二酸化炭素は削減できたか? グリーンIT業界団体が1年を総括IT機器の電力効率50%向上を目指す

» 2008年11月05日 00時00分 公開
[高橋睦美,@IT]

 コンピュータの電力消費の効率化を通してグリーンITを推進する業界団体、クライメート・セイバーズ・コンピューティング・イニシアティブ(CSCI)が活動を開始してから1年。同イニシアティブは11月5日、これまでの取り組みを振り返る発表会を開催した。

 CSCIは、サーバやデスクトップPCの電源管理機能の向上を通してコンピュータの使用電力量を削減し、ひいては二酸化炭素の排出量削減を目指す業界団体だ。インテルなどのハードウェアベンダのほか、グーグルなど、データセンターを利用するユーザー側の企業も含め、全世界で300社以上が参加している。日本国内では、グリーンIT推進協議会と協力するほか、NECや日立製作所、富士通などが参加している。

 具体的な活動として、電源やマザーボードなど、IT機器が満たすべき電力効率に関する標準を策定し、参加企業に、それに沿った製品のリリース/選択を促している。CSCI代表のローリー・ワイグル氏は、「市場の変化を加速するには、適切な効率を実現する技術的標準を満たした製品が供給されることが重要だ」と述べ、活動開始から1年間で650種類の電源、700種類のデスクトップPC、800種類のラップトップPCなどが、基準を満たしたことに触れた。

 さらに、現在の標準よりもさらに効率を高めた新たな基準に対応した電源/システムも出荷され始めているという。「業界の自主的な取り組みによるものなので、政府が基準を定めるよりも迅速に動けることが特徴」(ワイグル氏)。

 今後は、引き続きメンバーの拡大に努めるほか、個人や中小企業など幅広い層への情報発信を行っていく。また、二酸化炭素使用状況や削減効果を目に見える形で示す計測ツールなども提供する計画だ。一連の活動を通して、2010年までに、コンピューティングの電力効率を50%向上させ、二酸化炭素排出量を世界全体で年間5400万トン削減することを目標に掲げている。

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