いまなら無料! Unityで始めるiPhoneゲーム作成“超”入門現場が教えるUnityで実践iPhoneゲーム制作(1)(3/3 ページ)

» 2012年04月04日 00時00分 公開
[布浦弓株式会社クスール]
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親子関係を作って、カメラをモデルの周りに回転させる

 Unityでは、FlashのMovieClipのようにオブジェクト同士を入れ子にして扱いやすくすることができます。これを使って、カメラがモデルの周りを回転するように動く仕組みを作ります。

 今回カメラを回転させるとき、先ほどのようにカメラをその場で回転させてしまうと3Dモデルが視界から外れてしまいます。回転の基点を3Dモデルの位置(0,1,0)にするには、空のゲームオブジェクトを作って、カメラをそのオブジェクトの子として配置し、そのゲームオブジェクトごと回転させます。

 カメラをその場で回転させてしまうと、3Dモデルがフレームアウトしてしまいます。

[Scene]ウィンドウに表示されているのは、現在の状態を真上から見た図 [Scene]ウィンドウに表示されているのは、現在の状態を真上から見た図

 カメラの親となるオブジェクトを作り、そのオブジェクトごとに回転させると、任意の位置を基点にカメラが回転する状態を作れます。

3Dモデルをカメラの中心に映したまま、好きな角度からモデルを見ることができる 3Dモデルをカメラの中心に映したまま、好きな角度からモデルを見ることができる

 親子関係を作っていきましょう。まず、メニューから[GameObject]→[Create Empty]を選択します。できたGameObjectに分かりやすいように名前を付けます。今回は「Camera Set」と名付けます(【1】)。

 Camera Setの位置を(0, 1, 0)(3Dモデルと同じ位置)に移動させます(【2】)。[Main Camera]を「Camera Set」にドラッグ&ドロップします。

親子関係の設定 親子関係の設定

 もう一度再生して、今度はCamera Setを回転させてみてください。モデルを基点に、カメラがその周りを回るように動くのが分かると思います。

 3Dオブジェクトの位置や回転をプログラムで変更するとき、基準点を変えたいと思うことが多くあります。そんなときは、このように空のGameObjectを親にして、その親を操作することで、簡単に変更できます(※子として配置したオブジェクトを選択して[Inspector]の座標を確認すると、親から見た相対位置になるので、注意してください)。

iPhoneの傾きをCamera Setの角度として適用

 これで、要素の準備ができました。後は、プログラムを書いてiPhoneの傾きをCamera Setの角度として適用するだけです。

 [Project]ウィンドウで右クリック→[Create]→[Javascript]を選択します(【1】)。ファイルに名前を付けます(今回は「GyroRotate」)(【2】)。

MonoDevelopの起動 MonoDevelopの起動

 [Project]に作成された「GyroRotate」をダブルクリックすると、エディタが起動するので、そこでスクリプトを編集します。

MonoDevelopでファイルを開いた様子 MonoDevelopでファイルを開いた様子

 MonoDevelopはUnityに元から搭載されているソフトウェアです。このMonoDevelopでは最初、文字化けが起こります。次回、MonoDevelopの日本語化にも触れますが、今回はそれほどコードを書かないので割愛します。

 コードは以下のようになります。

#pragma strict
private var myTransform:Transform;
 
//Update(毎フレーム呼ばれるfunction)の直前に呼ばれる
function Start () {
     //Transformコンポーネントを取得     
     myTransform = transform;
}
 
//毎フレーム呼ばれる
function Update () {
     //デバイスの傾きを取得     
     var gyro:Quaternion = Input.gyro.attitude;
     
     //回転の向きの調整     
     gyro.x *= -1.0;
     gyro.y *= -1.0;
     
     //自分の傾きとして適用
     myTransform.localRotation = gyro;
}

 書けたら、Unityの画面に戻ります。その後、「GyroRotate」を「Camera Set」にドラッグ&ドロップする(【1】)と、Camera Setの[Inspector]にコンポーネントとして「Gyro Rotate」が適用されます(【2】)。

「Gyro Rotate」が適用 「Gyro Rotate」が適用

 これで、残るUnity上での作業は書き出しのみです。

いったん休憩! シーンを保存する

 いままでステージ上に配置してきたオブジェクトの情報を保存しておきましょう。

 メニューから[File]→[Save Scene as…]を選択し、「Assets」フォルダ内に保存します(【1】)。[Project]ウィンドウに保存したシーンが表示されます(【2】)。

シーンの保存 シーンの保存

 次回、プロジェクトを開いたとき、このシーンファイルをダブルクリックすると現在のステージの状態が再現されます。

 また、エクスプローラ上では「.unity」という拡張子のファイルとして表示されますが、このファイルをダブルクリックすると、Unityが起動して選んだシーンが自動で表示されます。

次回は、iPhoneアプリとして書き出し!

 次回は、実際にiPhoneアプリとして書き出してサンプルの動作をチェックします。iOSへの書き出しは少し手間が掛かるので、まずはサンプルを触りながら、Unityに慣れてもらえればと思います。

 今回のサンプルは、こちらからダウンロードできます

著者紹介

布浦弓

京都精華大学デザイン学部デジタルクリエイションコース卒。株式会社クスールにエンジニア兼デザイナーとして所属

平日はFlashやUnityを使ったゲームを開発し、週末はUnity講座などの手伝いをしている。最近はiPhoneのゲームを週に1つは買う



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