連載
» 2012年08月23日 00時00分 UPDATE

Windows 8レボリューション:第1回 Windows 8製品版の概要 (1/3)

ついに完成した次期Windows OS。タッチ操作を強く意識した新UIを持つWindows 8はどれだけ革新的か? まずはエディション構成と、ユーザー・インターフェイスとインストールの概要から解説。

[打越浩幸,デジタルアドバンテージ]
Windows 8レボリューション
Windows Server Insider


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連載目次

 Windows 8のベータ版を扱った以前の連載記事で述べたとおり、Windows 8の最終的な製品版であるRTM版が完成し、すでに8月中旬からIT Pro/開発者向けに、TechNetやMSDNサブスクリプションなどのサイトで配布が開始されている(一般向けのパッケージ販売やプレインストールPCでの販売はまだ先の、2012年10月26日からである)。今回から始まるこの新連載では、Windows 8のRTM版をベースにして、新たにWindows 8の機能を最初から紹介していく。以前のベータ版の連載記事とも内容が重複する場合があるが、あらかじめご了承いただきたい。

 今回はWindows 8 RTM版の概要として、エディションやユーザー・インターフェイス、インストールについて解説する。なお、Server 2012についても、RTM版がリリースされ次第、新連載の解説記事を始める予定である(2012年9月初旬開始予定)。

wi-win801.jpg Windows 8のデスクトップ画面
これは製品版のWindows 8 Enterpriseのデスクトップ画面の例。最終的なベータ版であったRP(Release Preview)版とほぼ同じように見える。


※「Metroアプリ」という呼称について

 本連載では、Windows 8のWindows Runtime環境で利用できる新しいWindowsアプリケーションの形態を「Metroアプリ」とか「Metroスタイル・アプリ」、そのデザインやユーザー・インターフェイスを「Metroデザイン」「Metroスタイル」「Metro画面」「Metroユーザー・インターフェイス」などと記述しているが、この「Metro」という呼称が今後変更される可能性がある。Metroという名称が、あるヨーロッパの大手流通企業グループ名とバッティングし、商標権などに関わる問題が発生したためのようである。現在のところ、新しい呼称をどうするかという公式な発表がないため、本連載では当面の間はMetroという名称を使用し、正式発表後に記述を訂正するので、あらかじめご了承願いたい。なおマイクロソフトの開発者向けサイトなどでは、一部で「Windows 8 style app」「Windows 8 app」などという表記に変更しているし(例:MSDNサイトの「Developing a Windows 8 Style App」)、Visual Studio 2012などでは「Windowsストア アプリ」と表記しているが、これらが最終的な名称になるかどうかは不明である。


Windows 8のエディションについて

 最初にWindows 8の製品エディション構成についてまとめておこう。以前の連載でもお伝えしたとおり(Windows 8プレビュー連載第8回「Windows 8の製品エディション構成」)、Windows 7と比較して、Windows 8では製品の構成が大幅に整理され、以下の4つに集約された。

エディション 用途
Windows 8 Windows 8の下位エディション。Windows 7のWindows Home BasicやHome Premiumに相当。Active Directoryへの参加機能やグループ・ポリシー、Hyper-V機能がないなど、一般家庭やActive DirectoryドメインのないSOHO/中小企業向け。エディション名は特にないが、ライセンス表示ダイアログなどでは「Windows, Core edition」と表記されている
Windows 8 Pro 企業向けの一部機能を除くWindows 8の全機能が利用できるエディション。企業や上級ユーザー向け。Windows 7のProfessional /Ultimateに相当
Windows 8 Enterprise 企業向けのエディション。Windows 8 Proに対して、リモート・アクセスやVDI、モバイル機能などをさらに強化している
Windows RT ARMアーキテクチャのプレインストールPCやタブレットPC向け。以前は「Windows 8 WOA(Windows on ARM)」と呼ばれていた
Windows 8のエディション構成
Windows 8の基本的なエディション構成。パッケージ販売のほか、ソフトウェア・アシュアランスやボリューム・ライセンスなどでも提供される。

 各エディションごとの主要な機能は次の通りである。

機能名 Windows 8 Windows 8 Pro Windows 8 Enterprise Windows RT
アップグレード・パス
Windows 7 Starter/Home Basic/Home Premiumエディションからのアップグレード(Home Basicは日本では未発売)
Windows 7 Professional/Ultimateエディションからのアップグレード
同梱ソフトウェア/互換性
アプリケーション(メール、People、メッセージング、カレンダー、フォト、ファイナンス、天気、ストア、地図、SkyDrive、スポーツ、ニュース、Bing、トラベル、ゲーム、カメラ、ミュージック、ビデオ、リーダ)
Microsoft Office 2013(Word、Excel、PowerPoint、OneNote)
Internet Explorer 10
Windowsエクスプローラ
Windows Media Player(DVD再生は不可)
x86/x64のデスクトップ・ソフトウェアのインストール
オンライン・サービスとの連携
Windowsストア(Metroスタイル・アプリケーションのオンライン販売サイト)
Microsoftアカウント(Windows Liveアカウントを使ったユーザー環境管理)
ユーザー・インターフェイス
デスクトップ(Metroスタート画面ではなく、エクスプローラなどが利用できる従来のデスクトップ画面)
スタート画面、セマンティック・ズーム、ライブ・タイル
スナップ
タッチとサムキーボード
洗練されたマルチディスプレイ・サポート
従来機能の強化
Connected Standby(スタンバイ時でもカーネルなど一部コンポーネントが動作したままとなり、アプリケーションの実行や通信などが可能となる機能)
拡張されたタスク・マネージャ(より高機能なタスク・マネージャ)
記憶域(ディスクの仮想化機能)
ISO/VHDファイルのマウント
クライアントHyper-V
モバイル・ブロードバンド機能
Play To(リモート再生)
管理・運用・障害対策
PCのリセット/リフレッシュ(障害発生時にPCの状態を元へ戻す機能)
ファイル履歴(障害に備えてファイルの履歴をバックアップしておく機能)
セキュリティ
Windows Defender
SmartScreen
Windows Update
ピクチャ・パスワード(写真や絵を使ったパスワード)
デバイス暗号化
BitLocker/BitLocker To Go(デバイス全体を暗号化する機能)
暗号化ファイル・システム
トラスティッド・ブート(信頼できないコードのブート実行を禁止する機能)
企業や上級ユーザー向けの機能
Windows To Go(リムーバブル・デバイス上にWindows 8をインストールして起動する機能)
VHDブート(VHDファイル上にWindows OSをインストールする機能)
リモート・デスクトップ(クライアント機能)
リモート・デスクトップ(ホスト機能)
ドメイン参加機能
グループ・ポリシー
Exchange ActiveSync(Exchange Serverのメールや予定表などをリモートで同期する機能)
言語(言語パック)のオンラインでの切り替え
VPNクライアント
DirectAccess(VPNサーバを使わずに社内PCへアクセスする機能)
BranchCache(リモートのファイルをローカルのネットワーク上にキャッシュする機能)
AppLocker(許可されないアプリケーションの実行を禁止する機能)
VDI機能強化(リモート・デスクトップ経由でUSBデバイスやRemoteFXによる3D描画を利用する機能)
Windows 8 App Deployment(企業内ネットワークを使ってWindows 8のMetroアプリケーションなどを配布する機能)
Windows 8のエディション別機能
この表はWindows 8 Blogサイト「Announcing the Windows 8 Editions」[英語]からの引用に、Enterpriseエディションの機能を追加して作成している。最終的な公式の仕様はまだ発表されていないため、実際の製品とは異なる場合があることをご了承願いたい。例えば表中では「VHDブート」は最下位のエディションでは利用不可としているが、手元で試した限りでは可能であった。

利用できるWindows機能の一覧

 参考までに、コントロール・パネルで設定できる「Windowsの機能」の設定ダイアログを次に示しておく。Windows OSの主要な機能はこのダイアログで追加/削除できるが、下位エディションではActive DirectoryやHyper-V関連の機能が利用できないなど、機能が制限されていることがよく分かる。

wi-feature01.gif 「Windowsの機能」ダイアログ
これはWindows 8 Enterpriseエディションの「Windowsの機能」ダイアログ。下位エディションではいくらか機能が制限される。
  (1)Windows 8 Proでは、(1)の印を付けた2つが利用できない(この項目そのものが存在しない)。「NFS用サービス」はNFSプロトコルを使ったファイル共有サービスのクライアント機能。「UNIX ベース アプリケーション用サブシステム」とは、POSIXアプリケーションのサポート機能。SUAともいう(TIPS「UNIX互換環境を実現するSUAを利用する」参照)。「非推奨」と書いてあるのは、Windows OSの将来のバージョンでは、この機能は利用できなくなる(機能が削除される)という意味。
  (2)Window 8の無印エディション(一番下位のエディション)では、(2)の印を付けた6つが利用できない(これらの項目そのものが存在しない)。

 それぞれの機能については今後の連載で詳しく解説していく。

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