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» 2015年06月03日 05時00分 UPDATE

特集:外出先からPCを遠隔操作、「Chromeリモートデスクトップ」のお手軽度(2015年6月改訂版) (2/2)

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]
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Chromeリモートデスクトップで接続する

 実際にインターネットを介したChromeリモートデスクトップによるリモートデスクトップ接続を試してみよう。

 まずホスト側のPCにログイン(サインイン)して、Chromeリモートデスクトップを設定済みのGoogle Chromeを起動しておく。ホスト側の設定は、これだけだ。

 次にクライアント側でGoogle Chromeを起動し、[アプリケーション]セクション([アプリ]タブ)の[Chromeリモートデスクトップ]アイコンをクリックする(Googleアカウントでログインしていない場合は、ログインしてから新しいタブを開く)。「マイ パソコン」上には同じGoogleアカウントでログインしていて、リモートデスクトップ接続可能なPC名が一覧表示されるので、ここから接続したいPCをクリックする。PINの入力を求められるので、ホスト側で設定したPINを入力する。

 Chromeリモートデスクトップは前述したようにVPN接続が不要で、インターネットを経由して直接、ホスト側のPCを操作することが可能だ。そのため、接続可能なホスト側のPCの一覧情報は、Googleアカウントを介してクライアント側と共有される。また、リモート接続が有効になっているPCとの接続にPINを用いることで、Googleアカウントが不正使用された際においてもPCの安全が保たれることになる。そのためPINは、なるべく類推しにくい長い数字にしておくことが重要となる。

 PINによる認証が完了すると、Google Chrome上でホスト側とクライアント側がP2Pによって接続され、ホスト側の画面やオーディオ出力がクライアント側に転送され、リモートによる操作が可能になる。Windows OS標準のリモートデスクトップと異なり、ホスト側の画面の解像度がそのまま全て、ローカル側のGoogle Chromeのウィンドウ内に縮小された上で表示される(ホスト側の特定のディスプレイのみ表示するような設定はないようだ)。そのため、ホスト側でマルチディスプレイの拡張画面の表示設定にしていると、画面が極端に縮小されてしまうため、操作がしにくくなる。

 このような場合は、Chromeリモートデスクトップのタイトルバーの一番左のプルダウンメニューを開き、「デスクトップを画面に合わせてサイズ変更する」のチェックを外せば、Google Chromeのウィンドウサイズに合わせたホスト側の画面の一部が「元のサイズ」で表示されるようになる。表示範囲は、スクロールバーで移動できるので、操作したい画面が表示される位置に移動させればよい。

Chromeリモートデスクトップの実行画面 Chromeリモートデスクトップの実行画面
Chromeリモートデスクトップのウィンドウ内にホスト側のデスクトップ画面が表示される。これはリモートのMacのOS Xの画面を、Windows上のChormeで表示しているところ。この画面のように別のOSであっても相互に接続して操作可能だ。
  (1)ホスト側のChromeリモートデスクトップのウィンドウ。
  (2)ホストのPC名がここに表示される。
  (3)プルダウンメニューを開く。
  (4)「デスクトップを画面に合わせてサイズ変更する」のチェックを外せば、Google Chromeのウィンドウサイズに合わせたホスト側の画面の一部が「元のサイズ」で表示されるようになる。
  (5)ホストとの接続を終了する場合は、[切断する]ボタンをクリックする。

 Chromeリモートデスクトップの場合、リモート接続された状態でもホスト側での操作はブロックされない。オーディオ出力も両方から行われるので、ビデオをホスト側で再生し、クライアント側で視聴するような場合、ホスト側のミキサーをミュートにしておくとよい(ホスト側がミュートになっていても、クライアント側のオーディオ出力は行われる)。

 3G携帯電話のデータ通信(テザリング)を利用して、Chromeリモートデスクトップによるリモートデスクトップを試したところ、YouTubeの動画はほんの少し遅延はあるものの、オーディオ出力とともに十分実用的なレベルで再生された。以前からの不具合(?)なのだが、なぜか「_(アンダーバー)」が入力できない。IMEのユーザー辞書に「_(アンダーバー)」を登録しておき、IMEを使って入力するなどの工夫が必要になる。この問題を除けば、リモートでOfficeアプリケーションを利用するといった用途でも、キー入力やマウス操作にストレスを感じることはなかった。

Chromeリモートデスクトップを削除する

 ChromeリモートデスクトップをChromeから削除するには、新しいタブを開き、[アプリケーション]セクションのChromeリモートデスクトップのアイコンを右クリックし、メニューから[Chromeから削除]を選択する。Googleアカウントで拡張機能を同期している場合、同期している全てのChrome上からも自動的に削除されてしまうので注意が必要だ。

Chromeリモートデスクトップを削除する方法 Chromeリモートデスクトップを削除する方法
ChromeリモートデスクトップをChromeから削除するには、[アプリケーション]セクションで[Chromeリモートデスクトップ]アイコンを右クリックし、メニューから[Chromeから削除]を選択すればよい。
  (1)[アプリケーション]セクションを開く。
  (2)[アプリケーション]セクションのChromeリモートデスクトップのアイコンを右クリックしてメニューを表示する。
  (3)[Chromeから削除]を選択する。

 そのGoogle Chrome上からのみ削除したい場合は、[Chromeメニュー]−[Chromeへのログイン]/[<Googleアカウント名>としてログインしています]を選択し、[設定]ページを開き、[同期の詳細設定]ボタンをクリックし、[同期の詳細設定]ダイアログで「拡張機能」のチェックを外して、拡張機能の削除が同期されないようにしておくとよい。

Chromeリモートデスクトップの利用をブロックする

 IT管理者としては、Chromeリモートデスクトップで社外から簡単にリモート接続されてしまうとなると、情報漏えいなどの危険性が気になるだろう。Windows 7/8/8.1の標準アカウントでログオンしている場合でも、Chromeリモートデスクトップのインストールは可能だ。しかし[リモート接続を有効]ボタンをクリックし、PINを設定後、管理者アカウントの入力が求められるため、管理者アカウントが分からないと、Chromeリモートデスクトップのホストに設定できず、そのPCにリモートで接続できない(Chromeリモートデスクトップを使って、他のPCにリモート接続して、操作することは可能)。

 Windows OSの管理者権限をユーザーに与えている場合、Chromeリモートデスクトップをホストに設定できてしまう。Chromeリモートデスクトップによる外部からのリモート接続を制限(拒否)するには、TCPのポート5222番のトラフィックをブロックすればよい。

 また「Google Apps for Business」などのGoogleアカウントを利用している場合は、Google Appsの管理者アカウントで、Chrome Web Storeをオフにすれば、拡張機能のインストール自体を行えなくできる。こうしておけば、Chromeリモートデスクトップの利用もブロックできる。ただしこの場合、個人で取得したGoogleアカウントでログインされてしまうと、Chromeリモートデスクトップのインストールや利用が制限できないので別の対策を考える必要がある。

Chromeリモートデスクトップの可能性とリスク

 このようにChromeリモートデスクトップは、簡単な設定によりインターネットを介したリモートデスクトップ接続が可能になる。Windows、Mac OS、LinuxのいずれのGoogle Chromeでも、リモートデスクトップ接続が可能なので、例えば、サーバー上の仮想マシンにWindows環境を構築し、シンクライアント(Linuxベースのクライアント)で接続して、Windows OSを利用する仮想PC型シンクライアントシステムの構築も可能だ。

 また、iOSやAndroidなどのスマートフォンやタブレット向けにも、Chromeリモートデスクトップのクライアントが提供されており、こうしたデバイスからでもリモート接続が可能となっている。外出先から自分のPCに接続して、メールを確認したり、社内の会議室予約システムを利用したりするといった使い方も可能だ。

 一方で、簡単にインターネットを介したリモートデスクトップ環境が構築できてしまうことから、IT管理者としては、Chromeリモートデスクトップを利用した場合の情報漏えいなどのリスクを検討すべきだろう。

■更新履歴

【2015/06/03】Chromeリモートデスクトップのバージョンアップに合わせて記事内容を更新しました。


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