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» 2009年10月20日 00時00分 公開

知って見るみるKVM(4):触って試すKVM運用ツール「oVirt」 (1/3)

アナウンス後わずか2カ月でLinux Kernelにマージされたことで一躍注目を浴びることになった仮想化技術「KVM」。しかし、その具体的な仕組みや使用方法となると、意外と知られていないのではないでしょうか。この連載ではそんなKVMについて紹介します(編集部)

[まえだこうへい,Debian JP Project]

 前回「運用上の課題を解決する管理ツール」では、KVMにおける運用管理の必要性について説明するとともに、KVM向けのツールである「oVirt」の概要について紹介しました。

 前回記事を公開してからの間に、Red Hat社が、主要仮想化技術としてKVMをサポートした同社のディストリビューション最新版「Red Hat Enterprise Linux 5.4」をリリースしたことは記憶に新しいでしょう(注1)。oVirtは今回のリリースでは取り込まれませんでしたが、RHEL 6で取り込まれることになっているようです。

 今回は前回の続きとして、次期リリース以降で取り込まれる予定になっているoVirtの稼働検証の手順と感触についてお話ししたいと思います。

注1:KVMの名前は日経産業新聞にも掲載されていました。


oVirt検証の前に

 oVirtの検証に当たり、どの方法で行うかを選択する必要があります。oVirtのインストールには、次の3つの方法があります。

  1. スタンドアロン アプライアンス ディベロッパーバージョンでのインストール
  2. バンドルインストールでのインストール
  3. サーバスイートプロダクションでのインストール

 それぞれ一長一短ありますが、ここではまずoVirtを使ってみること、それ自体を目的としていますので、1のスタンドアロンアプライアンスでのインストール方法を選択します。

 なお前回触れたように、oVirtを動作させるには、管理サーバ(oVirt Server)と管理対象ノード(oVirt node)という最低2台以上の物理マシンが必要です。しかし、このスタンドアロンアプライアンスはハードウェア仮想化支援機能(Intel-VTもしくはAMD-V)が利用できる物理マシンが1台あれば、試すことができます。

スタンドアロン アプライアンスで導入してみる

 スタンドアロンアプライアンスという名前から気付いた方もいるかと思いますが、これはoVirtサーバをKVM用のイメージにしたものです。環境設定用のシェルスクリプトが同梱されています。

 システム要件としては、「ハードウェア仮想化支援機能を有し、物理マシンにはFedora 9以降がインストールされていること」「kvm(注2)、libvirt、virt-manager、virt-viewerの各パッケージがインストールされていること」が前提条件になります。

 前提条件がFedoraのみになってしまうのは、普段Debianを使っている筆者にとっては不便ですが、今回はFedora 11を使って検証してみます(注3)。

注2:Fedora 11ではパッケージ名がqemu-kvmになっています。

注3:シェルスクリプトがFedoraのパッケージに依存した書き方(コマンドパス、パッケージ名、パッケージのクエリなど)になっているので、シェルスクリプトを書き換えれば、Debianでも検証できると思われます。


Fedora 11のインストール

 Fedora本体は、最小構成でインストールします。今回は、Fedoraのミラーサイト(http://mirrors.fedoraproject.org/publiclist/Fedora/11/x86_64/)からネットワークインストール用のISOイメージ「Fedora-11-x86_64-netinst.iso」をダウンロードし、CD-RWに焼いてインストールしました。

 筆者が使用しているマシン(HP ProLiant ML115)ではグラフィカルモードでのインストールは全画面表示されないのに加え、使用しているマウス(IBM SpaceSaver IIのトラックポイント)がうまく認識されないので、テキストモードでインストールを行いました。

 テキストモードでインストールを行うには、インストールメニューの画面で「Install system with basic video drive」にカーソルを合わせ、tabキーを押し、引数でtextを指定します。インストール自体は、言語、キーボードタイプ、ロケール、rootパスワード、パーティション設定、ネットワーク設定を行うだけで、自動的に最小構成でインストールされます。

追加パッケージのインストール

 oVirtアプライアンスを利用するには、Fedoraのリポジトリから追加RPMパッケージをインストールする必要があります。追加で必要なパッケージは、前述したとおり、qemu-kvm、libvirt、virt-manager、virt-viewerです。基本的にはこれだけインストールすればよいのですが、次のパッケージもインストールしておくと便利です。

- vlgothic-fonts.noarch
- vlgothic-fonts-common.noarch
- vlgothic-p-fonts.noarch
- wget

 今回の検証では、GTKベースの管理ツールであるvirt-managerを使います。フォントパッケージをインストールするのは、インストール時にロケールをja_JP.UTF-8にしたので、virt-manager実行時にVL Gothicフォントなどの日本語用フォントパッケージをインストールしていないと文字化けしてしまうためです。またwgetは、oVirtのアプライアンスイメージをダウンロードする際にあると便利ですが、必須ではありません。

 ここまでの手順を実行すると、以下のようなコマンドになります。

$ sudo yum update
$ sudo yum install qemu-kvm libvirt virt-manager virt-viewer
$ sudo yum install vlgothic-fonts.noarch vlgothic-fonts-common.noarch vlgothic-p-fonts.noarch wget
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