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» 2009年10月13日 00時00分 UPDATE

VMware vSphere 4徹底解剖(3):VMware vSphere 4のストレージ機構(1) (4/4)

[齋藤康成,ヴイエムウェア株式会社]
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iSCSIにおけるPort Binding機能の設定

iSCSI Port Bindingを設定する

 iSCSI Port Bindingを有効化するには、VMkernelインターフェイスと物理NICが1対1で対応するよう、事前に設定しておく必要がある。

図14 iSCSI Port Bindingを利用するには、VMkernelインターフェイスと物理NICが1対1の関係となるよう事前に構成しておく必要がある 図14 iSCSI Port Bindingを利用するには、VMkernelインターフェイスと物理NICが1対1の関係となるよう事前に構成しておく必要がある

 作成したVMkernelインターフェイスを選択し、「編集」を選択する。するとそのVMkernelインターフェイスのプロパティを設定するウィンドウが起動するため、「NICチーミング」タブを選択する。ここで、「vSwitchのフェイルオーバー順序の置き換え」というチェックボックスを有効化すると、そのVMkernelインターフェイスに固有のフェイルオーバ順序を設定することができるようになる。ここで、有効なアダプタとして物理NICが1個だけ選択され、他の物理NICは未使用アダプタとなるよう設定する。

図15 VMkernelインターフェイスと物理NICを1対1で対応付け 図15 VMkernelインターフェイスと物理NICを1対1で対応付け

 もう一方のVMkernelインターフェイスについても同様に操作を行う。こちらについてはもう一方の物理NIC(今回の例ではvmnic2)のみが有効なアダプタとなるよう設定する。

 これでiSCSI Port Bindingを設定する際の事前準備が整った。まずiSCSIソフトウェアイニシエータ機能を有効化する。次にPort Bindingの構成を行う。Port Bindingの有効化にはesxcliコマンドを用いる。まず、現在のPort Bindingの構成状態を確認する。

# esxcli swiscsi nic list --adapter vmhba33
No iSCSI Nics Found

 デフォルトではPort Bindingは構成されていないことが確認できる。なおアダプタとしてvmhba33を指定しているが、これはESX 4.0ではiSCSIソフトウェアイニシエータとして常にvmhba33が用いられるためである。

 次に、作成済みのVMkernelインターフェイスvmk0、vmk1をiSCSI用インターフェイスとして明示的に登録する。このとき指定するのはVMkernelインターフェイスの「ラベル名」ではなく「インターフェイス名」であるということに注意する。ラベル名とインターフェイス名の対応はGUIもしくはesxcfg-vmknicコマンドで確認することができる。

図16 インターフェイス名はGUIからも確認できる 図16 インターフェイス名はGUIからも確認できる

 以下のコマンドを実行することでiSCSI Port Bindingが構成される。

# esxcli swiscsi nic add --nic vmk0 --adapter vmhba33
# esxcli swiscsi nic add --nic vmk1 --adapter vmhba33
# esxcli swiscsi nic list --adapter vmhba33
vmk0
pNic name: vmnic1
ipv4 address: 172.16.230.10
ipv4 net mask: 255.255.0.0
ipv6 addresses:
mac address: 00:22:64:9a:f1:8e
mtu: 1500
toe: false
tso: true
tcp checksum: false
vlan: true
link connected: true
ethernet speed: 1000
packets received: 5230055
packets sent: 428051
NIC driver: bnx2
driver version: 1.6.9
firmware version: 1.9.6vmk1
pNic name: vmnic2
ipv4 address: 172.16.230.100
ipv4 net mask: 255.255.0.0
ipv6 addresses:
mac address: 00:1f:29:5e:f5:ad
mtu: 1500
toe: false
tso: true
tcp checksum: false
vlan: true
link connected: true
ethernet speed: 1000
packets received: 4123087
packets sent: 455
NIC driver: e1000e
driver version: 0.4.1.7-NAPI
firmware version: 5.12-2

 これでiSCSI Port Bindingの構成は完了である。以降は通常通り、iSCSIサーバのIPアドレスを登録し、ターゲットLUNの検索、VMFSのフォーマットなどを行なう。iSCSI Port Bindingにて登録した各VMkernelインターフェイスがI/Oパスに利用されるようになるため、今回の例では結果的に図17のような4通りのI/Oパスが認識されることになる。

図17 iSCSI Port Binding有効化時のI/Oパス。この例の場合は4パスが構成される 図17 iSCSI Port Binding有効化時のI/Oパス。この例の場合は4パスが構成される

 vSphere Clientのパス管理画面からも、単一のターゲットLUNへの到達経路として、4通りのパスが構成されていることが確認できる。

図18 ESXのSCSIスタックは4通りのI/Oパスを認識している 図18 ESXのSCSIスタックは4通りのI/Oパスを認識している

 このようにiSCSI Port Bindingを利用することで、単一サブネット内に複数のVMkernelインターフェイスを構成し、それらをiSCSIソフトウェアイニシエータのI/Oパスとして利用することができる。単一のVMkernelインターフェイスに対して単一の物理NICのみを割り当てることで、NIC Teamingが介在しない、ESXのSCSIスタック側に実装されているマルチパス機構のみを用いてiSCSIを構成することができるようになる。このためFibre Channel SANの利用時と基本的には同等のパス管理機構が利用でき、ストレージ管理のノウハウなどもそのまま適用することができるようになる。先述の通り、Fibre Channelポートを単純にイーサネットポートに置き換えたような、比較的オーソドックスなiSCSIストレージ装置を利用する場合はこの方法を適用するケースが多くなることだろう。

 物理ネットワーク側でSTPを構成し、物理ネットワーク環境の本格的な冗長化構成をとりたい場合などにおいても、上記の設定をそのまま踏襲することで同様の構成を実現することができる。

図19 物理スイッチの冗長化構成例 図19 物理スイッチの冗長化構成例

 今回は、VMware vSphere 4のストレージ周りの新機能の第1回ということで、新しくなったデバイスのネーミング方法、PSAと呼ばれるプラグイン可能なマルチパス機構、そしてiSCSIソフトウェアイニシエータ利用時のPort Binding機能について紹介した。次回も引き続きストレージの新機能について紹介する予定である。


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