ネットワークも「as a Service」で、米Pertinoハードウェアいらずのネットワーク構築を実現

米国のスタートアップ企業Pertinoは2月12日、ルータやVPNゲートウェイといったネットワーク機器を用意しなくても、LANと同等のネットワーク環境をクラウド上に手軽に構築できるNaaS(Network as a Service)を発表した。

» 2013年02月14日 21時19分 公開
[@IT]

 米国のスタートアップ企業Pertinoは2月12日、クラウドベースの新しいネットワークサービスを発表した。仮想ネットワーク技術とSDNを活用することで、ルータやVPNゲートウェイといったネットワーク機器を用意しなくても、LANと同等のネットワーク環境をクラウド上に手軽に構築できるNaaS(Network as a Service)だ。

 元来ネットワーク(正確にはLAN)は、オフィスの中にいるユーザーに、社内アプリケーションやファイルへのアクセスを提供するものとして生まれてきた。その後、リモートオフィスや社外ユーザーも社内リソースにアクセスできるよう、WANやVPNといった技術が生まれて今に至っている。しかしPertinoは、こうした既存のネットワーク技術はあまりに複雑化し過ぎており、高価で、運用管理に多大な負荷がかかっていると指摘する。

 これに対しPertinoの新サービスは、AWSやRackspaceなどのクラウドを基盤に、ネットワーク仮想化技術やSDNを活用することで、ほんの数分でネットワークを構築できるようにする。既存のVPNサービスやWANといったネットワーク機能を、クラウドという外部から提供することで、機器への投資やプランニング、設定に要する時間を省き、シンプルにネットワークを構築できることが特徴という。セキュリティは、AES 256ビット暗号化による金融機関レベルのものを提供する。

 企業ネットワーク内のリソースだけでなく、オフィスの外にいるユーザーやクラウド上のサーバにまたがってネットワークを構築可能なことも特徴だ。同社では、モバイルアクセスやリモートデスクトップ、安全なファイル共有、仮想オフィスなどに利用できると説明している。プロジェクト単位のアドホック的なネットワーク構築も可能だ。

 サービスを利用するには、同社が提供する接続用ソフトウェアをダウンロードし、メールアドレスを使ってサインインするだけでいい。あとは、接続したいユーザー/デバイスに招待状を送ることでネットワークを構築できる。ルータやVPNゲートウェイ、IPアドレスやDNSサーバなどのさまざまなネットワーク設定は不要という。

 当初サポートするプラットフォームはWindows 7とWindows Server 2008 R2で、今四半期中にWindows 8、Windows Server 2012、Mac OS X用のβ版を提供する計画だ。サービスには、3ユーザー(おのおの3デバイス)まで接続可能な無償版と、250ユーザーまでサポートするProfessional版があり、後者の料金は月額10ドルとなっている。

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