データベーススペシャリスト試験(Database Specialist Examination)@IT自分戦略研究所 資格辞典

ITエンジニアに必要な各種資格情報を解説する「@IT自分戦略研究所 資格辞典」。今回は、IPAが実施する情報処理技術者試験の「高度試験」9区分のうちの一つ「データベーススペシャリスト試験」を紹介する。

» 2016年01月28日 05時00分 公開

概要

 データベーススペシャリスト試験は、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が行う「情報処理技術者試験」の一つ。経済産業大臣が認定する国家試験である。

 情報処理技術者試験は、IT利用者向けの「ITパスポート試験」と「情報セキュリティマネジメント試験」、情報処理技術者向けの基本知識や技能を問う「基本情報技術者試験」、応用知識や技能を問う「応用情報技術者試験」、そして9つの専門分野別に高度な知識や技能を問う「高度試験(下図ピンク色の部分)」の計12区分から構成されている。

情報処理技術者試験の試験区分(出典:情報処理技術者試験 試験区分一覧

 データベーススペシャリスト試験は高度な知識を問う高度試験の一つ。

 高度IT人材(※)として確立した専門分野を持っているか、データベース技術を活用して情報システム基盤の企画や要件定義、開発、運用、保守で中心的な役割を果たせるか、情報システムの企画や要件定義、開発、運用、保守への技術支援を行えるか、が問われる。

高度IT人材:経済産業省が定義する「構造変化に対応し、変革にリードできるIT人材」の総称。企業の経営課題に高付加価値を生むIT戦略を構築する「基本戦略系人材」、高品質のシステム構築や運用を担う「ソリューション系人材」、ITを活用して新たな製品や仕組みを生み出す「クリエーション系人材」の3つに分類される。

 試験は「午前1(50分)」+「午前2(40分)」+「午後1(90分)」+「午後2(120分)」の計300分。年に1回、4月の第3日曜日に実施する。受験料は5700円(税込み)。

試験の形式・内容

午前の出題範囲

午前の出題範囲(出典:情報処理技術者試験 試験区分一覧

 「午前1(50分)」と「午前2(40分)」に分かれている。

 午前1は高度試験共通で、「応用情報技術者試験に合格する」「いずれかの高度試験に合格する」「いずれかの高度試験の午前1試験で基準点以上の成績を得る」のいずれかであれば、その後2年間免除される。

 問題は午前1、午前2とも四肢択一の多肢選択式。午前1(30問)+午前2(25問)の計55問。共に100点満点。

 試験範囲は、午前1は左記表全般。午前2は下記項目の専門知識が問われる。

・テクノロジ系>コンピューターシステム>コンピューター構成要素
・テクノロジ系>コンピューターシステム>システム構成要素
・テクノロジ系>技術要素>データベース
・テクノロジ系>技術要素>セキュリティ
・テクノロジ系>開発技術>システム開発技術
・テクノロジ系>開発技術>ソフトウエア開発管理技術

午後の出題範囲

 「午後1(90分)」と「午後2(120分)」に分かれている。

 午後1、午後2ともに記述式で、午後1は出題3問のうち2問に、午後2は出題2問のうち1問に解答する。

 試験範囲は以下の通り。

1 データベースシステムの企画・要件定義・開発に関すること

データベースシステムの計画、要件定義、概念データモデルの作成、コード設計、物理データベースの設計・構築、データ操作の設計、アクセス性能見積もり、セキュリティ設計など


2 データベースシステムの運用・保守に関すること

データベースの運用・保守、データ資源管理、パフォーマンス管理、キャパシティ管理、再編成、再構成、バックアップ、リカバリ、データ移行、セキュリティ管理など


3 データベース技術に関すること

リポジトリ、関係モデル、関係代数、正規化、データベース管理システム、SQL、排他制御、データウエアハウス、その他の新技術動向など


出典:情報処理技術者試験 試験区分一覧

合格基準

 午前1、午前2、午後1、午後2の得点が全て60点以上(100点満点)であること。

 なお、午前1試験の得点が基準点に達しない場合は、午前2、午後1、午後2試験の採点を行わずに不合格とされる。同様に、午前2試験の得点が基準点に達しない場合は、午後1、午後2試験の採点を行わずに不合格とされる。

合格率

 合格率は17.6%(平成27年度実績)。

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