システム監査技術者試験(Systems Auditor Examination)@IT自分戦略研究所 資格辞典

» 2011年12月19日 00時00分 公開
[@IT自分戦略研究所編集部,@IT]

概要

 システム監査技術者試験とは、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が行う情報処理技術者試験の1つ。IPAはレベル4(高度な知識・技能)と定義している。

 被監査対象から独立した立場で、情報システムや組み込みシステムに関するリスクおよびコントロールを総合的に点検、評価し、監査結果をトップマネジメントなどに報告し、改善を勧告する能力をを評価する試験である。

 試験はペーパー方式で、午前試験I・II、午後試験I・IIの計4つに分かれる。春期(4月)のみの年1回実施。受験料は5100円。

午前試験

 午前試験は、「知識」を問う試験である。午前試験I・IIの2種類がある。

● 午前試験Ⅰ

 午前試験Iは、各高度試験の共通問題である※。各高度資格に必要な、共通知識を問う(技術レベルは応用情報技術者試験の午前試験と同程度)。

※高度試験:ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、情報セキュリティスペシャリスト試験、ITサービスマネージャ試験、システム監査技術者試験


 試験時間は50分、四肢択一の多肢選択式問題。全30問で各3.4点の合計100点満点。

 基準点は60点。基準点に達しない場合、午前II・午後I・午後II試験の採点は行われず、不合格となる。

 免除制度があり、以下の1〜3のいずれかの条件を満たすことによって、その後2年間、午前試験Iの受験を免除する。

  1. 応用情報技術者試験に合格する
  2. いずれかの高度試験に合格する
  3. いずれかの高度試験の午前I試験で基準点以上の成績を得る

 試験は、以下の3分野から出題する。

  • テクノロジ系(基礎理論、コンピュータシステム、技術要素、開発技術)
  • マネジメント系(プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント
  • ストラテジ系(システム戦略、経営戦略、企業と法務)

● 午前試験Ⅱ

 午前試験IIは、システム監査技術者に必要な専門知識が問われる。

 試験時間は40分、四肢択一の多肢選択式問題で、全25問で各4点の合計100点満点。

 基準点は60点。基準点に達しない場合には、午後I・午後II試験の採点は行われず、不合格となる。

 出題範囲は以下の通り。

  • データベース:テクノロジ系の技術要素
  • ネットワーク:テクノロジ系の技術要素
  • セキュリティ:テクノロジ系の技術要素
  • システム開発技術:テクノロジ系の開発技術
  • サービスマネジメント:マネジメント系
  • システム監査:マネジメント系
  • 経営戦略マネジメント:ストラテジ系の経営戦略
  • 企業活動:ストラテジ系の企業と法務
  • 法務:ストラテジ系の企業と法務

 特に、「システム監査」と「法務」は重点分野である。

午後試験

 午後試験は、「技能」を問う試験である。午後I・IIの2種類がある。

 出題範囲はI・II試験共通で、下記の4分野から出題する。

  • 情報システム・組み込みシステム・通信ネットワークに関すること
  • システム監査全般に関すること
  • システム監査の計画・実施・報告に関すること
  • システム監査関連法規に関すること

● 午後試験Ⅰ

 試験時間は90分、記述式。大問4問のうち2問を選択し、解答する。大問1つにつき50点の合計100点満点。基準点の60点に満たない場合は、午後試験IIの採点は行われず、不合格となる。

  大問1つにつき数問の設問が出題され、それぞれ20字〜50字程度で解答する。

● 午後試験Ⅱ

 試験時間は120分、論述式。大問3問のうち1問を選択し、解答する。大問1つにつき数問の設問が出題され、それぞれ700字〜1400字程度で解答する。

 評価方法は以下のとおり。評価ランクがA〜Dまであり、Aを取得すれば合格。

 設問で要求した項目の充足度、論述の具体性、内容の妥当性、論理の一貫性、見識に基づく主張、洞察力・行動力、独創性・先見性、表現力・文章作成能力などを評価の視点として、論述の内容を評価する。

 また、問題冊子で示す「解答に当たっての指示」に従わない場合は、論述の内容にかかわらず、その程度によって評価を下げることがある。

合格率

 例年、13〜14%前後である。

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