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» 2013年07月11日 18時33分 UPDATE

エンタープライズDevOps製品:日本IBMがUrbanCode製品の日本国内展開をスタート

UrbanCodeが日本国内で正式展開に。IBMが示すDevOps像の中でも、デプロイ期間短縮と併せて運用品質を担保する道具が加わることになる。

[原田美穂,@IT]

 日本IBMは2013年7月11日、ソフトウェアデリバリ管理の自動化ツールであるUrbanCodeの日本国内での提供を開始すると発表した。

 UrbanCodeは、アプリケーションデプロイプロセスのGUI設計および可視化、開発プロセス管理などを行うツール。2013年4月に開発元であったUrbanCode社を米IBMが買収していた。この買収を受け、日本IBMでもUrbanCode製品の取り扱いが始まる。日本IBMではこれに先立つ7月1日、同製品を含むDevOps製品群に関し、SI企業との協業を強化するための専用チームを組織している。

 なお、編集部では、この発表より前の6月、IBMのDevOpsに対するアプローチについて、米IBMソフトウェアグループ IBM Rationalゼネラルマネージャ、クリストフ・クロックナー氏を取材しているので、併せて読んでいただきたい。

mhss_watanabe.jpg 日本IBM ソフトウェア事業 ラショナル事業部 理事 渡辺公成氏

 日本IBM ソフトウェア事業 ラショナル事業部 理事 渡辺公成氏は「UrbanCodeは2001年から提供されており、既に世界中で大手を含む400社への導入実績がある。また、AWS環境などの多様なプラットフォームをサポートしている。Rational製品群は開発と運用のうち、開発フェイズに注力した製品展開を進めてきたが、UrbanCodeがポートフォリオに加わることで、DevOpsのうち、運用側に対してのアプローチができるようになる」と語った。

 現段階ではRational製品群のポートフォリオに含まれてはいないが、「年内にはサポート体制などを含め、IBM Rationalの製品として改めてリリースする」(日本IBM広報)としている。

 なお、UrbanCode製品には「uDeploy」「uRelease」「uBuild」など、開発から運用に至る各プロセス向けの独立したツールがあるが、このうち「特にuDeploy、uRelease機能は開発ツールから運用プロセスに至る領域で、従来製品ではリーチできていなかったところ。同製品が今後、Rational製品群に加わることで、より柔軟にニーズに対応できる」(日本IBM広報)としている。

 製品のインターフェイスはWebベースのGUIであり、運用側に対しては、開発→テスト→デプロイといった、開発側が持つアプリケーションのステータス情報が共有される。また、デプロイプロセスは、Webコンポーネントを使ったGUI上のモデルで定義できる。このプロセスも、開発・運用双方が参照できるようになっている。

mhss_ibm_urbancode.jpg デプロイプロセス定義の例 手順などの情報を開発・運用のいずれからも参照できる

 従来のデプロイの過程では、Webサーバの導入などをスクリプトとして記述するが、UrbanCodeの場合は、あらかじめ用意されたパーツをドラッグアンドドロップ操作で設計でき、同じGUI上で自動実行もできる。

 パーツには、例えばWebアプリケーションサーバとしてIBM WebSphereだけでなくApache Tomcatなどのコンポーネントが用意されているなど、オープン系プロダクトへの対応が充実しているのが特徴。

 UrbanCode製品では、開発からテスト、デプロイに至るプロセスを対象とした「品質ゲート」機能がある。開発と運用側でアプリケーションのステータスを共有しているのは前述の通りだが、例えばテスト工程の担当者が統合テストを完了しない場合は、次の段階であるステージングに移行できないようになっており、「リリースの品質を高めることで、運用の安定性を高められる」(渡辺氏)としている。

mhss_gate.jpg 品質ゲート画面の例

 「UrbanCodeは、DevOps支援環境として、開発サイクルの短縮はもちろんだが、エンタープライズアプリケーションの品質を担保する仕組みとしても機能する」(渡辺氏)

 気になるのが、IBM既存製品やその他の環境との関係だが、「開発プロセス管理ツールであるRational TeamConcertやオープンソースの継続的インテグレーション支援ツールとして広く利用されているJenkinsなどをUrbancodeで統合管理することも考えられる。また、Smarter CloudやPureApplicationsなどの製品との連携は今後の展開として考えている」(渡辺氏)とのコメントを得た。

 製品のターゲットには、金融や証券、通信などの、高い品質要件が設定されているエンタープライズシステムのほか、迅速なリリースが求められるモバイルサービスやeコマースサービス提供企業も含まれる。

 また、既存Rational製品ユーザーが多いエンタープライズアプリケーションにおける開発・運用の連携支援だけでなく、同様にRational製品群採用の多い製造業向けのアプローチも検討中だという。

 「車載機器メーカーなど、自動車のサプライチェーンに連なる製造業系企業でも、開発プロセスの可視化や品質管理ツールとして期待されており、既に導入検討企業もある。組み込み機器向けソフトウェア開発では、デプロイのターゲットとなるハードウェアが異なることから、今後の展開としてナショナル・インスツルメンツなどのチップメーカーと連携を深めていく計画もある」(渡辺氏)

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