履歴書の正しい書き方、効果的な書き方とは?:2014年編用紙選びから志望動機の書き方まで徹底指南(2/2 ページ)

» 2014年03月27日 00時00分 公開
[鈴木麻紀@IT]
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学歴――事実を脚色せずに書く

小学校の入学年次は必要ない。株式会社を(株)としない。最後には「以上」と書く 小学校の入学年次は必要ない。株式会社を(株)としない。最後には「以上」と書く

 学歴欄では、小・中学校は卒業年次のみ。高校以降は、入学年度と卒業年度の両方を記入しましょう。大学は学部・学科・専攻まで記入します。留学経験がある方は、そのことも忘れずに記入しておきます。休学・中退などの経歴は、隠さずに書く方が賢明です。会社によっては入社時に卒業証明書の提示を求めるところもあります。多少自分にとって不利な情報でも、正直に書く方が、後々困ったことにならないのです。

職歴――うそは禁物

 職歴では、1社当たりの在籍期間や空白の期間などがチェックされています。在籍期間が短かった会社などはついつい省いてしまいたくなりますが、これは入社後にばれてしまう可能性があります。あなたが過去に在籍した会社の履歴は、社会保険の記録に残っていますから。

 せっかく念願の会社から内定をもらったのに、保険の手続き中に職歴のうそがばれて、気まずい雰囲気になり内定辞退、なんて事態は悔やんでも悔やみきれませんよね。空白期間などがある場合は、うそを書くのはやめましょう。それよりもその期間に何を考え何をしてきたか、面接で聞かれたときに困らないように、前向きなシナリオを用意しておきましょう。

 会社名は(株)などと略さず、正式名称で書きます。部署名や業務内容も簡単に書くとよいでしょう。異動や昇進で仕事内容が変化している場合は、それも書きます。最後まで書いたら、次の行の右側に「以上」と書くのを忘れないようにしましょう。

免許・資格――取得時期も注目されている

取得年月を必ず記載する 取得年月を必ず記載する

 免許・資格は能力を客観的に判断できる材料。採用担当者はこの欄からあなたの志向や傾向、向学心などを推し量っています。

 免許・資格は正式名称で、取得した年月と一緒に記入します。実用英語技能検定(英検)であれば2級以上など、世間的に認められるレベル以上のものを書きましょう。また、種類や数が多いときは別紙に一覧表にして書くなど、分かりやすく見せる工夫も必要です。

 内容と同じくらい注目されるのは、取得の時期です。バージョンアップに対応していないベンダ資格、何年も前のTOEICのスコアなど「取りっぱなし」感が漂うものでは、資格の価値が半減してしまいます。逆に「最近取得した資格」からは、あなたの常に学ぼうとする姿勢が感じられます。

 現在資格取得のために勉強中のものがあれば、忘れずに書きましょう。まだ取得していない資格でも、自己啓発の意欲をアピールすることができます。採用側があなたのどこに着目するかは分かりません。直接関係なさそうな免許・資格も記入しておきましょう。

趣味・特技――自分らしさを伝える

 あなたの自分らしさをアピールできる項目です。できるだけ“具体的に”書きましょう。

 趣味は「読書」「音楽鑑賞」などが一般的なのですが、「読書・音楽鑑賞は趣味ではない」という考え方もあるようです。なぜならば、これらは「受け身な行動だから」とのこと。とはいえ、本当にこれらが趣味の方が多いのも事実です。そこでこれらを趣味欄に書く場合は、好きなジャンルや作家などを具体的に明記することをお勧めします。あなたならではのエッセンスを伝えることで、ありがちな趣味も“イキイキとした情報”に変わります。特技も同様です。ただ項目を書くだけではなく、例えばスポーツならば経験年数やスコアなどの具体的な数字を加えることで、その特技の習熟度合いを伝えることができます。

志望動機――熱意を伝える

誰にでも書けるような内容でなく、自分の考えを自分の言葉で書く 誰にでも書けるような内容でなく、自分の考えを自分の言葉で書く

 履歴書の中で最も重要な項目です。ここでは「熱意」をアピールしましょう。

 志望動機を書くためには、応募する企業の下調べが重要です。企業規模、社風、どのような事業を行っているのかなどを調べていくうちに、おのずとその企業で自分がやりたいことが見えてくると思います。「なぜこの企業に転職したいのか」「入社できたらどんなことをしたい/できるのか」など、あなたの考えを“自分の言葉”で書いてください。

 採用側が知りたいのは「あなたについて」です。「御社の将来性に……」といったその企業の人がすでに知っていることではなく、「自分はここで何がしたいのか」を表現してください。

本人希望記入欄

細かい給与の希望などは、まだ書かない方が無難 細かい給与の希望などは、まだ書かない方が無難

 希望職種やその理由、その職種でやりたいことなどを書きます。在職中であれば、勤務可能日や日中連絡が取れる方法などを書き添えるのもよいでしょう。採用の過程で連絡がスムーズに取り合えるようになります。給与や福利厚生などの待遇面は、あまり細かなことは書かない方が無難でしょう。

そのほかのチェックポイント

「ふりがな」と書かれていたら「ひらがな」で 「ふりがな」と書かれていたら「ひらがな」で

「ふりがな」と「フリガナ」

 住所などのふりがな欄は、たとえ誰でも読める字だと思えるものでも必ず記入しましょう。ここを省略すると、仕事にも手抜きをする人だと受け取られる可能性があります。「ふりがな」と書かれていたら平仮名で、「フリガナ」と書かれていたら片仮名で書きます。また、全体はどちらかに統一しましょう。

数字

 履歴書は横書きですので、数字は基本アラビア数字で書きます。特別な指定がない場合は、「平成」などの元号に統一するのが一般的です。

封筒

 履歴書を折らずに入れられるサイズ(A4なら角形2号、B5なら角形3号もしくは4号)が好ましいでしょう。あて名は原則縦書き、企業名が中心にくるようにバランス良く書きます。履歴書の現住所と同じく、都道府県や番地は略さずに書いてください。あて先が部署名のときは「御中」、担当者名のときは「様」を付けます。封筒の左下に赤いペンで「履歴書在中」と書き、裏に自分の住所・氏名を書きます。

送付状

 送付状は書かなくてもよいのですが、履歴書や職務経歴書で書ききれなかった自己PR書として有効です。応募動機や企業に対する自分の熱意などを書いた送付状を添えてみてはいかがでしょうか。

良い履歴書とは

 良い履歴書とは、ひと言でいえば「一生懸命、誠実に書かれたもの」です。応募企業へのラブレターだと思って、あなたの人となりと熱意が相手に伝わるよう心を込めて書くように心掛けましょう。

 最後に、いままでの説明をふまえて最初の履歴書を書き直してみました。履歴書は書く人それぞれの人となりを伝えるものですから、これをそのまま書けばよいというものではありませんが、迷ったとき困ったときの参考になれば幸いです。

 履歴書を書くことで、あなたの考えや気持ちがまとまり、満足のいく転職につながることを願っています。

書き直した履歴書の例(クリックで拡大します) 書き直した履歴書の例(クリックで拡大します)

筆者プロフィール

鈴木麻紀

GCDF-Japanキャリアカウンセラー。IT系企業で人事採用とキャリアカウンセリングに約6年間従事。2004年春、アットマーク・アイティ(現アイティメディア)入社。転職サービス企画・運営、エンタープライズメディア編集などを経て、現在は@IT 自分戦略研究所の編集記者。


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