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» 2010年04月07日 00時00分 公開

Androidで動く携帯Javaアプリ作成入門(16):地図/位置情報/GPSを使うAndroidアプリを作るには (3/3)

[緒方聡,株式会社イーフロー]
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マーカーで特定の位置を指定・表示するには

 緯度経度を基に、地図上にマーカーを設置してみます。

図7 東京タワーにマーカーを設置 図7 東京タワーにマーカーを設置

 中央付近に表示されている東京タワーに気球のマーカーを設置しました。影が付いたりしてなかなか気が利いています。

マーカーを設置する際のポイント

 地図上に何かを描画したい場合は、Android Mapsで提供されている「Overlay」というクラスを使用します。

 地図上に直接描画できないので、透明のレイヤを用意して、その上に描画します。Overlayを使用する場合、描画はすべて自前で行い、描画制御する必要がありますが、何でも描画できます。

図8 オーバーレイのイメージ図 図8 オーバーレイのイメージ図

 今回使用したのは、OverlayのサブクラスであるItemizedOverlayというクラスです。このクラスはOverlayItemに基付きレイヤ上に描画を行うクラスで、OverlayItemを適切に作成することで、描画は自動で行われます。OverlayItemには、マーカー画像、緯度、経度、そのほかの情報が保持されます。

 OverlayItemを作成する際に必要なGeoPointクラスには、緯度と経度を渡しますが、このGeoPointクラスのコンストラクタに渡すlatitudeE6とlongitudeE6というのは、通常の緯度・経度の精度を1000000倍してintに直したものです。

 例えば、東京駅の座標は以下のように作成します。

private static final GeoPoint TOKYO = new GeoPoint(
        new Double(35.68198003744061 * 1E6).intValue(),
        new Double(139.76609230041504 * 1E6).intValue());

ItemizedOverlayクラスの重要なメソッドのポイント

 コンストラクタには、デフォルトのマーカー画像を設定する必要があります。マーカー画像を差し替えたい場合はOverlayItem#setMarker(Drawable)で個別に行います。マーカーとして渡すDrawableは、あらかじめsetBounds()を呼び出しておく必要があります。これを行わないと、レイヤ上に表示されません。

 ItemizedOverlayは、polulate()メソッドを呼び出す必要があります。これが呼び出されると、size()メソッドが返すサイズ分だけcreateItem()が呼び出されOverlayItemがキャッシュされます。マーカーのどの位置にアンカーを置くかは、boundCenter()またはboundCenterBottom()で指定します。

メソッド アンカーの位置
指定なし 左上
boundCenter(Drawable) 画像の中央
boundCenterBottom(Drawable) 画像の下部中央
表4 マーカーのアンカー指定

 マーカーを作成する際には制限があることに注意する必要があります。

ロケーションサービスと連携して現在位置を表示

 Android Mapsは、GPSなどのロケーションサービスと連動させると、とても便利です。Android Mapsには、「MyLocationOverlay」というOverlayのサブクラスが用意されており、これを使用することで現在位置を簡単に表示できます。

package com.example.android.maps;
 
import android.location.LocationManager;
import android.os.Bundle;
 
import com.google.android.maps.MapActivity;
import com.google.android.maps.MapView;
import com.google.android.maps.MyLocationOverlay;
 
public class Tracking extends MapActivity {
    @Override
    public void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
        super.onCreate(savedInstanceState);
        final MapView mapView = new MapView(this, getResources().getString(R.string.map_key));
        mapView.setEnabled(true);
        mapView.setClickable(true);
        mapView.setBuiltInZoomControls(true);
        final MyLocationOverlay overlay =
            new MyLocationOverlay(getApplicationContext(), mapView);
        overlay.onProviderEnabled(LocationManager.GPS_PROVIDER); // GPS を使用する
        overlay.enableMyLocation();
        overlay.runOnFirstFix(new Runnable() {
            @Override
            public void run() {
                mapView.getController().animateTo(
                    overlay.getMyLocation()); // 現在位置を自動追尾する
            }
        });
        mapView.getOverlays().add(overlay);
        mapView.invalidate();
        setContentView(mapView);
    }
 
    @Override
    protected boolean isRouteDisplayed() {
        return false;
    }
}

 たったこれだけのソースコードで、最初に紹介した動画のように動作します。

コラム 「エミュレータでの位置情報発信」

エミュレータで位置情報を発信するには、ADTから位置情報を設定する必要があります。

図9 ADTの位置情報送信(マニュアル) 図9 ADTの位置情報送信(マニュアル)

ここでは緯度と経度を入力する必要があります。手軽な方法として、FirefoxまたはGoogle ChromeのブックマークレットとGoogleマップの組み合わせを紹介します。

位置情報を知りたい場所をGoogle Mapsで中央に表示します。その後、アドレスバーに以下のように入力すると、緯度と経度がプロンプトで表示されます。

javascript:void(prompt('',gApplication.getMap().getCenter()));

上記方法は、Googleマップで簡単に位置情報を知る方法とブックマークレットで紹介されていた記事を参考にさせてもらいました。

また、連続して位置情報を送信したい場合は、GPXかKML形式のファイルを読み込ませると可能です。

10 ADTの位置情報送信(KML) 10 ADTの位置情報送信(KML)

今回使用したデータは、実際にGPSで計測したデータからKMLを作成しました。KMLはADTが読み込めるように加工しなければなりませんが、それを行ってくれるのが「Google Earth to Android ADT」です。

しかし、Google EarthからエクスポートしたKMLは「Google Earth to Android ADT」でADTが読み込める形式に変換できますが、例えばルートラボからダウンロードしたKMLは変換に失敗します。

ADTで必要になるKMLのフォーマットは非常に簡単なので、自分で加工した方が早いかもしれません。

AndroidMapsSample.kmlを公開するので、これを参考にしてみてください。


Android Mapsの強力さと簡単さが分かりましたか?

 Android Mapsの強力さと簡単さを知ると、使用してみたくなりませんか。サンプルアプリの中には、今回紹介していない機能も含まれていますので、ダウンロードして動作させてみてください。

 また、Android Mapsは機能が豊富なので、クラスやメソッドの詳細は、APIを参照してください。


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