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» 2011年08月19日 00時00分 UPDATE

きのこる先生のエンジニア転職指南(1):元プログラマのWeb企業人事、エンジニアのアピール下手を嘆く (1/2)

元プログラマ、現Web系企業の人事担当者による、エンジニア転職指南。「応募書類の書き方」や「自己PRの仕方」について、エンジニアの視点を持ちながらアドバイス。エンジニアの幸せな転職のために、菌類が奮闘する。

[きのこる先生,@IT]
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 こんにちは。「きのこる先生」です。諸事情によりWebではきのこの姿をしておりますが、本職はWeb企業の人事担当です。どうぞよろしくお願いします。

 さて、本連載のテーマはずばり、エンジニアのための転職ガイド

 「菌類に教えてもらうことなどない」と思う気持ちはもっともですが、まずはエリンギのバターあえでも食べて落ち着いてください。

現役プログラマから「エンジニア専門の人事担当」へ

 さて、まずは私が本記事を執筆しようと思った動機から。これは極めてシンプルです。

 「エンジニアたちのアピールがヘタ過ぎる! もったいない!」

 実は私、今でこそWeb企業の採用担当ですが、数カ月前までは、キャリア十数年のプログラマだったのです。ゲーム業界とSI業界を経て、中規模のWebサービス運営会社(今の会社)で毎日ソフトウェア開発をしていました。 「プログラマの定年」と言われる35歳もだいぶ前に過ぎ、若手が活躍するIT業界ではすっかりおっさんの部類ですが、まだまだ若いものには負けないぞ! という気持ちを持ってプログラムを書いていました。

 ですが、やはり年齢を重ねるとマネジメントの仕事が増えてきます。ずいぶん長いことプレイングマネージャとして働いていたのですが、数カ月前のある日、突然飛んできた辞令によって、大きくキャリアチェンジすることになりました。

 「人事系の部署に転属を命ず」

 会社が採用を強化するに当たって「技術が分かる人事担当が必要だ」ということになり、私に白羽の矢が立ったわけです。プログラマ職から離れることには抵抗がありましたが、「技術が分かる人事」というポジションはなかなか見掛けないので、「これはいい転機かも」と前向きにとらえることにしました。

 とはいえ、自分としてはプログラマが天職だと思っているので、できれば手放したくない……。そんな意思を会社に伝えて交渉した結果、「期限付きの異動」ということにしてもらいました(期限は未定なので、この先も交渉が必要そうですが)。というわけで、一時的にではありますが、エンジニアからキャリアチェンジして「エンジニア専門の人事担当者」となったのです。

どうして応募書類の書き方がこんなに残念なの……

 さて、きのこの身の上話はこれぐらいにして、要点に入りましょう。現在、私は主に「エンジニアの中途採用」を行っています。毎日毎日、中途採用希望者の応募書類を読み、書類選考をし、面接をする立場になってつくづく思いました。

 皆、アピールがヘタ過ぎる!

 最近まで現役のエンジニアだったので、会って話をすれば応募者の力量は大体、分かります。だからこそ、非常にもったいないと思うのです。せっかく良い技術を持っているにもかかわらず、応募書類の書き方で大きな損をしている人のなんと多いことか!

 通常、中途採用に応募するときは、「履歴書」と「職務経歴書」を提出します。履歴書については一般的なものを用意すればいいので、候補者が自分をアピールする最初の看板は「職務経歴書」です。

 その大事なアピール材料である「職務経歴書」を、どうしてこんなに残念な書き方で提出するのでしょうか。参考までに、最近見掛けた「残念な記述」をいくつか紹介してみましょう。

◎既視感たっぷりの「あるある自己PR」

 中途採用の狙いは、ぶっちゃけて言えば「イケてるエンジニア」を採用することです。どこかで見たような自己PRでは、人事担当に「この人はイケてる!」と思わせることはできません。

しかしまあ、実際は大半が「どこかで見たことのある自己PR」なわけです。

 「数名のチームでサブリーダー経験があります! 」

 「顧客の要望を引き出すコミュニケーション能力があります! 」

 「上流から下流まで、幅広い経験があります!」

 このあたりは、毎日見過ぎておなかいっぱいです。そろそろNGワードに指定して、見た瞬間「書類不合格」にしたいくらい。どうしてNGワードなのかは、この連載を読んでいれば、いずれ明らかになるでしょう。

◎あやふやな志望動機

 転職エージェントを使った応募の場合、同じ書類を一括で複数の企業に送ることが多いと思います。その場合、すべての企業でなんとなくつじつまを合わせるために、具体性に欠けるあやふやな動機を書くことになりがちです。

 明らかにコピペで、複数企業に送っているだろうなあという応募書類。

 「市場での成長性と高い技術力に魅力を感じ」

 志望動機にこんなことが書いてあると、心底がっかりします。応募企業の選定やそれにマッチした書類のポイント、転職エージェントとの付き合い方なども、本連載で解説する予定です。

◎技術用語の誤字脱字

 コンピュータの専門家としてのエンジニアを採用するのですから、技術用語の誤字脱字はかなりマイナスの印象を与えます。もちろん、大文字小文字の間違いも気になります。いろいろ残念なものを見てきましたが、一番ずっこけたのはこれでした。

 「JAVA script」

 これのどこがおかしいのか分からない方は、勉強してから出直してください。

つまらない書類が引き起こす損失は、とても大きい

 応募書類は、どんなにつまらないものでも、どこかの誰かの人生を書いた書類です。たとえ採用基準に達していなくても、「NGだよ」という結果を伝えるのは、人事担当としてはとても心が痛むものなのです。

 かといって、読まないとエンジニアを採用することはできません。そして何より怖ろしいのが、「書類は残念だけど腕前はスゴいエンジニア」を見逃してしまうこと。これは双方にとって大きな損失です。

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