携帯アプリを無料で公開して使ってもらうには?携帯アプリを作って学ぶJava文法の基礎(最終回)(3/4 ページ)

» 2008年09月17日 00時00分 公開
[緒方聡エスマテック株式会社]

キャリア別Javaアプリ公開方法

 公開方法はキャリアによって異なります。筆者の主観ですが、難易度を簡単なものから並べてみました(下記、表2はインデックスになっています)。

表2 公開する際の手続き
難易度 対象キャリア
超簡単 WILLCOM
簡単 emobile(イー・モバイル)、auDoCoMo
手続きが必要 SoftBank

 それでは、簡単な方から実際に配布しながら説明していきます。

WILLCOM

 WILLCOMは、JAR/JADファイルをSDカードにコピーし、そのJADを本体操作で選択することでインストールできます。そのため、対応している機種向きにはZIP圧縮ファイルで配布するのが簡単ですし、パケットが節約できて喜ばれます(サンプルをZIPにしたものは、こちら)。

 もちろんSDカードがない機種向きに、Webからインストールする方法も提供しておきます。以下のようなHTMLファイルを、公開サーバのJAR/JADファイルと同じ階層に用意します。

<html>
<head><title>Trimis for WILLCOM</title></head>
<body>
  <a href="TrimisMIDlet.jad">Trimis</a>
</body>
</html>

 実際に用意したものが、こちらです。

図10 WILLCOM向けのQRコード 図10 WILLCOM向けのQRコード

 このように、QRコードも付けると、なお良いと思います。

emobile

 emobileの場合は、以下のようなHTMLファイルをJAR/JADファイルと同じ階層に用意します。

<html>
<head><title>Trimis for emobile</title></head>
<body>
  <a href="TrimisMIDlet.jad">Trimis</a>
</body>
</html>

 実際に用意したものが、こちらです。

図11 emobile向けのQRコード 図11 emobile向けのQRコード

 HTMLの内容を見て気が付いたかもしれませんが、emobileとWILLCOMは同じ書式のHTMLで対応できます。海外のケータイJavaも大抵この書式ですので、これで世界に向けて配布できます。

コラム 「標準仕様の恩恵」

WILLCOMとemobileは、ケータイJavaアプリの配布方法を標準仕様で行っているため、海外向けに配信できると同時に、海外で配信されているケータイJavaアプリを使用することもできるのです。

興味があれば、「midlet.org」のサイトをのぞいてみてください(※注意:PCからでも閲覧できます。逆にケータイではフルWebブラウザでなければ閲覧できませんが、ケータイだと“パケ死”するのでお勧めしません)。

このサイトは、JAD/JARがPCからでもダウンロードできるので、まずはPCでダウンロードしてWTKで動作させてみて、気に入ったらSDカード経由か直接JADのURLを指定してケータイに入れるとよいでしょう。


au

 auの場合は、以下のようなHTMLをJAR/JADファイルと同じ階層に用意します。

<html>
<head><title>Trimis for au</title></head>
<body>
  <a href="device:jam?TrimisMIDlet.jad">Trimis</a>
</body>
</html>

 実際に用意したものが、こちらです。

図12 au向けのQRコード 図12 au向けのQRコード

 ハイパーリンクの「device:jam?」が“ミソ”です。

DoCoMo

 DoCoMoの場合は、以下のようなHTMLをJAR/JAMファイルと同じ階層に用意します。

<html>
<head><title>Trimis for DoCoMo</title></head>
<body>
  <object declare id="TrimisAppli"
    data="TrimisAppli.jam"
    type="application/x-jam">
  </object>
  <a ijam="#TrimisAppli" href="docomo.html">Trimis</a>
</body>
</html>

 実際に用意したものが、こちらです。

図13 Docomo向けのQRコード 図13 Docomo向けのQRコード

 DoCoMoの場合、タグの「href」属性は完全にダミーで、「ijam」属性を定義し、そこにあらかじめ定義したオブジェクトのIDを指定します。ケータイのWebブラウザでは、「href」属性は無視されますが、PCのWebブラウザでは「href」が使用されるので、自分自身のページを指定しています。

 次ページではさらに、第三者機関への登録が必要なSoftBank用のJavaアプリの公開方法について解説し、最後に新人Javaプログラマーにちょっとしたアドバイスをさせてください。

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