ネット上で経路情報を交換するときに必要なBGPとはCCNP対策講座 ROUTE編(7)(2/2 ページ)

» 2012年08月12日 00時00分 公開
[齋藤理恵グローバル ナレッジ ネットワーク]
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BGP基本設定

●【1】BGPプロセス起動

(config)#router  bgp  AS番号

 AS番号はルータが所属するローカルのAS番号を設定します。

●【2】ネイバーの設定

(config-router)#neighbor  ネイバーIPアドレス  remote-as  AS番号

 ネイバーIPアドレスを設定し、AS番号はネイバールータが所属するAS番号を指定します。このAS番号と【1】で設定したAS番号を比較することにより、EBGPネイバーかIBGPネイバーか判断できます。

●【3】BGPルートの生成

(config-router)#network  ネットワーク番号  mask サブネットマスク

 BGPルートを生成するコマンドです。IGPsのnetworkコマンドは各プロトコルをインターフェイスで有効にするコマンドでしたが、BGPのnetworkコマンドはインターフェイスでBGPを有効にするのではなく、BGPルートを生成します。そのため、あらかじめルーティングテーブルに完全一致のルート情報が必要です(IGPsやスタティックルートなどでルートを学習していることが前提です)。

 サブネットマスクも含めて完全一致のルート情報がルーティングテーブルにあるとBGPルートが生成され、BGPテーブルに格納されます。その後、BGPテーブルの中からベストパス選択アルゴリズムに従い1つのベストパスが選択され、ベストパスのみがアドバタイズされます。

図3 BGPのnetworkコマンド 図3 BGPのnetworkコマンド

 図3では、ISPAとISPBのルータは異なるASに属しているためEBGPネイバーです。ISPA内のルータでBGPルートを生成するため、networkコマンドを設定しています。あらかじめOSPFで192.168.2.0/24のルートを学習しています。サブネットマスクも含めて完全一致のルート情報があるため、BGPルートが生成されBGPテーブルにコピーされています。

 BGPテーブル内に同じ宛先に対して複数のルートが存在している場合には、ベストパス選択アルゴリズムに従って1つのベストパスが決定されます。その後、ベストパスのみがネイバールータにアドバタイズされます。ベストパス選択プロセスについては次回解説します。

●【4】BGP確認コマンド

#show ip bgp summary

 ネイバーの要約情報を表示します。

#show ip bgp neighbor ネイバーIPアドレス

 ネイバーの詳細情報を表示します。

#show ip bgp

 BGPテーブルを表示します。

確認問題1

  • 問題

 BGPの基本設定コマンドとして適切なものを3つ選びなさい。

a.router bgp リモートAS番号
b.neighbor ネイバーIPアドレス remote-as ローカルAS番号
c.router bgp ローカルAS番号
d.neighbor ネイバーIPアドレス remote-as リモートAS番号
e.network ネットワーク番号 mask サブネットマスク
d.network ネットワーク番号 サブネットマスク

  • 正解

 c・d・e

  • 解説

 正解はc・d・eです。プロセスを起動するには、「router bgp ローカルAS番号」を入力します。ネイバールータを指定するには、「neighbor ネイバーIPアドレス remote-as リモートAS番号」を入力します。BGPルートを生成するには、「network ネットワーク番号 mask サブネットマスク」が必要です。サブネットマスクも含めて完全一致のルートが必要です。

筆者紹介

グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部

齋藤理恵(さいとうりえ)

Cisco認定トレーナー。トレーナー歴は11年。マイクロソフト、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズなどIT業界でトレーナーとして活動。現在は、グローバル ナレッジ ネットワークで、Cisco認定トレーニングコース(CCNA、CCNP)、ネットワーク系オリジナルコースを中心に講師を担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら



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