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» 2008年06月20日 00時00分 UPDATE

ITアーキテクトが見た、現場のメンタルヘルス(10):欲しいものを手に入れるには「場所」が重要 (2/2)

[樋口節夫,樋口研究室]
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手に入れるための行動三角形

 皆さんは、「欲しいものには『手に入りやすい場所』と『手に入りにくい場所』がある」と考えたことがありますか。欲しいものは手に入りやすいところでゲットする。こう考えて行動すると、たくさんの宝物が集まってきます。

 その場所を説明したのが「手に入れるための行動三角形」というものです。これを頭に入れておくと、どの場所に行けば欲しいものが手に入るか、戦略を練ることができます。

図1 手に入れるための行動三角形 図1 手に入れるための行動三角形

 最初に、あなたの欲しいものが「利益」という分類(場所)に入るかどうかを考えます。会社は利益や富を追求する人の集まりです。スキルや知識、お金、名声などは、結果的に利益をもたらしますから、そういうものは会社をうまく使って手に入れるのが一番良い方法です。

 ここでは手に入らない。そう思ったら次は、欲しいものが「感動」という分類に入るかどうかを考えます。地域やボランティア活動、社外コミュニティは、同じ感動や一体感を狙う人の集まりです。あなたの感動にピッタリ合うグループを見つけたら、そこにあなたのパワーを注ぎ込むと、速いスピードで欲しいものが手に入ります。

 利益でもなく、感動でもない。だったら最後に「愛情」という分類に入るかどうかを考えます。家族や親族、恋人などは、愛情あふれる人の集まりです。ここは、「手放したくない」「近くに置いておきたい」と感じるような愛情を得るのに最適な場所です。

 この三角形を上手に使うコツは、1つの場所をほかの場所と混同しないことです。お金を目的として地域活動に参加すると、嫌われる可能性があります。ボランティア活動を休むことなくし続けると、応援する家族が疲れてくる可能性があります。子どもの写真を突然取引先に送ると、驚かれる可能性があります。自分の欲しいものがどの場所にあるのか、きちんと判断して行動することが大切です。

「自分の定規」を大切に

 この話を聞いたITエンジニアが、こんなことをいっていました。

 「欲しいものというのは、自分の価値観でもありますね。はっきりさせておくのが大事だと思いました」

 そうですね。自分の価値観とか基準、軸足。こういうものを「自分の定規」といいますが、これをいつも考えておくことが大切だと思います。

 メンタルヘルスが乱れるのは、自分の定規と違った経験や思いをしたときのことが多いと思います。自分の定規で計測不可能なものが出てくると、迷いが生じます。

 そんなときは、この連載で紹介しているいろいろなビューチェンジ(発想転換の手法)を使って、頭の切り替えや、自分の定規の微調整を行ってください。ビューチェンジは練習すると身に付きます。自分で練習しても、樋口研究室で練習してもいいですし、会社でコミュニティをつくって練習するのもいいと思います。

 あなたの心と脳を正しく維持するためも、すぐに練習を始めてほしいと思います。

筆者紹介

樋口研究室

樋口節夫

日本アイ・ビー・エムに22年間勤務し、その後独立。アーキテクトとしてメインフレームからオープンシステムまで幅広いシステム構築に携わった経験から、コンピュータシステムの良しあしはそれを使う人間の良しあしによって決まることを発見。人間のパフォーマンスアップツールとしてITコーチング手法を開発し、人材開発およびテクニカルコンサルタントとして活躍中。『ITコーチング入門―SE・ITエンジニアのための問題解決とスキルアップ』(技術評論社刊)をはじめ、技術系や人材系の著書多数。主宰する樋口研究室では、ITエンジニアが危機から身を守るための練習会(ワークショップ)も実施している。



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