ノマド・ワーカーのためのVPNクライアント設定入門運用(4/5 ページ)

» 2013年02月27日 12時17分 公開
[小林章彦デジタルアドバンテージ]

iOSのVPNクライアントの設定

 iOSのVPNクライアントは、L2TP/PPTP/IPsecによるVPN接続をサポートしている。メニューの項目名など、iOSのバージョンによって若干異なるものの、基本的な操作方法は同じだ。以下では、iOS 6.1のiPod touchをベースとして解説する。

 VPNの設定は、[ホーム画面]−[設定]−[一般]画面で、[VPN]をタップする。[VPN]画面で[VPN構成を追加...]をタップし、次の[構成を追加]画面で、「L2TP」「PPTP」「IPSec」のいずれかのプロトコルを選択し、サーバなどの設定を行う。

iOSの[設定]−[一般]の画面 iOSの[設定]−[一般]の画面
VPNを設定するには、[ホーム画面]−[設定]−[一般]画面で、[VPN]をタップする。
  (1)[VPN]をタップする。→[E]

[E]

[VPN]の画面 [VPN]の画面
ここで[VPN構成を追加...]をタップすると、VPNの追加が行える。
  (1)[VPN構成を追加...]をタップする。→[F]

[F]

VPNの[構成を追加]画面 VPNの[構成を追加]画面
接続先のトンネリング・プロトコルを選択し、サーバやアカウントなどの情報を入力・設定する。
  (1)トンネリング・プロトコルを選択する。
  (2)サーバやアカウントなどの必要な情報を入力・設定する。PPTPの場合の設定内容については、下表を参照していただきたい。

 PPTPの場合、以下のような設定を行う。

設定項目 設定内容
説明 分かりやすい接続名
サーバ VPNゲートウェイのネットワーク・アドレス。「vpn.example.jp」といったFQDNか、またはIPアドレスで指定する
アカウント 認証に用いるユーザー名。ドメイン名が必要になる場合は、<ユーザー名>@<ドメイン名>で入力する。<ドメイン名>\<ユーザー名>で指定すると認証エラーになるので注意
RSA SecurID RSA SecurIDのオン/オフ。Windows ServerのRRAS機能を利用している場合、通常はオフ
パスワード 認証に用いるパスワード。セキュリティ上、空白にしておき毎回入力するようにする
暗号化レベル 「自動」「最大」「なし」から選択可能。通常は「自動」にしておけばよい
すべての信号を送信 通常は「オン」。ただし接続確立に失敗する場合「オフ」を試してみるとよい
iOSのPPTPの設定

 設定が完了すると、[設定]−[一般]−[VPN]の画面にVPNのエントリ(「説明」に入力した名称)が追加される。この画面の一番上にある「VPN」を[オン]にすると、VPN接続が開始される。VPN接続が確立されると、画面左上の[Wi-Fi]アイコンの隣に[VPN]アイコンが表示されるようになる。

接続中の[VPN]の画面 接続中の[VPN]の画面
設定したVPN接続を開始する場合、この画面の「VPN」を[オン]にすればよい。接続が確立されると、「状況」に接続中の時間が表示され、[Wi-Fi]アイコンの右隣に[VPN]アイコンが表示される。
  (1)設定したVPN接続のエントリ。
  (2)ここを[オン]にするとVPN接続が開始される。切断するときは、[オフ]にすればよい。
  (3)VPN接続中は、[VPN]というアイコンが[Wi-Fi]アイコンの右隣に表示される。

 VPNの構成を行うと、[ホーム画面]−[設定]画面の[Wi-Fi]の下に[VPN]が追加され、ここでオン/オフが可能になる。接続先が複数ある場合、[一般]−[VPN]の画面でVPNの接続先としてチェック(デフォルトの接続先に設定)しているサーバ(VPNゲートウェイ)に接続される。

 このようにiOSでは、Windows 7/8と異なり、トンネリング・プロトコルの選択が必要になる。そのため、接続先のVPNゲートウェイに設定されているトンネリング・プロトコルが何なのか、管理者に確認しておくとよい。ただ、トンネリング・プロトコルが分かっていれば、設定可能な項目は最低限のものなので、設定に悩むことはないだろう。

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