第3回 TFS自動ビルドを実践する連載:いまどきのソース・コード管理(1/3 ページ)

Visual StudioからTeam Foundation Serverに接続し、TFSに統合されているビルド・サーバ機能を活用して、実際にプロジェクトのビルドを行ってみる。

» 2013年07月02日 12時00分 公開
[亀川和史]
連載:いまどきのソース・コード管理
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 Team Foundation Server(以下、TFS)および、Team Foundation Service(以下、TF Service)では自動ビルドを実現するビルド・サーバ機能が統合されている。前回はTFS Expressにビルド・サービスを構成して自動ビルド環境を完了させた。

 今回はVisual StudioからTFSに接続し、このビルド・サービスを活用して、実際にプロジェクトのビルドを行ってみることにしよう。

【コラム】Visual Studio 2012 Update 3とVisual Studio 2013 Preview

 マイクロソフトの開発者向けカンファレンス「BUILD 2013」開催初日の6月26日(米国時間)にVisual Studio 2012 Update 3Visual Studio 2013 PreviewおよびTFS 2012 Update 3TFS 2013 Previewが公開された。Update3は致命的なバグ修正を多く含んでいるため、適用をお勧めする。

 ビルド・サーバの仕様変更はないので、本連載には影響はないが、訳語の変更が行われている場所がある。筆者が気づいた箇所は併記しておいた。


Visual StudioからTFSに接続する

 Visual StudioからTFSに接続するには、メニューバーから[チーム]−[Team Foundation Serverへの接続]を選択する。すると[ソリューション エクスプローラー]タブの隣に[チーム エクスプローラー]タブが表示されるので、[Team Foundation サービス]の下にある[接続]リンクをクリックする。これにより、次のような画面が表示される。

[Team Foundation Server への接続]ダイアログ
[サーバー]ボタンをクリックすると、サーバ名の設定ダイアログが表示される
次へ
[Team Foundation Server への接続]ダイアログ
(1)(4)(それぞれの入力内容は下記の説明欄を参照)を設定して[OK]ボタンをクリック
次へ
[Team Foundation Server への接続]ダイアログ [Team Foundation Server への接続]ダイアログ
[Team Foundation Server の選択]ドロップダウン・リストから 接続先のTFSを、[チーム プロジェクト コレクション]と[チーム プロジェクト]の各欄から適切な要素を選択して[接続]ボタンをクリックする。
  (1)サーバ名を入力する。TF Serviceの場合は「https://<名前>.visualStudio.com/」と指定する。ローカル環境のTFSの場合はサーバ名だけでよい。
  (2)[パス]には「tfs」を指定する。
  (3)ポート番号は「8080」のままでよい。
  (4)プロトコルは通常、[HTTP]でよい。[HTTPS]を構成することもできるがサーバのIISで設定が必要になる。

 TFSに接続すると、[チーム エクスプローラー]タブの表示が次のように変わる。なお、一度登録したチーム・プロジェクトはチーム・エクスプローラから右クリック一つで簡単に接続できる。

[チーム エクスプローラー]タブ [チーム エクスプローラー]タブ
ここではTFSに関連する各種の作業を行える。

 TFSに接続したら、新規にソリューションを作成するか、既存のソリューションを開くかして、これをTFSにチェックインする。ここでは、サンプルとしてASP.NET MVCアプリのソリューションを新規に作成した。

 ソリューションをTFSにチェックインするには、その前にそれをソース管理に追加する必要がある。これを行うには、[ソリューション エクスプローラー]タブで対象のソリューションもしくはプロジェクト(ここでは「MvcApplication1」)を右クリックして、[ソリューションをソース管理に追加]を選択する。すると、[ソリューション XXX をソース管理に追加]ダイアログが表示されるので(XXXはソリューション名)、どのチーム・プロジェクトに追加するか、ソリューションやプロジェクトが追加される場所などを適宜設定して[OK]ボタンをクリックする。ここではデフォルトの設定のままとした。

 ソリューションをTFSに追加すると、同時に初回のチェックインの設定も行われる。このとき、[チーム エクスプローラー]タブには次のようにチェックインでの変更内容が表示される(ここでは全て[追加]される)。ここで[チェックイン]ボタンをクリックすると、確認ダイアログが表示され、[OK]ボタンをクリックすると、実際のチェックインが実行される。

[チーム エクスプローラー]タブに表示された変更点 [チーム エクスプローラー]タブに表示された変更点
[チェックイン]ボタンをクリックすると、実際のチェックインが実行される。

 チェックインするとき、コメントと作業項目の関連付けを行える。コメントは、「なぜチェックインする必要があったのか」について、後からほかの人が読んで簡単に分かる文章を書いておくとよい。例えばチェックイン・コメントに「バグ修正」とだけ書くと、「どんなバグを直す必要があったのか」が分からないので、ソース・コードを調べる必要があり、非効率だ。 関連作業項目も同じだ。チェックインに作業項目を関連付けておけば、「誰からの依頼で、どんな作業を行うためにこのチェックインが必要だったのか」という情報を追跡できる。1人で使う場合は無理に関連付けを行う必要はないが、複数人のチーム開発ではぜひとも作業項目の関連付けを行ってほしい。

 [ソリューション エクスプローラー]タブで、チェックイン対象の項目を個々に選択し、右クリックしてから(表示されるコンテキスト・メニューから)[チェックイン]を選択すると、その項目だけをチェックインすることも可能だ。

 これでチェックインが完了した。だが、「チェックイン完了=即ビルド可能」というわけではない。「ビルド定義」という作業を行って、ビルド時にはどんな処理を行うのかをビルド・サーバに教えてやる必要がある。そこで、次にビルド定義について見ていくことにしよう。

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