3PAR、コスト効率高めたミッドレンジストレージの新製品ハイエンド製品と同じASICを搭載

» 2009年06月01日 00時00分 公開
[@IT 高橋睦美,@IT]

 3PARは5月29日、ミッドレンジストレージの新製品「3PAR InServ Fクラス」を発表した。コストパフォーマンスを保ちながら、2008年にリリースしたハイエンド製品「InServ Tクラス」の機能を一部取り入れていることが特徴だ。

 3PAR InServ Fクラスには「F200」と「F400」の2モデルがある。搭載するディスクアレイやファイバチャネルポートの数など、拡張性やパフォーマンスの面ではTクラスに軍配が上がるが、Tクラスと同じく第3世代のASICをコントローラに搭載することによって、ほぼ同等の機能をサポートしている。

米3PARのワールドワイド・マーケティング担当副社長 クレイグ・ヌネス氏

 その1つが、コントローラ・ノードをメッシュ・アクティブ型で構成していることだ。従来型のアクティブ・アクティブ・コントローラでは、各ボリューム/LUNは1つのコントローラ上でのみアクティブとなる。このため、1台のマシンを仮想化し、複数のアプリケーションを搭載したとしても、アクセスできるディスクは限られていた。これに対しメッシュ・アクティブ・コントローラでは、すべてのボリューム上ですべてのコントローラ上がアクティブになるため、処理能力をフルに生かせるほか、プロビジョニングや負荷分散も自動的に行えるという。

 また、Tクラスより導入された第3世代のASICを搭載することで、Fast RAID5やThin Built Inといった機能をサポートした。

 Thin Built Inでは、混在I/O処理能力の向上を図る機能がサポートされる。データベースやOLAPといった処理性能が求められるトランザクショナルなデータと、シーケンシャルなデータとが入り交じっている場合でも、SCSIレベルのデータおよびメタデータを独自に処理することで、パフォーマンスを落とすことなく、同一のアレイ、同一のコントローラに混在させることが可能だ。

 また同社製品の特徴であるシンプロビジョニング機能もASICで実装されている。既存の「ファット」なストレージに含まれている「ゼロ」のデータを検出し、排除することで、実際に利用するディスク容量の節約が可能だ。

 米3PARのワールドワイド・マーケティング担当副社長、クレイグ・ヌネス氏は「Fクラスはアーキテクチャに工夫を凝らしてコスト効率を高めた、妥協しないストレージ製品。不況が続き、IT予算が縮小を迫られているこのタイミングに適した製品だ」と述べた。

 F200は、最大2個のコントローラを搭載でき、ファイバチャネルポートは最大12個、192台のディスクドライブで125TBまで拡張可能だ。一方F400はコントローラを最大4個、ファイバチャネルポートを最大24個搭載でき、384台のディスクドライブで最大250TBの容量まで拡張できる。

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