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» 2018年03月23日 05時00分 公開

Google Chrome完全ガイド:外出先からPCを遠隔操作、「Chromeリモートデスクトップ」入門 (2/2)

[小林章彦,デジタルアドバンテージ]
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Choromeリモートデスクトップのクライアントとして利用を開始する

 [アプリケーション]セクションのChromeリモートデスクトップのアイコンをクリックすると、Chromeリモートデスクトップが別ウィンドウで起動します。Chromeに対して「メールアドレスの表示」や「Chromeリモートデスクトップが可能なパソコンの表示」などのアクセス許可が求められた場合は、[許可する]ボタンをクリックします。

 次の画面の「マイコンピュータ」の[利用を開始]ボタンをクリックすれば、同じGoogleアカウントでログインしているデバイスで、かつChromeリモートデスクトップのリモート接続が有効になっているデバイスの一覧が表示されます。

 このChromeをクライアントとして利用する場合は、ここで「マイコンピュータ」の一覧から接続したいPC名を選択し、ホスト側のPCで設定済みのPINを入力するだけです(他のユーザーと自分のPCの画面を共有する「リモートサポート」の場合、自動生成された12桁のアクセスコードを、共有したいユーザーが入力すると共有セッションが開始されます)。

 クライアントとしてだけ利用するのであれば、ホストに設定する際に必要であった「chromeremotedesktophost.msi」のインストールは不要です。

Chromeリモートデスクトップの画面(1) Chromeリモートデスクトップの画面(1)
Chromeリモートデスクトップを起動すると、初回のみこの画面が表示されます。ここで[利用を開始]ボタンをクリックすると、同じGoogleアカウントでログインしている接続可能なPCの一覧が「マイコンピュータ」に表示されます。
Chromeリモートデスクトップの画面(2) Chromeリモートデスクトップの画面(2)
接続可能なPCの一覧が表示されるので、ここで接続したいPC名をクリックすると、PINの入力が求められます。
Chromeリモートデスクトップの画面(3) Chromeリモートデスクトップの画面(3)
PINの入力が求められるので、ホスト側で設定したPINを入力します。
Chromeリモートデスクトップの画面(4) Chromeリモートデスクトップの画面(4)
リモートデスクトップ接続が確立し、ホストの操作が行えます。

クライアント側の設定を行う

 Chromeリモートデスクトップは前述したようにVPN接続が不要で、インターネットを経由して直接、ホスト側のPCを操作することが可能です。そのため、接続可能なホスト側のPCの一覧情報は、Googleアカウントを介してクライアント側と共有されます。また、リモート接続が有効になっているPCとの接続にPINを用いることで、Googleアカウントが不正使用された際においてもPCの安全が保たれることになります。

 Chrome上から[Chromeリモートデスクトップ]を起動し、「マイコンピュータ」上のPC名をクリック、PINを入力します。PINによる認証が完了すると、Chrome上でホスト側とクライアント側がP2Pによって接続されます。

 ホスト側の画面やオーディオ出力がクライアント側に転送されて、リモートによる操作が可能になります。Windows OS標準のリモートデスクトップと異なり、ホスト側の画面の解像度がそのまま全て、ローカル側のChromeのウィンドウ内に縮小された上で表示されます(解像度が異なる場合)。

 そのため、ホスト側でマルチディスプレイの拡張画面の表示設定にしていると、画面が極端に縮小されてしまうため、操作がしにくくなります。逆にホスト側の解像度が狭く、クライアント側が広い場合は、Chromeリモートデスクトップのウィンドウ内にホスト側の解像度で表示されます。

ホストがマルチディスプレイの場合

 このような場合は、Chromeリモートデスクトップのタイトルバーにある一番左のボタンをクリックし、プルダウンメニューを開き、[ウィンドウに合わせて縮小]のチェックを外せば、Chromeリモートデスクトップのウィンドウサイズに合わせたホスト側の画面の一部が「元のサイズ」で表示されるようになります。

 また[ウィンドウに合わせて縮小]のチェックを入れた状態でも、Chromeリモートデスクトップを全画面表示にすると、ホスト側の画面サイズに合わせて、クライアント側に画面が縮小された状態で、ホスト側の画面が表示されます。ホスト側がマルチディスプレイの場合、ホスト側の1画面(Windows OSの「画面1」に設定されている画面)が縮小された状態で表示されるので、マウスを画面の端に移動することで表示位置をスクロールさせることができます。

ホストがマルチディスプレイの場合の表示 ホストがマルチディスプレイの場合の表示
ホスト側がマルチディスプレイの場合、クライアント側では画面の一部が切り取られて表示されます。

サウンドもリモート側に出力

 Chromeリモートデスクトップの場合、リモート接続された状態でもホスト側での操作はブロックされません。オーディオ出力も両方から行われるので、ビデオをホスト側で再生し、クライアント側で視聴するような場合は、ホスト側のミキサーをミュートにしておくとよいでしょう(ホスト側がミュートになっていても、クライアント側のオーディオ出力は行われます)。

接続を終了する

 Chromeリモートデスクトップの接続を終了する場合、クライアント側で画面中央下側にある[共有を停止]ボタンをクリックするか、画面右上にあるChromeリモートデスクトップの接続バー(タイトルバー)を表示して「×」をクリックします。

 通信状態が悪くなると、マウスやキーボードの反応が悪くなったり、画面が動かなくなったりすることがあります。このような場合も、一度、Chromeリモートデスクトップの接続を終了し、再接続させると、不具合が解消することがあります。

Chromeリモートデスクトップを削除する

 ChromeリモートデスクトップをChromeから削除するには、新しいタブを開き、[アプリケーション]セクションのChromeリモートデスクトップのアイコンを右クリックし、メニューから[Chromeから削除]を選択します。Googleアカウントで拡張機能を同期している場合、同期している全てのChrome上からも自動的に削除されてしまうので注意が必要です。

 そのChrome上からのみ削除したい場合は、[Chromeメニュー]−[Chromeへのログイン]/[<Googleアカウント名>としてログインしています]を選択し、[設定]ページを開き、[同期の詳細設定]ボタンをクリックし、[同期の詳細設定]ダイアログで「拡張機能」のチェックを外して、拡張機能の削除が同期されないようにしておくとよいでしょう。

 ホストに設定している場合は、さらに[コントロールパネル]−[プログラムと機能]を開き、「Chrome Remote Desktop Host」をアンインストールします。

Chromeリモートデスクトップの利用をブロックする

 IT管理者としては、Chromeリモートデスクトップで社外から簡単にリモート接続されてしまうと、情報漏えいなどの危険性が気になるところでしょう。Windows 7/8.1/10の標準アカウントでログオンしている場合でも、Chromeリモートデスクトップのインストールは可能です。

 しかし[リモート接続を有効]ボタンをクリックし、PINを設定後、管理者アカウントの入力が求められるため、管理者アカウントが分からないと、Chromeリモートデスクトップのホストに設定できず、そのPCにリモートで接続できません(Chromeリモートデスクトップを使って、他のPCにリモート接続して、操作することは可能です)。

 一方、Windows OSの管理者権限をユーザーに与えている場合は、Chromeリモートデスクトップをホストに設定できてしまいます。Chromeリモートデスクトップによる外部からのリモート接続を制限(拒否)するには、TCPのポート5222番のトラフィックをブロックしておきます。

 また、「G Suite(旧Google Apps)」のGoogleアカウントを利用している場合は、G Suiteの管理者アカウントでChrome Web Storeをオフにすれば、拡張機能のインストール自体をブロックできます。こうしておけば、Chromeリモートデスクトップの利用も行えないようにできます。ただしこの場合、個人で取得したGoogleアカウントでログインされてしまうと、Chromeリモートデスクトップのインストールや利用が制限できないので、別の対策を考える必要があります。

Chromeリモートデスクトップの可能性とリスク

 このようにChromeリモートデスクトップは、簡単な設定によりインターネットを介したリモートデスクトップ接続が可能になります。Windows、macOS、LinuxのいずれのChromeでも、リモートデスクトップ接続が可能なので、例えばサーバ上の仮想マシンにWindows OS環境を構築し、シンクライアント(Linuxベースのクライアント)で接続して、Windows OSを利用する仮想PC型シンクライアントシステムの構築も仕組み上は可能です。

 また、iOSやAndroidなどのスマートフォンやタブレット向けにも、Chromeリモートデスクトップのクライアントが提供されています。こうしたデバイスからでもリモート接続が可能です。外出先から自分のPCに接続して、メールを確認したり、社内の会議室予約システムを利用したりするといった使い方もできます。ただ、マウスとキーボードがない状態での、操作や入力はかなり制限があります。

 一方で、Chromeで簡単にインターネットを介したリモートデスクトップ環境が構築できてしまうことから、IT管理者としては、Chromeリモートデスクトップを利用した場合の情報漏えいなどのリスクについて十分に検討を行うべきでしょう。

■更新履歴

【2018/03/23】最新の状況に合わせて記事と画面を更新しました。

【2015/06/03】Chromeリモートデスクトップのバージョンアップに合わせて記事内容を更新しました。

【2013/01/30】初版公開


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