3回目はあるのか? おばかアプリ選手権レポートD89クリップ(10)(1/6 ページ)

3月に開催され賞賛と罵声(ばせい)の入り混じるなか幕を閉じた第1回に続き、あの「おばかアプリ選手権」が再びお台場にやって来た。今回もカオスに満ちたプレゼンが吹き荒れ、進行は乱れまくることに。その模様をダイジェストで紹介する

» 2009年07月17日 00時00分 公開
[仲里淳@IT]

前日にチケットがソールドアウトという予想外の事態

 7月4日、お台場の東京カルチャーカルチャーにおいて「デザインハック・ミーティングVol.2 第2回おばかアプリ選手権」が開催された。梅雨の真っただ中、天候は運よく曇りで踏みとどまり、客席には子連れの家族もちらほら。平日開催の前回とは違い、今回は土曜日開催。「お台場ガンダムを見に行くついでに、おばかアプリ選手権にも顔を出してみるか」的な参加者が多かったものと思われる。そんなガンダム効果もあってかチケットは予想に反してソールドアウト。スタッフは喜びつつも逆にプレッシャーとなって重くのしかかる……。

なんと、今回のチケットはソールドアウト。きっとガンダムのおかげだね、ありがとう! なんと、今回のチケットはソールドアウト。きっとガンダムのおかげだね、ありがとう!

 今回は、前回同様の編集部による推薦枠に加えて、一般公募によるチームも参加。合計10チームによる選手権となった。各チームのプレゼンタイム10分間でアプリを紹介。入れ替えも3分以内に済ませなければならないという厳しいルール。第1回でズルズルと時間をオーバーしてしまったことを反省しての措置とのこと(第1回の模様は「第1回おばかアプリ選手権はこうして行われた」にまとめられています)。

司会は、元祖おばか系の伊藤ガビンとタナカカツキ

 今回司会を務めたのは、伊藤ガビンさんとタナカカツキさんの2人。伊藤ガビンさんは、ゲーム「パラッパラッパー」をはじめ、枠にはまらない個性的な作品を数多く作り出しているクリエータの1人である。タナカさんは、天久聖一さんとのギャグマンガユニット「バカドリル」とその作品などで知られる、芸術的おばかセンスの持ち主。そんな2人からの第一声は、「何をするのかよく分かってないんですけど……」。期待を通り越して不安を抱かせる中、ついにイベントが始まった。

司会を務めたタナカカツキさん(左)と伊藤ガビンさん(右)。おそろい?のTシャツ姿で登場 司会を務めたタナカカツキさん(左)と伊藤ガビンさん(右)。おそろい?のTシャツ姿で登場

音楽でメシが食えるロックな次世代入力デバイス

紫熊
「Rock'n Office(ロッキンオフィス)」
メンバー:橋本圭一(プログラマ兼デザイナ)、リン(プログラマ)、D++(ジャケットデザイン)、池田みちる(Vo)、谷池公治(Gu)、東郷龍一(Ba)、根本純(Dr)、Eiji Sugawara(アドバイザ)、Special Thanks:三上くん

いきなり始まったバンド演奏は、「下の階にあるZepp Tokyoと場所を間違えたのでは?」と思ってしまうほど無駄にカッコいい いきなり始まったバンド演奏は、「下の階にあるZepp Tokyoと場所を間違えたのでは?」と思ってしまうほど無駄にカッコいい

 一番手として登場したのは、ロックバンドの紫熊(しぐま)チーム。あいさつ代わりにショッキング・ブルー(The Shocking Blue、オランダのロックバンド)の名曲「ヴィーナス」(Venus)を演奏。「デザインチームではありません。バンドやってます!」の言葉に、アプリのプレゼンを期待していた会場は少し戸惑いながらもテンションは上がった。

 実は、演奏に使っている楽器がおばかアプリの「Rock'n Office」。PCと電子楽器を接続することで、その演奏情報を基に文字入力やカーソル操作ができる。今回は、エレキギターの音をギターシンセでMIDIに変換し、それをUSBのMIDIインターフェイスでPCに取り込むという構成でデモを行った。

一応入力できているが、とても遅いし、よく間違える。特に変換を要する日本語入力では難易度がさらに高くなる。とってもストレスフル! 一応入力できているが、とても遅いし、よく間違える。特に変換を要する日本語入力では難易度がさらに高くなる。とってもストレスフル!

 1つの音に対して1つのキーが割り当てられているので、正確に速弾きすれば高速な入力は可能なはずだが、その域に達するには相当の修行も必要とされる。実際のデモでは、もたつくわ、変換ミスするわで、実用性のなさっぷりを披露した。

 10行程度のメールを作成するパフォーマンステストでは、PCが1分で済むところを、Rock'n Officeでは30分かかったという。

 紫熊は、「メール1通作成するのに丸1日。これはある意味ロック!」であるとし、「イングヴェイ・マルムスティーンなどギター界における超絶速弾きの神たちならタイピング以上のパフォーマンスを出せるかもしれない。楽器を演奏することで(オフィスワークだけど)仕事ができるのだから、音楽でメシが食えるということ。田舎のお母さんも大喜び」と解説した。

さすがに1文字ずつの入力はつらいと、1音であらかじめ登録しておいた1フレーズの入力ができる「無双モード」も用意。取りあえず、意味のあるフレーズが並ぶのでライブパフォーマンスとしては使えるかも さすがに1文字ずつの入力はつらいと、1音であらかじめ登録しておいた1フレーズの入力ができる「無双モード」も用意。取りあえず、意味のあるフレーズが並ぶのでライブパフォーマンスとしては使えるかも

入力の難易度が高く、実用性がないところがおばか。恋するあの人への想いを入力できる、「ラブレター代筆」へのバージョンアップを期待。

働きたくないあなたに贈る最適な仕事探し

ワンパク×リクルートメディアテクノロジーラボ
FormB
メンバー:鈴木拓生(リクルートメディアテクノロジーラボ)、阿部淳也、野村政行、宮城秀雄(以上ワンパク)、栗田洋介(グランドベース)

左から阿部淳也さん、鈴木拓生さん、後ろのティム&マッキーさん(どっちがどっちなのかは不明) 左から阿部淳也さん、鈴木拓生さん、後ろのティム&マッキーさん(どっちがどっちなのかは不明)

 このアプリは、もともとリクルートが主催しているデザイナとのコラボレーション企画「DESIGN SHOWCASE」のために開発されたもの。「DESIGN SHOWCASE」は、リクルートが提供しているWebサービスのAPIを使って、デザイナが自由に作品を作るイベントだ。現在、第3回としてフロム・エーAPIを使って「Job」をテーマにした作品が公開されている。

かなりの手間を掛けて制作されたようで、見た目には「おばか」な様子はひとかけらもない。当初は「FROM B」という名前にするつもりだったが難しく、文字を入れ替えて「FORM B」にしたとのこと。ちなみに「B」は「Bad」「Black」のBで、つまり「ダメな職場や仕事」を意味している かなりの手間を掛けて制作されたようで、見た目には「おばか」な様子はひとかけらもない。当初は「FROM B」という名前にするつもりだったが難しく、文字を入れ替えて「FORM B」にしたとのこと。ちなみに「B」は「Bad」「Black」のBで、つまり「ダメな職場や仕事」を意味している

 一般に検索というものは、「やりたいこと」を探すもの。しかし、実際のアルバイトや仕事選びでは「しょうがなくこの仕事をやっている」という状況も少なくない。であれば、「やりたいこと」を能動的に探してもらうのではなく、「やりたくないこと」を除外していくことで、残ったものから選べばよいというコンセプトで開発されたのが「FORM B」だという。

ティムとマッキーによる実演。マウスの代わりに特製のスイッチパネルを使って、「やりたくない仕事」を消していく。Bボーイふうの格好をしているのは、「B」に掛けたものと思われる ティムとマッキーによる実演。マウスの代わりに特製のスイッチパネルを使って、「やりたくない仕事」を消していく。Bボーイふうの格好をしているのは、「B」に掛けたものと思われる

 「やりたくないもの」を一通り除外して決定ボタンをクリックすると、詳細な求人情報が掲載されたフロム・エー ナビへのリンクが表示される。機能としては検索オプションでの指定と同じことだが、それを大げさなUIとゲーム的要素を取り入れることでまったく異なる印象を与えている。

ビジュアルやFlashの作り込み、音楽のどれもがハイクオリティだが、できることは「受け身のバイト探し」という妙なアンバランス具合がおばか。

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