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» 2011年11月30日 10時00分 UPDATE

安藤幸央のランダウン(59):師走を楽しもう。技術系アドベントカレンダーの魅力とは

「Java News.jp(Javaに関する最新ニュース)」の安藤幸央氏が、CoolなプログラミングのためのノウハウやTIPS、筆者の経験などを「Rundown」(駆け足の要点説明)でお届けします(編集部)

[安藤幸央(yukio-andoh@exa-corp.co.jp),@IT]

2011/12/2(編集部追記:進行状況を追いやすいようにTwitterウィジェットを追加しました

アドベントカレンダーとは?

 「アドベントカレンダー」(Advent Calendar)とは、クリスマスまでの期間(待降節=アドベント)をより楽しく過ごすため、12月1日から24日までの間カウントダウンしていく“日めくりカレンダー”のことです。

位置情報SNS「Gowalla」のオンラインAdvent Calendar 位置情報SNS「Gowalla」のオンラインAdvent Calendar

 19世紀にドイツからヨーロッパ全般に広まった風習で、「アドベントカード」と呼ばれることもあれば、北欧では「ユールカレンダー」と呼ぶこともあります。日付の書かれたカレンダーの小窓を毎日1つずつ開けていくなど、仕掛けや絵柄に凝ったものが多く、市販のものだけではなく、手作りのものも多くあります。

zopeuseさんのCC(クリエイティブ・コモンズ)で公開されている写真 zopeuseさんのCC(クリエイティブ・コモンズ)で公開されている写真

 IT業界では、このアドベントカレンダーの風習に習って、12月1〜24日の間、何かのテーマや、何らかの制限事項(縛り)を設けてWebにコラム記事を書くというイベントを楽しむようになりました(なかには25日や年末まで続けるものもあるようです)。

 24人集めて順番におのおのが書く場合もありますし、1人で毎日書く場合もあります。また、順番に指名していくという、順序が分からないスリリングな方法をとる アドベントカレンダーもあるようです。

 アドベントカレンダーの内容は、ある特定のプログラミング言語や、テクノロジーに絞り、Tipsや、ハマった例、おすすめのプラグイン紹介など、多岐にわたった役立つ内容のものです(参考:昨年 2010年のアドベントカレンダーの記事「本日12月1日より,プログラマ有志による技術系Advent Calendarが各所ではじまる」)。

 特にイベント予約サイト「ATND」の機能を活用するものが多く、リアルなイベントではなく、Web上のバーチャルなイベントとして参加者を集めた試みが各所で開催されます。ATNDは、参加者の様子が見えたり、順番や申し込み/キャンセル状況が分かるため、アドベントカレンダーに適したシステムとして活用されています(参考:「Advent」でのATND検索の結果)。

2011年、気になるアドベントカレンダー15選

 ここから筆者が気になったアドベントカレンダーを15個紹介します。もちろん、ここで紹介できなかった有益なアドベントカレンダーも数多くあり、著者が見つけられなかったものも多いでしょう。皆さんそれぞれが、お気に入りのアドベントカレンダーをぜひ見つけてみてください(参考:インフォメーション:本日12月1日より,プログラマ有志による2011年の技術系Advent Calendarが各所ではじまる|gihyo.jp … 技術評論社)。

□【1】Java Advent Calendar 2011

 Javaに関する広範囲のアドベントカレンダーです。昨年分を見ると、Tipsやライブラリの使い方、ツールの使い方などが取り上げられました。


□【2】Perl Advent Calendar

 2000年から始まっている、老舗のアドベントカレンダーです。Tipsの紹介トラック、CPANモジュールを紹介するトラックなどいくつかの分野に分かれています(日本語のものはこちら)。


□【3】HTML5 Advent Calendar

 HTML5をテーマにしたものです。何かと話題のHTML5ですが、意外と書きたい人は埋まっていないので、まだ参加できそうです。


□【4】JavaScript Advent Calendar 2011(WebGLコース)

 JavaScriptのアドベントカレンダーといっても、WebGL周辺をテーマにしたものです。Three.jsや3D Matrixライブラリ、Kinect連係なども含みます。JavaScript系では他にもフレームワークコース や、Node.js/WebSocketsコースなどがあります(去年のJavaScript Advent Calendar)。


□【5】Ruby Advent Calendar 2011

 Rubyに関するアドベントカレンダーです。別途「RubyKaigi 2011」の連動イベントとしたアドベントカレンダーもあるようです。


□【6】競技プログラミング関連のアドベントカレンダー

 TopCoderなど競技プログラミング周辺がテーマのアドベントカレンダーです。


□【7】PostgreSQL Advent Calendar

 オープンソースデータベースPostgreSQLに関するアドベントカレンダーです。チュートリアルや拡張に関する話題などになりそうです。


□【8】Jenkins Advent Calendar

 テストやビルドの自動化など、CI(継続的インテグレーション)ツールのJenkins関連のアドベントカレンダーです。


□【9】Titanium Advent Calendar 2011

 HTMLとJavaScriptでiPhone/Androidアプリを開発できる環境「Titanium」のアドベントカレンダーです。初心者向けのネタから、拡張モジュールに関して、Titaniumで開発したアプリに関してなどになる模様です。


□【10】Android Advent Calendar 2011

 Android関連のアドベントカレンダーです。別途「裏」版もあるようです。


□【11】Windows Phone Advent Calendar 2011

 Windows Phone向けのアドベントカレンダーです。執筆時には、ちょうど定員枠が埋まっていました。


□【12】C# Advent Calendar 2011

 C#関連、WPFやASP.NETも含むアドベントカレンダーです。


□【13】Vim Advent Calendar 2011

 Vimエディタに関するアドベントカレンダーです。プラグインやVimスクリプト関連の話題などになる模様です。


□【14】Emacs Advent Calendar jp: 2011

 Emacsエディタに関するアドベントカレンダーです。Tips集になりそうです(昨年の様子)。


□【15】hadoopアドベントカレンダー2011

 Hadoopに関する話題のアドベントカレンダーです。参加費の決済もできるイベント開催支援サービス「Zussar」を利用しています。


アドベントカレンダーを書くコツと楽しみ方

 アドベントカレンダーは、1日1日と増え続ける記事を毎日楽しむ、「読む」楽しみと、実際に自分の得意な分野のアドベントカレンダーに「参加する」楽しみがあります。

 読むだけではなく、コラム記事への話題やTipsなど自身の事柄を書き、人に読んでもらうことは、大変ながらも、他の執筆者との一体感が楽しめることでしょう。参加表明時や書いた報告をTwitterのハッシュタグを付けてつぶやくなど、いわゆる「ソーシャル」なことが広まった今日ならではの楽しみかもしれません。ATNDばかりではなく、Facebookのイベント機能もアドベントカレンダーでは使えそうです。

 また、自分の専門分野に合ったアドベントカレンダーがない場合は、新たにATNDなどで24〜5人の参加者を募って、新分野のアドベントカレンダーを立ち上げてもいいのではないでしょうか。

 参加者が少ない場合は、1人で何回でも書いてもいいのです。

 アドベントカレンダーをスムーズに運用する、楽しむためには以下のような事柄に配慮しましょう。

書き手として
  • 自分の執筆日を把握しておく
  • あらかじめ、完成せずとも、完成に近いくらい、ある程度文章を書いておくのが得策。自分の順番の日付になっても、急に用事ができて執筆の時間がとれなかったり、不慮の事態を回避できる
  • 誰でも書けることではなく、自分にしか書けない事柄を探す
  • 話題が誰かと重なりそうな場合は、記事のタイトルを事前に宣言しておいた方がいい場合もある

主催者として
  • 集まった記事はアーカイブとして保存しておく(来年の開催につなげるため)
  • テーマと順番、掲載方法(ブログなど)をはっきりとしておく
  • アドベントカレンダーのテーマは「何でも」よりも、Tips限定や、プラグイン紹介限定など、テーマを絞った方が書きやすく、執筆のイメージが広がる。また、ある程度、制限や「縛り」があった方が面白いものになる
  • 毎日記事が載るのがアドベントカレンダーの面白さなので、締め切りを守らなかった人には何かしら楽しめるペナルティを用意しておく。それも、また楽しみになり得る

いろいろなアドベントカレンダーを楽しもう

 いままで紹介したアドベントカレンダーのように、コラムやTipsを書くばかりではなく、Webサービスやアプリ、アニメーション、イラストなど作品を発表する場としてアドベントカレンダーを利用するというのも面白いと思います。

HTML5 ADVENT URE CALENDAR 2010

 HTML5で作られたWebサイトを1日一個紹介するWebサイトです。グーグルのHTML5絵本などが紹介されています。原稿執筆時、上記URLは2010年版でしたが、更新が期待されます。

 LEGOブロックが毎年、24個のアイテムがセットになったアドベントカレンダーシリーズを発売します。今年はシティ版とスターウォーズ版です。


 12月に入ると、すっかりホリデー気分の欧米とは異なり、「師走」の日本では、まだまだ年末ギリギリ、年の瀬まで奔走しそうですが、今年はアドベントカレンダーに参加し、12月の一日一日を楽しみに過ごしてはいかがでしょうか?

 次回記事は、2012年1月初めごろに公開の予定です。内容は未定ですが、読者の皆さんの興味を引き、役立つ記事にする予定です。何か取り上げてほしい内容などリクエストがありましたら、編集部@ITの掲示板までお知らせください。次回もどうぞよろしく。

プロフィール

安藤幸央(あんどう ゆきお)

1970年北海道生まれ。現在、株式会社エクサ マルチメディアソリューションセンター所属。フォトリアリスティック3次元コンピュータグラフィックス、リアルタイムグラフィックスやネットワークを利用した各種開発業務に携わる。コンピュータ自動彩色システムや3次元イメージ検索システム大規模データ可視化システム、リアルタイムCG投影システム、建築業界、エンターテインメント向け3次元 CG ソフトの開発、インターネットベースのコンピュータグラフィックスシステムなどを手掛ける。また、Java、Web3D、OpenGL、3DCG の情報源となるWebページをまとめている。

安藤幸央

ホームページ
Java News.jp(Javaに関する最新ニュース)

所属団体
OpenGL_Japan (Member)、SIGGRAPH TOKYO (Vice Chairman)

主な著書
「VRML 60分ガイド」(監訳、ソフトバンク)
これがJava だ! インターネットの新たな主役」(共著、日本経済新聞社)
The Java3D API仕様」(監修、アスキー)


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