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» 2008年01月08日 00時00分 UPDATE

転職失敗・成功の分かれ道(36):年齢とともに変わる求められる能力

毎日、人材紹介会社のコンサルタントは転職希望者と会う。さまざまな出会い、業務の中でこそ、見えてくる転職の成功例や失敗例。時には転職を押しとどめることもあるだろう。そんな人材コンサルタントが語る、転職の失敗・成功の分かれ道。

[加藤千尋,リーディングエッジ社]

年齢とともに

 正社員であってもフリーエンジニアであっても、会社や顧客から求められるものは、年齢によって変わっていくのではないでしょうか。

 具体的に見ていきましょう。

 20代で必要なことは何でしょうか。基本的には、意味は分からなくてもいいから、とにかく目の前の仕事をこなしてほしいというのが、上司などの本音ではないでしょうか。これをITエンジニアで考えると、とくにく実装技術を磨いてくれ、というところでしょうか。基本的には言語やOS、データベースといった技術スキル(開発・実装中心、下流工程)を磨くことが重視されるはずです。その人への評価も、技術スキルや開発した成果物によって評価されることが多いと思います。

 これが30代になると、技術スキルだけではなくなります。技術力は当然として、それにプラスして、要件定義や設計能力(上流工程)、後輩への指導、メンバーの取りまとめなど、幅広いスキルが要求されるようになります。

40代、50代で求められるもの

 それでは、40代、50代になっていったときに求められるのはいかなるものでしょうか。

 一部には、本当に高い技術力を持ったスペシャリストもいるでしょう。

 しかしそうした存在は、残念ながら日本では例外扱いされるのが常ではないでしょうか。そんな伝説的なスペシャリストがどこかにいても、「あの人は特別だよ」と、ささやき合ったりしていませんか。

 一般的には、技術力ではなく、マネジメント能力が求められるのではないでしょうか。

 これは、40代になって技術力に磨きをかけたくても、技術の吸収力が20代、30代にかなわなくなるからもしれません。それだからこそ多くのITエンジニアは、40代以降になると、技術スキルでの勝負は若手に委ね、もう少し普遍的なビジネス能力が必要とされるマネジメント層にシフトしていく、またその必要があるのではないでしょうか。

年齢によって大切なV・S・O・P

 こうした年齢とともに必要なスキルを、一般化した数式はないものでしょうか。

 数式ではありませんが、数年前の話です。あるベンチャー企業の経営者から、次のような言葉を教えてもらいました。

 それは、「V・S・O・P」という言葉でした。その経営者がいうには、各年代によって、大切なもの(必要とされること)を、V・S・O・Pという頭文字で表すというのです。ブランデーの等級にもありますので、覚えやすいと思います。皆さんもぜひ、覚えてみてはいかがでしょうか。

  • 20代はV(バラエティ)
  • 30代はS(スペシャリティ)
  • 40代はO(オリジナリティ)
  • 50代はP(パーソナリティ)

 これらは何を表すのでしょうか。

 勘のいい人は、分かるかもしれませんね。まずは20代。あまりこだわらずに、いろいろなことを経験しようというものです。そうしたバラエティ性が、20代には大切30代では、専門性が重要になるというのです。そして40代では自分らしく、50代では「人間力」が大切になるというものです。

 思わず頷いてしまいませんか。

 こうした年代によって大切なものは、正社員とフリーエンジニアに共通したものだと思います。皆さんはどう感じますか? こうした物差しを知ることも、自分の将来を考える際にもヒントになると思います。

著者紹介

リーディング・エッジ社 加藤千尋

神奈川県横浜市出身。大学卒業後、IT系の教育専門会社に入社し、インストラクターとして勤務。その後、派遣業界に転職し、採用活動・営業活動および稼働後のアフターフォローまでの一連の業務に従事する。2000年10月にリーディング・エッジ社に参画。



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