連載
» 2010年09月30日 00時00分 UPDATE

iPhoneで動かす業務用Webアプリ開発入門(1):WebアプリをiPhoneっぽくするための5つのポイント (1/3)

業務用アプリのiPhone対応経験を基に、iPhoneで動かすための、業務で使えるWebアプリケーションを作成するときのコツを紹介します

[石田健亮,株式会社ドリーム・アーツ]

iPhoneで動かす業務用Webアプリを作るコツを紹介

 初めまして。今回から本連載を執筆する石田です。筆者は、ドリーム・アーツで多店舗展開するチェーン店企業向けの業務コミュニケーション支援クラウドサービスである「店舗matic」の開発・運用を担当しています。

 ドリーム・アーツの顧客である多店舗チェーン企業では、多くの店舗をマネジメントするために、スーパーバイザやエリアマネージャという、担当する店舗を巡回して店舗の運営を支援したり、本部と店舗の間のコミュニケーションを取り持つ役割の人が多くいます。

 こういった人々が常に最新の情報にアクセスし、業務をより良くしてもらうために、「店舗matic」は、2010年8月にiPhoneでの利用に対応したバージョンをリリースしました。

 本連載は、この「店舗matic」のiPhone対応の中で試行錯誤した経験を基に、iPhoneで動かすための、業務で使えるWebアプリケーションを作成しようとしたときのハマりポイントと、それをどうやって乗り越えてきたかについて紹介します。

そもそもiPhone向けアプリケーションとは

 iPhone向けのアプリケーションには、ネイティブアプリケーションとWebアプリケーションの2つの方式があります。

Objective-Cのネイティブアプリケーション

 ネイティブアプリケーションはObjective-Cで開発したアプリケーションを作成して、それをiPhone上にインストールして利用するアプリケーションです。カメラや写真ロールへのアクセス、プッシュ通知など、iPhoneのデバイスにアクセスする機能を利用するアプリケーションや、課金を行いたい場合は、ネイティブアプリで作成する必要があります。

 そして、ネイティブアプリケーションは、iTunes AppStoreに登録して配布する必要があり、アップルの審査を経ないと公開できないばかりか、バージョンアップもままなりません。

HTML+CSS+JavaScriptのWebアプリケーション

 それに対してWebアプリケーションは、HTMLCSSJavaScriptとWeb標準技術を使って、iPhoneに搭載されるモバイルSafariに向けて最適化したWebサイトです。

 カメラや写真ロールへのアクセスができず、課金が行えない代わりに、使い慣れたHTMLやCSS、JavaScriptを使ってアプリケーションを作成でき、そして即座に公開できます。バグの修正もすぐに反映可能です。

モバイルSafariにはHTML5が使える

 そして、iPhoneに搭載されるモバイルSafariは、Webブラウザ側に保存可能なローカルストレージの機能や、オフライン状態でも利用可能にするためのキャッシュマニフェストへの対応など、HTML5の先進的な機能を先取り実装しており、もはやネイティブアプリとほとんど区別なく利用可能です。

業務アプリに適した開発プラットフォームとは

 iPhoneを業務アプリの開発プラットフォームとして考えたとき、ネイティブとWebのどちらの方式でアプリケーションを開発するべきでしょうか?

 「店舗matic」開発時も、プラットフォームを選択する際に、この問題について相当悩み、結果として、現時点ではWebアプリケーションで開発することを選択しました。

ハードとOSの進化に着いていけるか

 プラットフォーム選択に際して、iPhoneの世界をあらためて見てみると、2008年7月にiPhone 3Gが発売されてから、2010年現在のiPadiPhone 4の登場に至るまで、2年ほどしかたっていないのに、3世代にわたってハードとOSの進化がありました。

 新しいハードとOSにより、より速く、より表現力豊かに、より便利になったものの、ネイティブアプリケーションの中には最新OSに適応させるためにアプリごと作り直す必要があったり、各世代のハードは1年ほどで入手不能になるなど、企業内で業務として使うアプリをネイティブアプリとして開発するプラットフォームとしては採用しにくい状況が続いています。

ネイティブアプリケーションである必要性は

 もちろん「現場の写真をアップしてデータベース化したい」なんて要求のときは、カメラや写真データにアクセスする必要があるので、迷わずネイティブアプリケーションを選択せざるを得ませんが、アプリ自体の課金を考えない業務アプリを実現する場合はWebアプリケーションで十分な場合が多いはずです。

 最近では、iPhoneでも、iOS 4でBluetoothのHIDプロファイルに対応しているので、バーコードスキャナからの入力を受け取ることが可能です。

 Webアプリケーションであれば、HTMLやCSS、JavaScriptと標準技術を基に作成するので、iPhoneに加えてAndroidにも対応するといったことも容易です。

 こうした背景から、「店舗matic」ではiPhone用アプリを、Webアプリケーションとして開発しています。次ページでは、WebアプリケーションをiPhoneっぽい見た目にすることの重要性を解説します。

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