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» 2012年11月28日 17時47分 UPDATE

Database Expertイベントレポート:Oracle CloudはOracle DBAな技術者に浸透するか

Oracle系システムに関わる技術者が集まるイベント「Oracle DBA & Developer Day 2012」が開催された。イベントではもちろんOracle CloudとOracle Database 12cのトピックも登場。ヒチワ氏自ら、日本の技術者に向けてOracle Cloudのデモを行った。

[加山恵美,@IT]

 11月20日、日本オラクルは「Oracle DBA & Developer Day 2012」を開催した。基調講演ではオラクル・コーポレーション ソフトウェア開発担当 バイスプレジデント マイケル・ヒチワ(Michael Hichiwa)氏(写真)が登壇した。

 ヒチワ氏はオラクルの在籍期間が長く、いまでも自らプログラミングするほどの根っからの技術者。APEXの開発にも関わった人物だ。講演では、日本の開発者に向けてあらためてOracle Cloudの紹介や2013年中に提供予定のOracle Database 12c(以下、12c)について展望を語った。

 Oracle Cloudは、オラクルが進めているクラウドサービスの総称だ。Oracle Cloud内には、インフラ環境、アプリケーションやデータベースサービスを提供するプラットフォーム環境と、複数レイヤのサービスが含まれている。米国を中心にサービス展開が進んでおり、日本国内でも一部サービスが提供されている。なお、2012年10月に米国で開催されたOralce Open World 2012でも、新たに分析アプリケーションなどの提供がアナウンスされている(関連記事1関連記事2)。

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 オラクルは目下、Oracle Cloudサービス拡大に向けてデータセンターをグローバルに展開するなど着々と準備を進めている。現時点で、同サービスで選択できるデータセンターはUSとEMEA(欧州・中東およびアフリカ地域を指す)のみだが、今後、日本にもデータセンターを設置する予定だとしている。

 データベース系の開発者が集まるイベントとあって、講演はOracle Cloudの中でも、データベースサービス「DB Services」の具体的な使い方を紹介する内容となった。

 DB Servicesの料金体系はデータの規模に応じて3コースとなっており、1カ月単位で利用できる。

80% コース 月額料金 ストレージ容量 転送容量
Database S5 175ドル 5GB 30GB
Database S20 900ドル 20GB 120GB
Database S50 2000ドル 50GB 300GB
Oracle Cloudの料金体系、価格は全て米ドル

 クラウド上のデータベースへのアクセス方法は4通り用意されている。JDBC経由のアクセスとなるOracle Java Cloudサービス(要追加料金)、Oracle Application Express(APEX)、REST API、SQL Developerだ。

 ヒチワ氏は講演で実際のOracle Cloudサービスの利用デモを示した。

 まずは必要事項とクレジットカード番号(課金されないが本人確認などで使用)を記入し、利用許諾に同意すれば、サイトにログインできるようになる。ログインしたらドメイン名やデータセンターを選べばサービス利用開始となる。

 サイトではWebブラウザベースのGUI開発環境となるOracle Application Express(APEX)が提供されている。このため、Webブラウザさえあればデータベースの開発が可能となる。例えばExcelのシートからデータベースを作成することも可能だ。必要な範囲を選択してコピーし、APEXにペーストして名前を付ければいい。

 RDBのデータなら、SQL Developerから該当のテーブルを「cart」にドラッグする。その後はウイルススキャンや圧縮などを経てデータが取り込まれる。

 このように、非常に簡単な操作でクラウド環境上にデータベースインスタンスを置くことができるのが分かる。

 Oracle Cloudに関しては、直近ではEngine Yardへの出資が話題となっている(関連記事。既存データベース環境や技術の移植はもちろんだが、Java以外の言語を採用したアプリケーション開発環境をOracle Cloudの中で実現しようとしている可能性があり、今後の動向が注目される。

 一方の12cでは、「コンテナ」概念の導入に見られるようにクラウド環境で使うことを強く意識して機能を強化している。クラウドインフラをベースに、データベースインスタンスを仮想的にドラッグアンドドロップで操作したり、あるいはインスタンスを簡単に立ち上げることができる。マルチテナントに対応していることから、コンテナ上で、複数テナントを切り分けてデータベースを置いておきながら、コンテナとして一括で管理することも可能だ。

 リソースの柔軟な活用でもメリットがある。あくまでもオラクルが実施したベンチマークではあるが、50のデータベースシステムを運用する場合、データベースごとに個別のメモリを割り当てて運用する場合と比較して6分の1のメモリに抑制できるとしている。

 12cについては、下記記事でも言及しているので併せて参照してほしい。

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