連載
» 2010年11月10日 00時00分 公開

仕事を楽しめ! エンジニアの不死身力(4):目標がなくてもOK。無理して探すより行動しよう (1/2)

あなたはエンジニアの仕事を楽しんでいますか? この連載では、仕事を「つらいもの」から「楽しいもの」に変えるためのヒントを考えていきます。

[竹内義晴,テイクウェーブ]

 「そんなに大きな目標があるなんて、すごいですね。先生はどうやって目標を持ったんですか? わたしは全然目標がなくて、困っているんです」

 先日、筆者が講師を務めるセミナーで、受講者さんから受けた質問です。

 皆さんは、目標を持っていますか。また、目標についてどんなイメージをお持ちでしょうか。本やインターネットなど、多くの情報を見回してみると、「目標を持つことが大切だ」という情報であふれています。スポーツ選手のインタビューなどを聞いても「大きな目標があったから頑張れた」というようなコメントを耳にすることがよくありますね。これだけ「目標の大切さ」が叫ばれれば、「やっぱり高い目標があった方がいいんじゃないか」と思うのも無理はありません。

 筆者は仕事柄、目標に関する質問をよく受けます。質問を受けたとき、「目標を持つということにどんなイメージをお持ちですか」と聞くと、多くの方は、

  • 「目標があれば毎日が充実しそう」
  • 「目標があれば、やる気がわいてきそう」

とおっしゃいます。「目標さえあれば、なんとなく過ごしている毎日が夢のような生活に変わる」??というのは大げさかもしれませんが、目標が毎日のやる気や充実感の原動力というイメージを抱いている方は多いようです。

 けれども、冒頭のセミナー受講者さんのように、目標がないことに思い悩み、「どうしたら目標が見つかるのか分からない」「目標を持てないわたしって、ダメな人間なのかな」と落ち込んでしまう人もいるようです。

 今回は「目標とのかかわり方」についてお話ししたいと思います。

「目標を最初から持てるタイプ」と「目標が後からついてくるタイプ」

 「明確な目標があり、そこに一歩ずつ近づいていく」――目標といえば、このようなイメージをお持ちの方が多いと思います。

 しかし筆者は、目標と一言でいっても、「目標を最初から持てるタイプ」と「目標が後からついてくるタイプ」の2タイプがいるのではないかと考えています。

 「目標を最初から持てるタイプ」とは、先ほど触れたように、明確な目標を立てて、それに一歩ずつ近づくことにやる気を感じるタイプです。一方、「目標が後からついてくるタイプ」とは、まず行動してみることで、次第に目標が明確になってくるタイプです。

 しかし、最近は「まず目標ありき」という考え方が目立つように思います。そして、多くの方が目標を探し、「目標が見つからない」と悩んでいます。

目標を「持とう」と思っても持てなかった

 なぜ筆者が前述のような意見を持つようになったのかをお話しします。

 実は筆者自身、最初から目標があったわけではありません。行動することで目標が見えてきたのです。

 以前、筆者は日々の仕事に対するプレッシャーや不慣れなマネジメント業務など、目の前に大きな問題を抱え、やる気を失っていました。このようなときほど、「目標があれば、やる気が出る」と思うものですね。筆者も、目標を「持とう」したことがありましたし、そのような本をたくさん読みました。目標を持っている人がうらやましく思えました。

 けれども、目標の探し方の本を読んで、「これって、きっとボクがやりたいことに違いない」「好きな仕事で成功したら楽しいだろうな」と思っても、一瞬は気持ちが高ぶるものの、「それが本当の目標なのか」「自分が本当にやりたいことなのか」と再び悩んでしまう、という繰り返しでした。目標にリアリティがないので、問題が山積みの現実に押し戻されてしまったのです。

なぜ、目標を持てるようになったのか

 目標を「持とう」と思っても持てなかったときに、筆者が抱いていた気持ちは、

 「もう、こんな気持ちで働いているのは嫌だ。目の前の問題を何とかしたい」

でした。

 環境のせいにしても状況が変わらなかったので、仕方なく自分にできることを始めました。すべてがうまくいったわけではありませんが、その中には問題を解決できたこともありました。自分から行動することで問題を少し乗り越えたとき、「あっ、うれしいな」と思いました。このとき、目標を「持とう」としなくても満足感が生まれ、「次はこんなことをしてみたいな」という思いが、少しずつ芽生えてきました。

 きっと、小さな自信が生まれたんでしょうね。

 「課題を乗り越えられてうれしい」「次は、こんなことをしてみたい」――少しずつ目標を描けるようになってきたのは、このような経験をしてからです。筆者は「目標が後からついてくるタイプ」だったのでしょう。

目標を持つ過程は千差万別

 「目標を持つ」という前向きな姿勢は素晴らしいものです。しかし、目標を持つことばかりに一生懸命になって、目の前の課題には目を向けず、何も行動していない、ということはないでしょうか。

 行動するから、目標が明確になり、目標が明確になるから、行動しやすくなります。つまり、目標と行動はセットなのです。「どちらが大切か」というより、「どちらも大切」なのです。

 冒頭で、目標が持てずに悩んでいたセミナーの受講生さんのお話をしました。彼には、次のように提案しました。

 「もし、目標が見つからないとお悩みなのでしたら、まずは目の前にある課題に目を向けて、あなたができることから行動してみてはどうでしょうか。無理に目標を見つけようとしなくても、行動を起こすことで明確になることもあるんです。いま目標がないからといって、不安になったり、自信を失ったりしなくても大丈夫。人はそれぞれ違うので、まず、できることから始めてみてください」

 目標を持つ過程は人それぞれで異なり、千差万別です。「最初に目標がある方が偉い」とか、「目標は後からついてこなければダメ」とか、無理に決め込まないことが大切ではないかと思います。つまり、自分の資質とは違うことを強いない、ということです。自分とは違うタイプに合わせようとすると、無理が生じます。

 いま、目標がなくても大丈夫です。「目標がない」というときほど、さまざまな行動を起こして、実践してみてほしいと思います。

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