連載
» 2008年08月29日 00時00分 公開

仮想サーバのバックアップをどうするか(2):ゲストOS上でのバックアップの利点と欠点 (1/2)

サーバ仮想化環境におけるデータのバックアップには、いくつかの手法があり、それぞれにメリットとデメリットがある。連載の第2回となる今回は、ゲストOSのそれぞれに、一般のサーバと同様にバックアップ・ソフトウェアをインストールする方法について説明する

[浅野百絵果,株式会社シマンテック]

サーバ仮想化環境ならではの問題

 サーバ仮想化環境をバックアップするには、いくつかの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがある。アプリケーションの特性やデータの重要度、バックアップに求めるSLAによって、その手法を選択する必要がある。できれば、仮想化環境を設計する段階から、バックアップも考慮に入れることが理想的だ。今回から、バックアップの手法を順に解説していく。まずは、ゲストOS上にバックアップソフトウェアをインストールする方法について考えてみたい。

 バックアップの手法について説明する前に、サーバ仮想化環境のアーキテクチャを説明しておきたい。以下は、VMware ESXでの例である。

バックアップから見た仮想化環境

 バックアップの手法について説明する前に、サーバ仮想化環境のアーキテクチャを説明しておきたい。以下は、VMware ESXでの例である。

図 VMware ESXにおけるデータの構成 図 VMware ESXにおけるデータの構成

 VMware ESXでは、VMKernelと呼ばれるハイパーバイザが仮想化環境を構成している。管理のためのインターフェイスとして、ESX Service Consoleと呼ばれるOSが動作している。ゲストOSは、VMFSというファイルシステム上に配置している。ESX Service Consoleから見ると、それぞれの仮想マシンはVMDKという1つのファイルとして扱われるので、これをバックアップすると、仮想マシン全体のバックアップということになり、通常のバックアップでは困難なディザスタリカバリのためのシステムバックアップが容易である。これはサーバ仮想化環境の管理性の優れた点である。VMDKファイルの利便性を駆使したバックアップについては、次回以降で解説する。今回は、各ゲストOS上にバックアップソフトウェアをインストールする場合について説明する。

ゲストOS上にバックアップソフトを導入するメリット

 手順としては、各ゲストOSを通常のOSと同じように扱い、バックアップソフトウェアをインストールするだけだ。この場合のメリットは以下のようなものとなる。

互換性における制限が少ない

 バックアップソフトウェアが仮想化環境をサポートしていて、ゲストOSがオペレーティングシステムとしてサポート対象になっていれば、環境としてサポートされることになる。この場合、サーバ仮想化環境に特化した機能を使うわけではないので、選択肢となるバックアップソフトウェアは多いはずだ。

通常のバックアップと操作性が同じ

 ゲストOSを通常のOSと同様に扱うため、サーバ仮想化環境であることを特に意識することなく設定や操作が可能だ。新しい技術の習得や特別なトレーニングが必要なく、管理コストの節約につながる。

差分・増分バックアップが可能

 仮想マシン上の個々のファイルは、ゲストOSからは通常のファイルと同様に見える。従って、前回バックアップを取ってからの変更部分・増分部分だけをバックアップすることも容易だ。つまり、通常のサーバのバックアップと同じポリシー運用がサーバ仮想化環境でも適用でき、区別することなく管理できる。

アプリケーション独自のバックアップが可能

 アプリケーションに特化したバックアップのために提供されているさまざまなテクノロジを取り入れることが可能だ。稼働中でもバックアップデータの整合性を取るための技術や、ファイルとしてバックアップされたものの中からリストアの際に一部を抽出することを可能にするものなどがある。代表的なものとして、OracleデータベースのためのRMANがある。頻繁に読み書きが発生するデータベースのようなアプリケーションにはこのような技術が効果的であるが、ゲストOS上にバックアップソフトウェアをインストールする場合は、仮想化であることを意識する必要がないので、このようなテクノロジを駆使することができる。

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