Ruby 2.0.0がリリース、大規模化対応の機能などを搭載安定版のメジャーバージョンアップ

生誕20年となる節目を迎えて、プログラミング言語「Ruby」の最新版がリリースされた

» 2013年02月25日 15時26分 公開
[西村賢,@IT]

 Ruby開発チームは2013年2月24日、5年ぶりのメジャーバージョンアップとなる新バージョン「Ruby 2.0.0-p0」をリリースしたことを発表した(リリースノートRubyコミュニティによるRuby2.0.0リリース特集)。また、Rubyは1993年の誕生から数えてちょうど20年目となり、Rubyコミュニティは前日にRuby20周年記念パーティーを開催した。

Rubyプログラマで大学生の現役アイドル池澤あやかさんから花束を受け取ったRubyの生みの親、まつもとゆきひろ氏
Rubyアソシエーションと日本Rubyの会が主催で、東京・品川の楽天でRuby20周年記念パーティーが開催された

 Ruby 2.0.0はRuby2.0系列の最初の安定版リリース。リリースノートによれば、言語コア機能、組み込みライブラリ、デバッグサポートなどに新機能を搭載し、性能改善も図られている。5年前の1.8系から1.9系へのアップデートでは互換性のために移行に若干の時間がかかったが、1.9系から2.0系への移行は「1.8から1.9の移行より苦労しない」(リリースノートより)という。すでに、人気の高いRuby on RailsやtDiaryなどのライブラリで動作が確認されている。間もなくリリースが予定されているRuby on Rails4では、Ruby処理系として1.9以上が必須、推奨環境は2.0となっている。

 言語コア機能で目を引くのはキーワード引数と、クラス拡張の新しい方法である「Module#prepend」の2つ。キーワード引数は多くのオプションを指定してメソッドを呼ぶケースで端的に書く文法をサポートし、Module#prependは従来からRubyにあるミックスインに加え、クラスの振る舞いを柔軟に変更する機能となる。これらは「今後、ますます大規模化、複雑化が予想されるRubyプログラム開発へ備える意図」(Rubyの生みの親のまつもとゆきひろ氏)が含まれているという。

 このほか、組み込みライブラリでは遅延ストリームのサポート、新しい正規表現エンジンの搭載、デバッグサポートとしてDTraceのサポート、トレースAPIの改善、ビットマップマーキングによるGC最適化、メソッドディスパッチなどのVM最適化などを実施。多くのユーザーを抱えるRuby on Railsで起動時間を大幅に短縮する最適化も含まれるなど、パフォーマンスも改善されているという。

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