IBM、ミッドレンジメインフレーム新機種でサーバ統合を加速システム変更支援サービスも新たに開始

» 2008年10月22日 00時00分 公開
[高橋睦美,@IT]

 日本IBMは10月22日、ミッドレンジ向けメインフレームの新製品「IBM System z10 Business Class(IBM System z10 BC)」を発表した。搭載プロセッサの周波数向上などにより大幅に能力を向上させている。価格は2600万円から。

日本IBM システム製品事業 システムz事業部長 朝海孝氏

 IBM System z10 BCは、2006年4月に発表された「IBM System z9 BC」の後継機だ。Powerプロセッサで培った技術を活用することで、CPUの周波数はz9 BCに比べて2.5倍向上し、1.4GHzから3.5GHzとなった。コア数も増えてデュアルコアからクアッドコアになったほか、搭載できるCPU数も、1ユニット当たり10個に拡張されている。さらに、メモリも約2倍の256GBまで搭載可能だ。この結果「ミッドレンジの製品ながら、3世代前の上位機種に当たるz900と同等の処理能力を備えている」(日本IBM システム製品事業 システムz事業部長 朝海孝氏)という。

 IBM System z10 BCの処理能力は、必要に応じて、システムを停止させることなく拡張が可能だ。実際には、出荷時にはじめからCPUなどのリソースがフルに用意されており、追加費用を支払うと、その機能をオンにできるという仕組み。例えば、災害が発生してバックアップサイトに負荷が集中したり、引っ越しやシステム移行などで一時的に高い処理能力が求められる場合などに、オンデマンドで処理能力を追加できる。処理能力は26MIPSから最大2760MIPSまで、130段階で調整可能という。

 日本IBMでは同製品を、古くなったシステムの入れ替えはもちろんだが、むしろ既存システムの統合向けに提供していく。

 「災害対策やセキュリティなど、基幹系システムに求められる要件は、メインフレームでもオープンシステムでも変わらない。現行の基幹システムがメインフレームで動いていたとしても、あるいはUNIXやWindowsで動いていたとしても、1つのシステムで支えられるようになる」(朝海氏)

 IBMは同時に、基盤更改に伴う基幹システムの変更やアプリケーション変更にともなうテスト体制などを支援する「システム変更不可軽減サービス(zCT)」も発表した。幕張事業所に検証体制を整備するほか、資産分析やテスト計画、テスト実施といったサービスを提供し、ビジネスのスピードに合わせたシステム変更を行いやすくする。特に、調査・計画や移行設計といった上流局面に焦点を当ててサービスを展開し、システム変更にともなう顧客の負担を軽減していきたいとしている。

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