VLANの基礎を学習するCCNP対策講座 SWITCH編(1)(1/2 ページ)

本連載では、シスコシステムズ(以下シスコ)が提供するシスコ技術者認定(Cisco Career Certification)から、ネットワーク技術者を認定する資格、CCNP(Cisco Certified Network Professional)のうち、2010年12月に日本語版が改訂される新試験【642-813 SWITCH】を解説します。

» 2010年11月18日 00時00分 公開
[齋藤理恵グローバル ナレッジ ネットワーク]

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 ネットワーク技術者を認定する資格「CCNP試験」は、2010年12月に新試験の日本語版がリリースされる予定です。新試験は、

  • SWITCH(スイッチ)
  • ROUTE(ルート)
  • TSHOOT(トラブルシューティング)

の3科目です。本連載では「SWITCH」試験について解説していきます。

 第1回はVLANの概要と実装、トランクの実装について学習します。VLANは企業ネットワークでよく使用されている機能です。VLANを構成すると、ネットワークのセグメント化によるトラフィックの減少や、ネットワーク構成の柔軟性を向上させることができます。

VLANの概要

 スイッチにVLANを構成すると、1つのスイッチに接続されているノードをグループ化し、ブロードキャストドメインを分割して、やりとりされるトラフィックを減少させることができます。

 VLANはスイッチ内で論理的にネットワークを分割するため、1つのVLANに対してネットワークアドレスを割り当てます。アドレスを割り当てる際には、階層型ネットワークアドレッシングを用います。階層型ネットワークアドレッシングとは、アドレスを割り当てる際に連続するネットワーク番号を割り当てる手法です。それによりいくつかの利点があります。

  • ルーティングテーブルエントリ数の削減:
    連続するネットワーク番号を割り当てることにより、経路集約が行いやすくなる。複数のサブネットは1つの集約アドレスにまとめることができ、ルーティングテーブルに登録するエントリ数が削減される
  • エラーの最小化:
    アドレスを規則的に割り当てるため、エラーや重複を最小限に抑えることが可能
  • 管理:
    問題のあるサブネットを切り分けやすくなるため、ネットワークの管理およびトラブルシューティングを効率良く行える

 また、ネットワーク上にはさまざまなトラフィックが伝送されますが、ネットワークを流れるトラフィックの種類ごとにVLANを分けることも可能です。VLANを設定する前に考慮を要するトラフィックタイプは以下のとおりです。

  • ネットワーク管理
  • IPテレフォニー
  • 通常データ
  • マルチキャスト

 トラフィックの種類ごとにVLANを分けると、トラフィックが流れるフローが明確になります。

 最近では、音声用のVLANとデータ用のVLANに分けることが推奨されています。それにより、外部ネットワークから音声デバイスを保護でき、管理がしやすいという利点があります。

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