いまこそ、乱立し煩雑化した仮想化環境をまとめる“統合仮想インフラ”が必要に永年の協業で培ってきた「新Hyper-VとPRIMERGYの検証実績とノウハウ」でサポート

多くの企業が導入している仮想化だが、現状その多くが部門ごとに運用しており、全社レベルでの全体最適化にはほど遠い状況だ。そこで富士通は、最新の仮想化技術を駆使して、全社レベルで仮想化基盤を統合する「統合仮想インフラ」という考え方を提唱している。その統合仮想インフラの中核となるのが同社のPCサーバ「PRIMERGY(プライマジー)」と最新OS「Windows Server 2012」の組み合わせだ。

» 2012年11月30日 10時00分 公開
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運用効率化のための仮想化導入が逆に運用を複雑に

 サーバ仮想化は、今や企業のシステム基盤を構築する上で、ごく当たり前の技術となった。ノークリサーチの調査「2012年版 中堅・中小企業におけるサーバ環境の実態と展望レポート」によれば、調査対象企業の約半数が既にサーバ仮想化を導入しており、今後さらにその割合は増え続けていくことが予想されている。

 サーバ仮想化を導入することで得られる第一のメリットは、言うまでもなくサーバ集約によるコスト削減だ。しかし、忘れてはならない仮想化のもう1つの大きなメリットは、“保守・運用管理の効率化”とそれによるコスト削減にある。ただし、この点については残念ながら、まだ多くの企業がそのメリットを十分に享受できていないのが現状だ。富士通で仮想化ビジネスを率いる立場にある、同社 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 統括部長 葛西康人(葛は日の下が『匂』)氏は、次のように語る。

葛西氏写真 富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 統括部長 葛西康人氏

 「ユーザーは、サーバを仮想化・集約してその管理を一元化することで、作業の効率化やリソース配分の最適化、維持コストの削減など、保守・運用管理の効率化とコスト削減を期待している。しかし実態は、逆に運用管理作業が煩雑化してしまったり、システムの可用性に不安を抱えることになってしまうケースが多い」

 このような事態に陥ることを避けるためには、仮想化を導入する前に、あらかじめ運用が煩雑化してしまう要因を想定しておき、その対策を検討しておく必要があると同氏は指摘する。例えば、仮想サーバが無秩序に乱立しないよう、あらかじめ運用ルールを定めたり、仮想化環境に適したバックアップ手法を検討するといった取り組みが必要になる。また、サーバ以外のシステム要素、例えばストレージやネットワークに関しても、仮想化環境に特有の管理性や冗長性を考慮した構成をあらかじめ検討しておく必要がある。

 こうした個別の技術要素の検討に加え、システム全体のアーキテクチャも、仮想化のメリットをより引き出し、かつ効率的な運用管理が可能な形を目指す必要がある。こうしたアーキテクチャを考える際のキーワードとして、同氏は「全体最適化」を挙げる。

 「多くの企業では、仮想化の導入は部門ごとに行われており、部門単位でのリソース運用の最適化はある程度進んでいるものの、全社レベルでの全体最適化にまでは至っていない。これではどうしても、仮想化が本来持っているはずの運用効率化のメリットを十分に引き出すことができない」

富士通が提唱する「統合仮想インフラ」を支えるHyper-V

 そこで富士通が提唱しているのが、最新の仮想化技術を駆使して、全社レベルで仮想化基盤を統合する「統合仮想インフラ」という考え方だ。部門間を横断して、全社レベルでハードウェアリソースを統合管理することで、仮想化の運用メリットを最大化しようというソリューションである。

統合仮想インフラ 富士通が提唱する統合仮想インフラのイメージ図。業務とインフラを分離することで業務に影響を与えずに効率化を図れる

 ちなみに同社では、この統合仮想インフラを実現する上でポイントとなる要素技術を、5つに分類している。1つ目が「プール化」。ITリソースを仮想化し、プール化することでリソースの無駄を省き、IT投資の最適化を図る。2つ目の要素が「自動配置」。リソースが必要になったときに、プール内でサーバやストレージリソースの使用率を判断しながら、仮想マシンを最適に配置する技術だ。

 さらに3つ目の要素「枯渇監視」の技術によってリソース不足を自動的に検知するとともに、これに4つ目の要素である「優先制御」の技術を併せることで、例えリソース不足が発生したとしても、優先度の高いアプリケーションに自動的にリソースを多く割り振り、安定動作を担保しておくことも重要だ。

 そして、5つ目の要素技術が「災害対策」だ。仮想マシンのコピーを取得し、遠隔地に保管しておくことで、仮想化ならではのコストを抑えたシンプルな災害対策システムを構築できる。

 富士通はこれまで、これら5つのポイントを的確に押さえた統合仮想インフラのソリューションを顧客企業に提供してきたが、このほどこれを実現する上で強力な武器となる製品が登場した。それが、マイクロソフトから2012年9月にリリースされた新サーバOS製品「Windows Server 2012」と、これに搭載されるハイパーバイザソフトウェア「Hyper-V」だ。

 実は富士通は、マイクロソフト製品を使った仮想化ソリューションの分野では、国内屈指のベンダとして知られる。これまでも、Windows Server 2008 R2とHyper-V 2.0を使った仮想化ソリューションを広く展開しており、マイクロソフトとの密接なパートナーシップを背景にさまざまな取り組みを進めてきた。

 例えば、マイクロソフトと共同で、2008年5月に他社に先駆け、「富士通 Hyper-V仮想化センター」を設立。Hyper-V関連のマイクロソフト認定資格を持った技術者を700人以上社内に揃え、お客さまへのソリューション提案、検証等における技術支援を行っている。さらには、米国のマイクロソフト本社に技術者を派遣したり、あるいはマイクロソフトと定期的にHyper-V技術に関する情報交換を行うなどの活動を長期に渡って展開している。

 このように、Hyper-Vに関しては国内屈指の技術ノウハウと実績を持つ富士通だが、そんな同社にとっても今回マイクロソフトからリリースされたWindows Server 2012と新しいHyper-Vは、「統合仮想インフラを実現する上で、まさに『待ち望んでいた』製品だ」(葛西氏)と言う。

新Hyper-Vの登場で統合仮想インフラがさらに身近に

 Windows Server 2012に搭載された「新しいHyper-V」(以下、新Hyper-V)は、前バージョンのHyper-V 2.0から飛躍的な進化を遂げている。例えばスケーラビリティの面では、クラスタ上で搭載できる仮想マシンの最大数が8000に、最大ノード数は16から64へと大きく増えている。また、一台の仮想マシンに割り当てられる最大リソース数も、プロセッサ数が4から64へ、メモリが64Gバイトから1Tバイトへと大幅に拡張された。こうしたスケーラビリティの向上は、先に説明した「全社レベルでのリソースのプール化」を実現する上では、極めて有利な条件となる。

 また、統合仮想インフラのその他の要素技術、例えば優先制御に関しても、新Hyper-Vが実装する「Hyper-V QoS(Quality of Service)」機能を使えば、仮想NIC単位で帯域制御を行えるため、きめ細かなQoS制御が可能になる。葛西氏も、この新たなQoS制御機能には大きな期待を寄せていると言う。

葛西氏写真

 「弊社では、新Hyper-Vをプレビュー版の段階から長い時間をかけて入念に評価し、このQoS制御機能が安定動作することを既に確認している。ただし、これを有効活用するには設定や運用でそれなりのコツが必要なので、“検証の結果われわれが得た技術ノウハウ”をホワイトペーパーにまとめ、広く公開している」

 また、新Hyper-Vで新たに加わった仮想マシンのレプリケーション機能「Hyper-V レプリカ」も、統合仮想インフラにおける災害対策を実現する上では、極めて大きな武器になると言う。

 「Hyper-V レプリカの機能を活用すれば、高価なストレージ製品やソフトウェア製品を導入せずとも、ある程度のレベルの災害対策を簡単かつ低コストで実現できる。高価なストレージ製品を導入するのが困難な中堅・中小企業で災害対策を実現するためには、まさにうってつけだ」(同氏)

 同社の顧客企業の中には、実際にHyper-V レプリカを使った災害対策システムの構築を始めているところも出てきていると言う。

 さらには、Windows Server 2012に先立ち、2012年4月にリリースされたシステム管理製品「System Center Virtual Machine Manager 2012」(以下、SCVMM 2012)には、ディスクI/OやネットワークI/Oのリソース負荷状況を監視できる機能が新たに加わった。これにより、先に挙げた統合仮想インフラの要素技術の1つである「枯渇監視」を、より効率的に行うことが可能になった。

 このように、新Hyper-Vなどに加わったさまざまな新機能はどれも、統合仮想インフラの実現を強力に後押しするものばかりだと言える。葛西氏も、同社の仮想化ソリューションにとって、新Hyper-Vの登場が持つ意義を高く評価する。

 「弊社が目指す統合仮想インフラを実現するためには、やはり新Hyper-Vの機能が必要だと考えている。新Hyper-Vは登場したばかりの製品なので、現時点ではまだその導入に慎重な企業も少なくないと思う。しかし、Windows Server 2012のカーネルはWindows Server 2008 R2のものを継承しており、かつ弊社で長期間に渡り実施した検証作業でも『品質は極めて高い』という結果が出ている。従って、仮想化ソリューションを顧客に提案する際には、例えどのような規模やニーズであっても、新Hyper-Vを自信を持って推奨できる」

新Hyper-Vを使った仮想化に最適なサーバ製品「PRIMERGY」

 ただし統合仮想インフラは、OSとハイパーバイザだけで実現できるものでは決してない。システムを構成する各種のハードウェア製品や周辺ソフトウェア製品が、あらかじめ仮想化環境で利用されることを前提として設計されており、かつそれらが適切に組み合わされてこそ、初めて統合仮想インフラは現実味を帯びる。

 その点、富士通が開発・提供する各種ハードウェア製品は、抜かりがない。その代表的なものが、同社のPCサーバ製品「PRIMERGY(プライマジー)」だ。小規模なタワー型からラックマウント型、ブレード型、データセンター向けの大規模製品まで、多彩なラインアップを誇るPRIMERGYにおいて同社ではいち早くWindows Server 2012と新Hyper-Vの動作検証を行い、正式サポートを表明している。

PRIMERGY PRIMERGYシリーズ。ブレードからデータセンタ向けまで幅広いラインナップを用意。いち早くWindows Server 2012と新Hyper-Vの動作検証を実施し、正式サポートを表明している

 またPRIMERGYは、設計当初から仮想化環境での利用を前提としたさまざまな工夫が盛り込まれている。例えば、仮想サーバの集約率を高めるには、物理サーバになるべく多くのメモリを搭載した方が有利だが、この点においてもPRIMERGYは大容量メモリを搭載できるアーキテクチャを採用している。また、サーバの集約率を高めた際の電力消費量を抑えられるよう、優れた省電力性能を備えている。

 またグループ企業の富士通マーケティングからは、ユーザーが仮想化を導入する際に掛かる手間を極力少なくできるよう、あらかじめHyper-Vをインストール・セットアップした状態でPRIMERGYを提供する「AZBOX(アズボックス) Hyper-Vモデル」というソリューションも提供している。

 「AZBOX Hyper-Vモデルでは、ユーザーが業務アプリケーションをサーバに導入する際にも、仮想マシン環境にOSとミドルウェア、アプリケーションをセットアップした形で提供する。そのため、仮想環境でアプリケーションを稼働させるまでの作業を最小限に留めることができる」(葛西氏)

 またサーバ製品だけでなく、ストレージ製品やネットワーク製品においても、仮想化環境での運用性を高めるためのさまざまな機能が搭載されている。例えば、同社のストレージ製品「ETERNUS(エターナス)」はストレージ仮想化機能を備え、かつSMI-S標準にも準拠しているため、ストレージリソースのプール化を容易に実現できるようになっている。

 さらには、同社が提供する運用管理ソフトウェア製品「ServerView Resource Orchestrator(サーバビュー・リソース・オーケストレーター)」を使えば、Hyper-VやSCVMMだけでは実現できない、統合仮想インフラのきめ細かな管理が可能になる。例えば、「この仮想マシンは、必ずこの物理サーバ上で稼働させるようにしたい」「システム障害で仮想マシンが移動しても、復旧後は必ず元のサーバ上に戻せるようにしたい」といった日本のユーザーならではの要求に対しても、ServerView Resource Orchestratorを使えば簡単に応えることができる。

ServerView Resource Orchestrator ServerView Resource Orchestrator V3の機能イメージ。仮想化ソフトだけでは実現できない“日本のユーザーが欲しがるかゆいところに手の届いた”製品だ

 以上で見てきたように、もともと定評のあった富士通の仮想化ソリューションは、Windows Server 2012と新Hyper-Vの登場により、さらに強力なものとなった。同社ではこのほかにも、多種多様なHyper-V関連ソリューションを提供しているので、Hyper-Vによる仮想化の導入を検討する際にはぜひチェックされたい。

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提供:富士通株式会社/日本マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2012年12月29日

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