Aptanaなら開発環境とクラウドの連携が超お手軽!ユカイ、ツーカイ、カイハツ環境!(4)(1/4 ページ)

» 2009年03月26日 00時00分 公開
[岡本隆史,@IT]

 最近、「Amazon EC2」に始まり「Google App Engine」「Windows Azure」といったクラウドコンピューティングが注目を浴びており、IT関連のニュースでクラウドに関するニュースがない週はありません。クラウドコンピューティングに興味はなくても、Amazon EC2やGoogle App Engineという言葉は聞いたことがある方も多いと思います。

 そんな中、本稿ではPHPRuby on Rails(以下、Rails)、Java、サーバサイドJavaScriptエンジン「Aptana Jaxer」(さらに、Pythonも対応予定)に対応したクラウドサービスを提供する「Aptana Cloud」を利用して、PHPアプリケーションの作成と作成したアプリケーションをAptana Cloudへデプロイして動作確認を行うところまでを紹介します。Aptana Cloudによる超速Webアプリケーション開発をぜひ体験してみてください。


開発環境だけじゃない! Aptana Cloudとは?

 Aptana Cloudは、Google App Engineと同じPaaSに位置するクラウドプラットフォームで、PHPやRailsをサポートしています。

MySQLやPostfix、Tomcatも備えている

 Aptana Cloudでは、データベースにMySQL、メール処理にPostfixを利用可能など、既存のミドルウェアを利用してシステムを構築できます。標準的なPHPやRails、Java(サーブレット/JSPTomcatSpring)の開発スタイルを引き継いでクラウドアプリケーションを開発できるようになっています。

 Aptana Cloud上で動作させているアプリケーションを自前のサーバで動作させることも簡単にでき、クラウドの利用に問題があれば、自前のサーバに簡単に移行できるなど、導入のハードルは低くなっています。

マルチ開発環境「Aptana Studio」からのアップロードが超お手軽

 Aptana Cloudは、「Aptana Studio」と呼ばれるEclipseベースの統合開発環境を提供しており、Aptana Studio上でコーディングからクラウドへのデプロイまでをシームレスに行うことができます。開発ツール上からボタン1つでクラウドで提供されているWebサーバへコードをアップロードして動作確認できるのは、非常に便利です。


 Aptana StudioはPHPやRails、Javaだけではなく、AjaxHTMLCSSAdobe AIRiPhone用Webページ作成にも対応しています。詳細は下記記事を参考にしてください。

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Subversionを利用したバージョン管理機能も

 またAptana Cloudには、Subversionを利用したバージョン管理機能があり、Subversionサーバをプロジェクト個別に用意しなくても、Aptana Cloud上のSubversionサーバでソースコードを管理できます。開発者はAptana Studioをインストールすれば、直ぐソフトウェアを開発できます。

Google App Engineと比較すると……

 同じPaaSを提供するGoogle App Engineと比較すると、Google App Engineは分散ファイルシステム分散データベースを利用可能ですが、Aptana Cloudは分散処理に特化した仕組みを使えるわけではありません。その代わり、新しいAPIを覚えることなく、既存のPHPやRails、Javaの作法でアプリケーションを開発できるようになっています。Google App Engineや、その分散処理技術については、下記記事を参照してください。


 また、Google App Engine専用のAPIを利用してソフトウェアを開発すると、Google App Engine上でしか動作しなくなってしまいますが、Aptana Cloud上で動作するアプリケーションは、個別にサーバを用意すれば自前の環境で動作させることもできます。

Aptana Cloudを利用するための準備

 では、早速ですがAptana Cloudを使ってみましょう。本稿では、PHPを利用したアプリケーションの開発手順を紹介します。Aptana Cloudを利用するための準備は、下記の手順で行います(下記リストはインデックスになっています)。

  1. Aptana Studioのインストール
  2. Aptana StudioへPHPサポート機能を追加
  3. サイトの作成
  4. ユーザー情報の入力
  5. 作成したサイトの確認

 なお、本稿では、Aptana Studio 1.2.4を利用して検証しました。それ以外のバージョンでは若干本稿の記述と異なる場合がありますので、ご了承ください。

【1】Aptana Studio 1.2.4のインストール

 Aptana Cloudは米Aptana社が提供するAptana Studioを利用してアクセスします。そこで、最初にAptana Studioをインストールします。

 AptanaのダウンロードサイトからAptana Studioをダウンロードします。EclipseベースということでEclipseプラグイン版もありますが、本稿ではスタンドアロン版を使います。ダウンロードしたバイナリをクリックすると、インストールが始まります。インストール後、デスクトップ上に作成されたAptana Studioのアイコンをクリックすると、Aptana Studioが起動します。

図1 Aptana Studioの起動画面 図1 Aptana Studioの起動画面

 さらに次ページでは、PHPサポート機能をインストールして、サイトを作り始めます。

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