Windows 7でも「おばかアプリ選手権」は大爆笑でしたD89クリップ(18)(4/6 ページ)

» 2010年07月26日 00時00分 公開
[仲里淳@IT]

気になるあの娘の脳波を雲の上の「謙三」さんが解析

アプリ名:OKサイン
登壇者:SIGFP(シグマコンサルティングGFPの連合ユニット)
「いやー、仕事でも使えて、モテモテになりましたよ」部門優秀賞

シグマコンサルティングの橋本圭一さん(左、プログラム担当、第2回にも出場)とグッドファームパートナーズ(GFP)の宮野琢也さん(右、デザイン担当) シグマコンサルティングの橋本圭一さん(左、プログラム担当、第2回にも出場)とグッドファームパートナーズ(GFP)の宮野琢也さん(右、デザイン担当)

 「OKサイン」は、作者の説明によると「気になるあの子の気持ちをスキミングするアプリ。メールを書いているときの気持ちを盗んでしまう。こちらでは、その結果を視覚的に見られる」というアプリだ。

 もう少し分かりやすく説明すると、メールを書いている最中の脳波をセンサで読み取り、事前にMicrosoft Outlookに組み込んでおいたプログラム経由で脳波データをサーバに送って解析し、受信者はメールとともにその結果を受け取るというもの。いや、これでもまだ分かりにくいか。要するに、メール送信者のドキドキ感を察知することで、受信者と「恋愛の脈」があるかどうかを知るためのアプリだ。

何となく凄そうな気にさせられる「OKサイン」のシステム構成図。脳波データは、メールヘッダにWindows Azureでの検索キーをさりげなく混入させることでやり取りしている 何となく凄そうな気にさせられる「OKサイン」のシステム構成図。脳波データは、メールヘッダにWindows Azureでの検索キーをさりげなく混入させることでやり取りしている
メールを書く際、その相手に恋心を抱いていると、無意識のうちに脳内でドキドキ感が発生するので、それを脳波センサ「MindSet」(頭に装着)でキャッチする(このとき、本人は脳波センサのことは知らないという前提) メールを書く際、その相手に恋心を抱いていると、無意識のうちに脳内でドキドキ感が発生するので、それを脳波センサ「MindSet」(頭に装着)でキャッチする(このとき、本人は脳波センサのことは知らないという前提)
Windows Azure上にあるサーバで脳波データが解析され、恋心判定とともにOutlookでメールを受信。そのメールを開いて判定ボタンをクリックすると…… Windows Azure上にあるサーバで脳波データが解析され、恋心判定とともにOutlookでメールを受信。そのメールを開いて判定ボタンをクリックすると……
相手の想いレベルによって判定結果が表示される。「いきなり同棲生活はねぇだろ!」とツッコミたくなるが、そこはあくまでもレベルの表現ということで 相手の想いレベルによって判定結果が表示される。「いきなり同棲生活はねぇだろ!」とツッコミたくなるが、そこはあくまでもレベルの表現ということで

 デモでは、女性から審査員の何人かに対してメールを送信して恋愛成就の可能性を判定。かなりの高確率で好印象の判定が出るはずだったが、残念ながら大場さんだけはNG。Windows Azureまで活用した設計は評価しつつも、「審査結果は期待しないように(笑)」とチクリ。

ポイント

 脳波が好き勝手に読み取られてしまうなんてアリエナイが、相手の気持ちが分かるというのは人類の夢でもある。クラウドを活用するなどアプリとしても高度だ。

 ところが、脳波解析のための「謙三エンジン」はビミョー。「謙三」というのは作家の北方謙三さんのことで、30〜40代にとっての恋愛経典である「ホットドッグプレス」誌上の恋愛指南で活躍していた。その恋愛観を判定ロジックとして実装したのが「謙三エンジン」で、そのために基準がイケイケなのだ。「賢三エンジン」というネーミングや判定ロジックを、いまさら賢三さんに委ねちゃったところが、おばか。

これなら続く?ユーザー体験重視のユルふわダイエット

アプリ名:2次元ダイエットいす(仮)を作ってみた
登壇者:山本遼さん(チームラボ
「いやー、仕事でも使えて、モテモテになりましたよ」部門優秀賞

チームラボの山本遼さんは、前回大会の優勝者。連覇なるか? チームラボの山本遼さんは、前回大会の優勝者。連覇なるか?

 ここ数年、人に会うたびに「最近太った?」と聞かれるという山本さん。実際、太り続けており、ダイエットに何度もチャレンジしているが、なかなか効果は現れないという。「ダイエットを始めても、新しい興味対象(最新ガジェットなど)が現れると、そちらに気を取られてダイエットがおろそかに……」というバッドサイクルの連続のようだ。「ダイエットへの興味を持続させれば解決できるはず」という自己分析から生まれたアプリが、「2次元ダイエットいす(仮)を作ってみた」だ。

ダイエット失敗のバッドサイクル。同様の悩みは多くの人が共感できるところだろう ダイエット失敗のバッドサイクル。同様の悩みは多くの人が共感できるところだろう

 このアプリの最重要目的は、ダイエットを継続させること。そのために盛り込んだ要素は、「意識しなくても毎日体重を量る」「(太ったときの)“がっかり感”の回避」「達成感をより味わえるようにする」の3つ。

 まず、オフィスの椅子に体重測定機能を付けることで、「毎日意識せず」を実現。Wiiバランスボードで量った体重をWindows 7上のデスクトップガジェットで受信して記録する。

Wiiバランスボードを使って開発した体重計測用の椅子。といっても、木製の台を2つ並べたものに、クッションを載せただけ Wiiバランスボードを使って開発した体重計測用の椅子。といっても、木製の台を2つ並べたものに、クッションを載せただけ

 測定した結果は、数値で示さずに“何となく”で把握できるアイコンを表示。「ちょっと太った、まぁまぁやせた」という、ゆる〜い感じで把握できるため神経質にならずに済む。

体重の増減は、数値ではなくペンギンアイコンで表現。Windowsなのにペンギンというのは少々ミスマッチのような気も 体重の増減は、数値ではなくペンギンアイコンで表現。Windowsなのにペンギンというのは少々ミスマッチのような気も

 目標体重の達成度も、単なるパーセンテージではなく、自分がお気に入りのゲーム(RPGなど)の進ちょく度合いに置き換えることで、より実感しやすくした。

ダイエットの達成度は、山本さんお気に入りのゲーム「ファイナルファンタジー」の進ちょくで表現。知らない人にはまったくピンと来ないが、ダイエットでは本人のモチベーションが一番大事なので意外に効果的かも(審査員の高橋名人からは「ハドソンのゲームでやってほしかった(笑)」とチクリ) ダイエットの達成度は、山本さんお気に入りのゲーム「ファイナルファンタジー」の進ちょくで表現。知らない人にはまったくピンと来ないが、ダイエットでは本人のモチベーションが一番大事なので意外に効果的かも(審査員の高橋名人からは「ハドソンのゲームでやってほしかった(笑)」とチクリ)

ポイント

 あきらめずにダイエットを続けるための要素がてんこ盛りの「2次元ダイエットいす(仮)を作ってみた」アプリ。傍から見ると「なんて甘ったれているんだ……」と思えなくもないが、その苦しみや悩みは当人にしか理解できないのが、ダイエットというものだ。

 おばかに思える仕様も、「ユーザーエクスペリンエンスの追究」ととらえると、実は優れているといえるかもしれない。そんな、評価が分かれるところも「おばかアプリ」らしいといえる。

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