Apache CloudStack開発用クラウド環境の構築CloudStackによるプライベートクラウド構築術(10)(3/3 ページ)

» 2013年03月15日 17時00分 公開
[クリエーションライン株式会社,@IT]
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Apache CloudStackのソースコードを取得する

 Apache CloudStack 4.0.1のソースコードは下記Webサイトからダウンロードできます。

 まずは、4.0.1のソースコードをダウンロードして、ソースコードを眺めることから始めてみましょう。

 ここでは、apache-cloudstack-4.0.1-incubating-src.tar.bz2をダウンロードして展開します。

 Tarballを展開すると、いくつかのディレクトリがあることが分かります。それぞれのディレクトリの意味は下記表の通りです。

ディレクトリ 説明
Agent リモートからリソースを操作するためのコンテナ
Api リソースのAPIやプラグイン、Rest API
awsapi AWS互換
client Tomcatの設定
core リソースをホールドするために使われる。
plugins 異なるプラグイン、
server データベースへのアクセス、ビジネスロジック、オーケストレーション
Ui Web UI
usage 利用レコードを生成するためのコード
Utils CloudStackとは直接関係ないユーティリティのコード

 Apache CloudStackのソースコードはASFがホストするGitリポジトリで管理されています。ASFのプロジェクトは、共通して、通常下記のようなGitリポジトリで管理されています。

http://git-wip-us.apache.org/repos/asf/プロジェクトのリポジトリ名.git

 Apache CloudStackの場合、インキュベーション段階ですのでプロジェクトの「リポジトリ名.git」の部分は、「incubator-cloudstack.git」となっています。

 ソースコードを入手するには、Cygwinを立ち上げ、gitコマンドを使って最新ソースコードをリポジトリからダウンロードします。Cygwin Terminalから次のコマンドを実行します。

git clone https://git-wip-us.apache.org/repos/asf/incubator-cloudstack.git

 Apache CloudStackのソースコードを参照する場合は、あらかじめGitそのものへの理解が必要です。

 分からない場合はid:cz75hiro氏の「GitExtensionで学ぶgit入門」。 to_ueda氏によるスライド「15分でわかるGit入門」、ヌーラボの解説「サルでもわかるGit入門」などの参考資料を参照してください。初心者でWindowsユーザーの場合なら、GitExtensionというツールを使うと分かりやすいでしょう。

Gitリポジトリを使った開発の流れ



 ここまでで、開発環境の下準備が用意できました。次回は、この環境を使ってソースコードの変更や、Apache CloudStackのバグ・トラッキング・システムである「JIRA」を使ったバグ修正の流れ、ビルドの手順などを紹介していきます。

筆者紹介

執筆者

クリエーションライン株式会社

本連載執筆は、以下の方々の共同執筆となっております。

共同執筆者

シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 マーケティング本部 北瀬公彦

クリエーションライン株式会社 シニアエンジニア 輿水万友美

一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA) 荒井康宏


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