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» 2012年10月18日 23時19分 UPDATE

シトリックスCEOがシスコとのパートナーシップを説明:シスコとは望遠鏡の両側から同じ景色を見ている

[大津心,@IT]

 米シトリックスは10月17日(現地時間)、スペイン・バルセロナで「Citrix Synergy 2012 Barcelona」を開幕した。同イベントでCEOのマーク・テンプルトン(Mark Templeton)氏にインタビューする機会を得たので紹介したい。

シスコとは同じ景色を見ている

テンプルトン氏写真 インタビューに答えるマーク・テンプルトン氏

 テンプルトン氏はまず、シスコとのパートナーシップについて言及。「シスコとのパートナーシップは、デスクトップ仮想化で成功した点を土台として強化しており、将来のビジョンも非常に一致している。ネットワーキングとクラウド強化が共通したビジョンだ。将来のデータセンターは自動的に最適化されて実現するものになるだろう。そういう意味で、当社とシスコは、望遠鏡のこっちと向こう側で同じものを見ているようなものだ。シスコはネットワーク側、シトリックスはエンドユーザー側から見ている。そのくらい同じものを見ている」と語り、両社のビジョンが似ている点を強調。さらに、同氏はシスコがL1〜3部分を担当し、シトリックスがL4〜7を担当するため、非常に良いバランスで補完関係ができていると説明した。

 また、ライバルであるVMwareに対するシトリックスの優位性については、「デスクトップ仮想化分野では、当社がリーダーだ。そのほかの分野では真っ向から勝負するわけではなく、差別化を図っていく。ネットワーク仮想化では、当社はL4〜7を対象にして差別化を図る。また、クラウドプラットフォームではオープンソースを推奨する当社と、サーバ仮想化スタイルのクラウドを推奨するVMwareとでは大きく方向性が異なっているだろう」とコメントした。

今後もパートナーシップを強化。デスクトップ仮想化の割合は減る見込み

 また、シスコ以外のパートナーシップ戦略についても触れ、「当社は、マイクロソフトやHPなどともパートナーシップを結んでいる。このパートナーシップの形こそがVMwareとの差別化ポイントだ。VMwareはストレージ、ネットワーク、仮想化、アプリを垂直統合するモデル。当社はEnd to Endの水平展開型だ。だからこそ、よりパートナー戦略が重要になっている」と強調した。

 このようにパートナー戦略を重視する同社だが、売上面でも変化が表れてきている。「昨年の当社の売上高は、58%がデスクトップ仮想化、20%がクラウドネットワーク関連、22%がデータシェアリングとソーシャルコラボレーションだった。近年デスクトップ仮想化自体の売上も好調だが、さらにそのほかの売上が好調なため、それらの売上比率が増えており、2015年には割合が半分以下になるのでないかと推測している。GoToMeetingやPodioは競合にはない当社の強い武器。今後もこれらに注力し、差別化を図っていきたい」と今後の戦略を語った。

すべての業務がモバイルワークになるわけではない

 モバイルワークスタイルを提唱し、推進しているテンプルトン氏だが、オフィスを完全になくし、すべて在宅勤務になるとは考えていないという。

 「当社は、コーヒーショップでも問題なく仕事が行えるような環境を提供し続けていくが、例えばクリエイティブに物を作ったり、開発業務に携わるエンジニアなどは、モバイルワークだけではなく、やはり顔を合わせて仕事した方が良いケースもある。ただし、会社に来たとしても固定席を設けず、フリーアドレスを中心とすることでスペースを有効活用することは重要だ」

オープンソースへは引き続き投資していく

 CloudStackをオープンソース化するなど、オープンソースへ積極的に取り組んでいる同社だが、テンプルトン氏は企業のオープンソース重視の流れは、それほど懸念していないと言う。その理由として、「RedHatを見てみれば分かりやすいだろう。RedHatはオープンソースをパッケージ化して有償販売しているが、ユーザー企業はパッケージやサーポート体制、アップグレードに十分価値を見い出し、投資をしている。商用版にきちんと付加価値があれば、企業はきちんとそれに見合った投資をしてくれるはずだからだ。従って、今後もやみくもにユーザー企業がオープンソースばかりを導入していくとは考えていないので、これからもオープンソースコミュニティへの投資を減らすつもりはない」と答えた。

 また、オープンソースの事例として、OpenStackとCloudStackの関係を持ち出し、「クラウドオーケストレーション市場において、市場シェアを測定するのは難しいが、本番環境ではCloudStackの方が使われている。テスト環境では、OpenStackの方が多いかもしれないが、最終的に本番環境用に発注するのはCloudStackの方だ。やはり、その背景には企業ユーザーのサポートなどへのリスク分散などの意義などもあるだろう。そして、開発者も当然、顧客やお金のあるところをフォローしていく。この循環があるため、当社としてはそれほど懸念していない」と説明した。

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