタイプがあります。


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